2019-01-11

日々雑記 2019 Jan. #1

1日(火)

あけました。

元日の朝の我が家の恒例行事として、まず馬鹿丁寧に新年のあいさつをする。これが昔は朝の4時とかだったが、祖父亡きあとはなし崩し的に遅くなり、今年は7時。そのあと梅干しに煎茶を注いだのを飲み、雑煮とおせちをいただく。


雑煮は白味噌仕立てで里芋、にんじん、ごぼう入り。餅は朝だけで、あとはごはんとおせち。とにかくおせち。

暖冬とはいえ自室は寒い。午前10時すぎの室温がこれだ。


4℃て。テントを導入することを真剣に考えるも、「いや、暖房でしょう」との言葉に正気に返る。

昨日の帰りの電車で読み始めた『竜のグリオールに絵を描いた男』、最後の「嘘つきの館」を残すのみとなった。非常に面白いが、明日・明後日は姪たちが来るので読書は休むほかあるまい。


2日(水)

朝はぜんざいとおせち。


昔から元日は丸餅を煮た合わせ味噌仕立て(具は花かつおとねぎのみ)の雑煮、2日は小豆のぜんざいと決まっていた(決まっていたけど、甘いものが苦手だったわたしは味噌にしてもらっていた)が、これ、父が甘いもの好きなので無理やりねじ込んできたのかと思っていたら、ウチだけではなく地域の習慣であるようだというのを、神戸新聞の記事ではじめて知った。ていうか、雑煮にはいろいろ具が入っているものだということも、そうとう長い間知らなくて、どこもこんなものだと思っていた。毎年書いている気がするが。

昼はごはんとおせち。妹家の人々は昼ごはんを済ませてから来るというので、まったく頑張らない。

午後、妹家御一行様御来駕。姪たちへのお年賀。


姪1には『まめまめくん』、姪2には『パンやのくまさん』を、それぞれ包んで年賀ののしをかけてもらったのを渡した。

晩はこれ。


客が来ているのでな。元看護師の母いわく「かにで怪我をして救急外来に来る人が毎年いる」地方とて、取り柄はこれしかない。手伝いをする意志はあっても怖くてかにを割れないわたくし、割られた殻から身を出す&アクとりなど鍋の世話を担当。


3日(木)

朝はごはんとおせち、昨夜の鍋で使い切れなかった野菜やきのこの味噌汁。病院勤めの義弟は本日出勤、7時前に出て行った。

Eテレの「昆虫すごいぜ!」(これを楽しみにテレビのある実家に帰ってきた)再放送を見たあと、皆でカードゲーム。坊主めくりとかそういうあれ。

坊主めくりを楽しんだ姪2(5さい)、かるたとりには参戦できないので、読み札を見て「姫!」「坊主!」「ふつうの人!」と叫んでいる。ふつうの人て。わたしはかるたとりで圧勝し、おとなげのなさを遺憾なく発揮。姪1(7歳)はなぜか相模の歌(のみ)を完璧に覚えているので理由を聞いたところ、「家の百人一首の相模さまの絵がチョー怖いので覚えちゃった」とのこと。うちに帰ったら写メしてくれるというので楽しみ。

昼は巨大中華まんとブロッコリーのサラダとおせち。

午後3時、妹家の人々が去る。家の中が急に静かになる。


4日(金)

朝、霧が出ている。ということは、今日は晴れる。

朝食はごはんと、そろそろきびしくなってきたおせち。昼は出石に蕎麦を食べに行く。


ここにね、コウノトリが飛んでたんですよ。写真間に合わなかったけど。

行ってみたら一軒の蕎麦屋さんに大行列ができていて、どこも混んでるのかなと思ったら、ほかはそうでもなかった。なんだか某有名ガイドに掲載されたのだそうで。麩家がいつも行く店はいつもどおりでなによりであった。


てことで、いつもの皿蕎麦。皿8枚と蕎麦湯をいただいた。

帰りに温泉。晩はごはんと、使い切れなかった刺し身用サーモンのサクでみぞれ煮。

夜、テレビで某人気番組を初視聴。キメ台詞の「ボーっと生きてんじゃねえよ!」が出たときに、反射的に「ボーっと生きてちゃいけねえのかよ!」と叫び返した。いちおう内心で。うわー、あかんわこれ、耐えられない、と思う。この嫌さの理由を考えてみたが、それはたぶんわたし自身は「知っているのがエラい」とも「知らんのはアカン」とも思っていないからではないかと思う。なにかを知らないということや、疑問を持たないでいることを、なんであんなに怒る(あれは叱っているのではない)のか、さっぱり理解できない。それと日本人でひとくくりにせんといてほしい。「すべての日本人に問う」とかいうけど、すべての日本人が知っていないといけないことなんてなにかあるのか。あの番組で扱われている知識が取るに足るものかどうかということを考えに入れなくても、だ。最終的に「もういいよオマエらの考える日本人にカウントしてくれなくて。これからもボーっと生きていくわ」と思っていた。


5日(土)

