2018-12-31

日々雑記 2018 Dec. #3

21日(金)

暗いうちに目が覚めてそのまま眠れずにいたけれども、なかなか夜が明けなかった。思えば明日が冬至ということは、いま1年でいちばん夜が長い時なのだった。

明るくなってきたなと外を見たら、霧。


郷里の冬の朝は、雪が降っているか霧が出ているかどっちかだった。雪が降っていればそのまま降り続け、霧が出ていれば昼には晴れた。どっちみち朝の太陽はなかった。そんなことを思ったが、こちらの霧は性質が違うのだな。霧が去っても晴れたりせず、どよんとしたままだ。

朝食。


おじや。
わかめとねぎ入り。

晩は4日目のおでん。そろそろ具材の種類が少なくなってきたが、足すべきだろうか。


22日(土)

朝。


さばと紫玉ねぎのホットサンド、紅茶。
さばは水煮缶使用。ケチャップ、胡椒、タバスコで味つけ。

昼。


5日目のおでん、たくあん、麦飯、さば豆腐汁。
汁は朝のさば缶の残りと玉ねぎ、豆腐、せん切り生姜を煮て味噌仕立てにした。

おやつ。


近頃うわさのブルボンのチョコレート。いちごがごろごろ入ってて美味しい。

晩はおでんの残りを食べてしまおう。大鍋の方はぐらぐら煮立てたりしなかったので、まだお出汁は澄んでいるし、入れっぱなしの出汁昆布も溶けずにおいしく煮えている。そうだ、チビ太のおでんを一回やってみたかったのだ。あの三角こんにゃくとがんもとナルトの。そう思って買いものに行ってみたが、ナルトは確保したものの、小さいがんもがなかったので、明日以降に持ち越しとなった。


23日(日)

朝。


トースト、コーヒー。
パンは全粒粉食パン。

昼。


油麩丼、たくあん、インスタント味噌汁(わかめ、麩)。
麩がかぶっているが、まあいい。

小雨がぱらついているうえに、ベランダに洗濯ものを干しているので、部屋の中が薄暗くて気が滅入る。こんなときはおいしいおやつだ、とおやつを求めて外出したが、こんなときのためのとっておきの洋菓子店が閉店してしまっており、失意のあまりそのまま40分歩きつづけ、入ったことのないスーパーに立ち寄っておでん種を買って帰宅。


念願のチビ太のおでん。


さっそく。


24日(月)

朝。


チョコレート、チーズ、バナナのホットサンド、コーヒー。
チョコレートはガーナのブラックを刻んで、チーズはふつうのシュレッドチーズ。

昼。


とろとろ白菜うどん。
いつもは白菜のみの塩味だけど、昨日の油麩の残りを入れて醤油味で。(基本のつくり方はこちらに→ 「日々雑記 2018 Feb. #3」 )

午後、久々に川沿いを散歩。ホトケノザはこんな時期から咲いている。


去年の冬はもうひとつだったセリがわさわさ。


クレソンも。


今日はクレソンとスペアミントを収穫。


クレソンは胡麻和えにした。ということで、


昨日より一品増えたクリスマスディナー。


寝る前に生ミント茶を。
そういえば、クリスマスまでには届くだろうと、自分へのプレゼントとして注文した本がまだ届かないが、英ロイヤルメールのやることなので別に驚かない。


25日(火)

朝。


野菜炒め乗っけ鍋焼きラーメン。
すり胡麻をかけた野菜炒めの下は、チャルメラ醤油味。

晩は当然おでん。


26日(水)

この日の日記は長編化したので、別途記事にしました。( → 「冬のふらふら旅 2018-19 ― 近江八幡を歩き倒す 1 (長命寺編)」 、「冬のふらふら旅 2018-19 ― 近江八幡を歩き倒す 2 (ヴォーリズ建築編)」 、 「冬のふらふら旅 2018-19 ― 近江八幡を歩き倒す 3 (おまけ)」


27日(木)

この日の日記も別途記事にしました。( → 「鯛、庭、そして古書 ― 冬の18きっぷ旅 2018-19 (1)」


28日(金)

朝、寒いと思ったら雪が降っていた。本格的に冬ですわ。

朝食。


お茶漬け海苔を振り込んだおじや。

今日、あれやってこれやって電話1本かけて調整してメール送信したら、仕事が納まるのだ。そのはずだ。けど世の中そう簡単にはいかないんでしょ知ってる。

と思ったら意外とすんなりいって、早々に仕事納め。晩はオデーン・グランドフィナーレ。シメはウドーン。

おでんも出汁まで片づいたし、帰省に向けて、ナマモノ消費レースが明日開幕。いかに買いものを控え、そこそこ食べられるものをつくれるかが鍵となるのだが、いまの在庫状況を考えると、キャベツ頻出が避けがたい予想。


29日(土)

朝。


魚肉ソーセージとキャベツ入りオムレツのホットサンド、紅茶。
微ジャンクで美味い。チーズを入れたりケチャップ使ったりしたら、さらにジャンクでよかったかもしれない。またやってみよう。

