2日(木)
エマニュエル・ボーヴ『ぼくのともだち』(白水Uブックス)読了。 以下は読書メーターに投稿した感想。
最初は笑いながら読んだ。ともだちをみつけようとパリの街を彷徨するヴィクトール。彼のとんでもない妄想の暴走っぷりやら、その自己イメージと実際のあり
ようの落差が可笑しすぎる。そのせいで、彼はともだちのできそうな機会を、すべて自分からぶち壊してしまう。不器用すぎる。それじゃダメだ、といいたくな
る。とはいえ、彼の孤独と疎外感がなにに由来するのかを考えると、人と人がわかり合える可能性というものは、多くのものを犠牲にした末に生まれるものなの
かもしれないということを思わせもする。末尾の文章の切なさと美しさに、胸が痛む。
前に少し書いたけど、ヴィクトールはかなり嫌なヤツだ。でも最後まで読んで、切なさを覚えるほどに、純度100%の不器用人間ヴィクトールが愛おしくなってくるのは、わたしがなんとか世間と折り合いをつけられるだけのいやらしさを身につけた不純(?)な不器用人間だからなんだろう。彼の孤独は誰のなかにもあるはずのものだと思う。しかし、彼のコミュニケーション不全は、はっきりと語られてはいないが、戦争の体験のあるなしと関わりがあるような気がしないでもない。プロローグの、「ぼくはよっぽど『私は戦争に行ったんですよ』と言ってやろうかと思った。戦争でひどい怪我を負って、戦功章を授かったんです。今は傷痍軍人年金を受けています。そう言ってやりたかった。でも、すぐに、そんなことを言っても無駄だと悟った」 こうした断絶に対する無力感を見ると、あながち見当はずれでもなかろうと思うのだけど、どうなんだか。
ぼくのともだち (白水Uブックス 184 海外小説の誘惑)
エマニュエル ボーヴ 渋谷 豊
万人におすすめできるというわけではないけど、わたしはかなり好きだ。
3日(金)
今日は休みだけど、天気がよろしくないので、ウチでおとなしく仕事することにしたはずなのに、遊んでばかりで進まない。こないだの金沢行きのことを書いたら収拾がつかなくなったが、もういいや、と上げてしまう。(→「ピタゴラス、巨大仏、そして諦めるまで――春の18きっぷ旅 加州編(前)」) だらだら書いたので、3部に分けることになる。つくづく自分には短くまとめる能力がないのだなと思う。
4日(土)
金沢は好きなのに、わたしが書くとどういうわけだか旅情が皆無になる。(→「諦めてのち、バンカラ、かわいさ、そして天狗――春の18きっぷ旅 加州編(中)」)
5日(日)
もう、ホントごめんなさい、金沢、そして鏡花。冒瀆しているような気になるな。 (→「腹減りすぎてロクなことなし、そして巨大仏ふたたび――春の18きっぷ旅 加州編(後)」)
6日(月)
今日しか花見の機会がなかったので、雨降りだけど行ってきた。
やっと車窓越しでない、ナマ白鷺城。青空のもとなら、さらにこの白さが映えたことだろうな。
散りはじめた桜は、それでも綺麗だった。
7日(火)
本日、帰りの電車内でわたしのとなりに立っていたカップルが「『熊』って音読みあるんかなー?」「えー、くまぁ?うーん」「なんやろなー?」「ないんかなー」「どーかなー」といちゃいちゃしていたので、危うく「『ユウ』ですよ」と介入しそうになったが、すんでのところで公序良俗回路が発動し、事なきを得た。ちなみに介入しようかどうしようか逡巡している間に、話題はどこやらのテーマパーク(USJ?)の「進撃の巨人」アトラクションの話に移行していた。
8日(水)
お伊勢参りに行ってきた。前日の予報では「曇りのち晴れ」だったので安心してうちを出たのだが、ずーーっと降ってた。それも傘がいるかいらないかぎりぎりの、いちばん鬱陶しい雨が。金沢以外の18きっぷ旅は、すべて雨。日頃の行いはそんなには悪くないと思うのだけど、悪いのか?
伊勢うどん(おやつ)。
9日(木)
職場ではラジオがつけっぱなしになっているのだけど、本日、その時間と場所と出来事を考えると、どうやらわたしのことらしき内容の投稿が読まれていたのでびっくりした。いや、悪いことしたんじゃないですよ。「どなたかは存じませんが、この場をお借りしてお礼を」的なやつ。うーん、なんでこのところ旅に出ると雨ばかりなのか、ますます解せんのである。
お伊勢うどん。私も頂きました。
返信削除また行きたいな。おかげ横丁とか・・・
麩之介さまは、何を感謝されたのですか???
知りたいのは私だけ?いやきっと違う!!
さぁ・・今日はうまく投稿でっきるっかなーー♪???
今日は匿名じゃなくて、これにしてみて・・・
今、ビール飲みながら「亡命ロシア料理」読んでます。
♪♪♪
gata negraさま、コメントありがとうございます。
削除今日はいけましたね。よかった…
伊勢うどん、うどん県を擁する四国の方には信じられない(うどん県の友人は「許しがたい」という)ほどやわらかいおうどんですよねー。おいしいですけどね。
わたしが感謝されたのはですね、某デパートでかなりゴーカなお財布を拾ったのです。わたしもデパートで働いていましたので、お忘れ物係に持って行くと、こちらの連絡先を聞かれたり、いっしょに財布の中身の確認をしないといけないことがわかってまして、急いでいたこともあり、近くの売場の方に預けたのです。まあ、そういうことで、「もう諦めていたのに、中のお金は1円たりともなくならず戻ってきました。どこのどなたかわかりませんが、ありがとう!」っつーことでした。めんどくさがったがゆえに、謎の善意の人になっちゃったんですね(笑)。
『亡命ロシア料理』面白いですよね。わたし、まだ全部は読んでないんですけど。