朝はとち餅の焼いたのと白菜の味噌汁、昼は煮しめを刻んで煮直したものが具のばらずし、なんらかの菜っ葉のおひたし、大根の味噌汁。

ルーシャス・シェパード『竜のグリオールに絵を描いた男』、昨夜布団の中で読了。読書メーターに書いた感想を転載。
第一作では暗示的に表現されているように思われるが、アイデンティティと自由意志にまつわる問題が、それぞれ味わいの異なる作品に通底するテーマと読める。死んではいないが麻痺させられた「バカでかい竜」は、自然環境のようになりながらも、その意志で人間を操っているのではないかと考えられているが、その考え自体、行為の責任の所在を曖昧にするために利用されてはいないとだれに言えるのか、というところが意地悪くてたいへんよろしい。「鱗狩人の美しき娘」、ミステリ要素たっぷりの「始祖の石」が好みだった。シリーズ全部出るといいなあ。
あと、この動きは止まっているが死んではおらず、人間に影響を及ぼし続けている(らしい)というグリオールの設定って、カズオ・イシグロの『忘れられた巨人』のクエリグと同じなんじゃないの。 関係あるかどうか知らんけど。




晩はおでん。


ひとつだけ残った昆布巻きも投入。やはりたくさんつくると美味しい。


6日(日)

朝は豆餅に蜆の味噌汁。お天気がよければ日食を観測してから、近所の川に七草のうち三草くらいは採りにいこうかと思っていたが、どんより曇り、ときおり雨もぱらついているので諦めた。日食など望むべくもない裏日本の冬。

相模きた。


体がどうなっているのかわからない。顔が怖いのだと思っていたが、そっちか。いや、顔も怖いか。ちなみに「ここの相模さまは普通」といわれた我が家の相模はこう。


普通だな。やはり体はどうなっているかわからないが。扇をどう持っているんだ。


7日(月)

朝は七草粥。七草は伯母が届けてくれたもの。
昼前に温泉に行き、帰りに障害者就労支援施設のうどん店で日替わりランチ。


本日はさばランチ。美味しかった。これで500円ですよ。併設のベーカリーでドーナツを買って帰宅。

腹ごなしに散歩しようと川へ。土手を歩いていてコウノトリ発見。少しでも近くで見ようと近づいている最中に見つかって逃げられた。


ああ、赤いマウンテンパーカーさえ着ていなければ。おまけに帰ろうとしているとハシボソガラス数羽に頭上を舞いつつ騒がれた。「怪しいヤツ! 怪しいヤツ!」てことだな。普段人間が歩いてないようなとこを歩いてたからな。イノシシが穴掘ってるような。


迷彩ジャケットとデジイチを買おう(今年の抱負)。

帰り道で撮った、好きな路地。


夜、帰宅。弁当に持たせてもらったおむすびときんぴらごぼうで晩めし。


8日(火)

朝。


焼き鮭、きんぴらごぼう、焼きむすび。
昨日の弁当の焼き鮭とおむすびを魚焼きグリルであたためた。おむすびは無塩だったので山椒味噌を塗って焼いた。


9日(水)

朝。


おじや。
弁当の残りのおむすびと焼き鮭を使用。食べたら出かける。


あべのハルカス。ここの美術館で開催中の「生誕120年 イスラエル博物館所蔵 ミラクル エッシャー展」を見に来たわけだが、まずは昼めしをと太刀魚料理のお店 たちじゅう 園さんへ。入ったらダウンのコートを着たおばちゃんが声をかけてきた。お客さんだと思っていたら店の人だった。


わたしが座ったカウンターの上方には太刀魚の魚拓。たちじゅうを注文すると、ダウンのおばちゃんに「はじめてですか」と尋ねられ、「何回か来てます」と答えたら、「じゃあ食べ方はご存知ですね」といわれる。いや、2年に1回くらいしか来てないので、まったく覚えてなどいない。けど、まあいいだろうと思って放置。隣に座った人が「はじめてです」と答えていたので、おばちゃんのレクチャーを盗み聞きするなど。


たちじゅう。炭火で焼いた太刀魚の蒲焼きがどかんと乗っている。香りがたまらない。小皿の黒いのが自家製練り七味。これを少しずつつけながら食べる。激ウマ。店を出るときに、おばちゃんが「どうでした?」と尋ねてこられたので、「最高でした」と答える。

さて。


見てまいりました。平日の昼間なのに人が多い。エッシャーの版画は視線を彷徨わせていつまででも見ていられるものなので、これはたいへんだと思っていたら、わたしの前にいたおばちゃん、「目がちかちかして見てられへん。はぶきます」と宣言。「はぶきます」にちょっと鼻が鳴ってしまった。

この展示、思っていた以上に木版画が多かった。エッシャーの木版ってほとんど見たことがなかったけど、すごくよかった。


二重の惑星 (1949)

それと風景画。


アマルフィ (1931)

これも見たことがなかったので、こんなのやってたんかー、という新鮮な驚き。

これとか


婚姻の絆 (1956)
これとか


空中の城 (1928)

マグリットっぽいなと思ったんだけど、エッシャーはダリやマグリットとは関係していなかったそうだ。

エッシャーの描く生き物はどれもすごくいいんだけど、特にこれ。


でんぐりでんぐり (1951)

日本語タイトルが秀逸。すごくかわいい。足がたまらん。アクションフィギュアとかあったらいいのに、と思って「 escher curl-up figure 」で検索したらブリスターパックの画像が出てきたので、かつてあったようだ。ほかにもカプセルトイが以前の展示で販売されていたらしい( → エッシャーだまし絵フィギュアの世界 )。欲しい。

ミュージアムショップにさまざまな太陽の塔。


さすが太陽の塔、かわいくデフォルメされたりなどしない(かわいくないといっているわけではない)。

晩は天満の双龍居さんにて。


えびと豆腐の煮込みほか4品を腹パンパンになるまで食べたのに、デザートの杏仁豆腐も薦められるまま注文。商売上手だ。美味くて安いので許す。


10日(木)

この日の日記は長編化したので、別に記事にします。ただいま工事中です。

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