昼。


キャベツと桜えびのスパゲティ。
スライスにんにくと輪切り唐辛子をたくさん入れた。

おやつ。


バナナ赤ワイン煮。
ただ切ったバナナを、甘味も何も添加せず赤ワインでガーッと煮ただけだが、これが美味い。見た目は沼だけど、美味いのだ。

晩はおやつに使った安ワインをオランジーナで割ったのと、ハニーナッツ&プレッツェル。


30日(日)

朝。


ひきわり蒸し大豆と紫玉ねぎとチーズのホットサンド、紅茶。
なんとなくあったものを合わせてみたけど、これは美味い。もう少しチーズが多くてもよかったかもしれない。

昼。


焼きそば。
具はかにカマ、生きくらげ(冷凍)、キャベツ、ピーマン。カラシ醤油で味つけしたけど、炒めたらカラシがどっかに行ってしまった。

午後は大掃除に着手、台所をピカピカにする。

いつもの本屋に支払い済みで預かってもらっていた本を取りに行き、ついでに絵本を2冊購入、お年賀の熨斗をかけてもらう。いつもは、これは誰の分と決めずに二人で楽しんでくれたらいいと思っているけど、お正月はそれぞれに渡そうと。帰りに年賀はがきを入手。ええ、今日です。

晩。


ライスグラタン。
冷凍ごはん、朝のひきわり大豆、紫玉ねぎ、チーズのミックスの残りとハインツのホワイトソース使用。ごはんを自然解凍後、直火OKの耐熱容器に入れてほんの少しのスープを加えてガスレンジで加熱し、具材を乗せてホワイトソースとシュレッドチーズをかけて魚焼きグリルで上面を焼いた。

年賀状をよこしそうな人の分だけはがきを買ってきたつもりが1枚足らず、手持ちのものからめでたそうな絵柄の高橋由一ポストカードを選び、無事年賀状をやっつけた。


年賀状を投函に行ったついでにスーパーに寄ると、店内音楽はいつもなら店のオリジナル音楽なのに、今日はちょっとお正月っぽいものが流れてて、ふむふむと思っていたのだが、なぜか突然ブッカー・T & ザ・MG's の "Green Onions" がかかっててびっくりした。なにごとですか。年末スペシャル? しかしなぜブッカー・T?

風呂に入ってから、風呂掃除(大)をする。なんか損した気がする。とりあえずもう一回風呂に入りたい。


31日(月)

朝。


パン粥。
牛乳使い切り作戦。

今日帰省するのだが、昨日の洗濯物は当然乾いていない。部屋干ししたまま年を越し、そのまま数日放置することを考えたら、大掃除などどうでもよくなってきた。

昼。


味噌煮込みうどん(帰省前仕様)。
ねぎ1本、しいたけ3個、たまご1個入り。これでだいたい怪しいものは食べきった。無理なものは冷凍庫に押し込んだ。

午後3時過ぎ、家を出る。出たはいいが、早すぎて京都駅で30分待ち。着くのは8時前なので、駅弁を買おうと弁当売場を覗く。ものすごく種類が多いが、めぼしいものは品切れになっていた。それはいいけど、京都駅の弁当売場なのに、京都とあまり関係ない弁当が多い。あなご弁当とかかに寿司とか蛸めしとか、果ては九州肉づくし弁当なんてものまであるんだけど。うーん。

京都駅を4時過ぎに出発、園部で乗り換え、福知山では20分待ち。だいぶ雪の量が増えてきた。そして寒い。

福知山を出てしばらくして、なんだかわからない場所で急停車したと思ったら、鹿と接触ですと。車両に異状はないということで比較的短時間で運行再開。鹿がだいじょうぶだといいけど。

動き出したので駅弁をいただく。うん、おいしくない(ので写真は載せません)。

無事到着。心配していた雪はそれほどでもなかった。そして実家の部屋は寒い。たぶん5℃くらいじゃないか。本気でテントの導入を検討しようと思う大晦日であった。

2018-12-29

冬のふらふら旅 2018-19 ― 近江八幡を歩き倒す 1 (長命寺編)

日々体力の衰えを自覚しているというのに、唯一確実な改善策である毎日の鍛錬を欠かし、そのくせ休みの日にはエクストリーム遠足をしてしまいがちな麩之介です。皆さまいかがお過ごしですか。体に鞭打ってますか。


12月某日、通常ならばウチ仕事の日だけれども、休みにしてお出かけしようと決めたので、いつもより遅くまで寝ていてよいのに、妙に早く目が覚めた。遠足だからか。小学生なのか。

起き抜けに生ミント茶を一服。


朝食。


月寒あんぱん(かぼちゃあん)、ほうじ茶。
いわゆるあんぱんというよりは饅頭だった。栗饅頭系の。

ちょっと量が足りない気はするけれども、出先で豪勢にいく魂胆で家を出た。仕事用に買った回数券が諸事情により使い切れないことが分かったので、せっかくだし、それを使って近辺を観光しようではないかという企画である。ふと思いついて調べたら、目当ての場所にはコミュニティバス(1回の乗車で200円)で行けるし、その路線で別の観光名所へも行けそうなことが分かったので、お財布にも優しい遠足だ。

ということで、いつもより1本遅い電車で、滋賀県は近江八幡市へ。いつものバス停で、いつもとは別のバスに乗る。おはようございますと挨拶して乗り込んだが、運転手さんは無言(でうなずいたか、もしくは声が小さすぎて聞こえなかったのかもしれない)。無口な方なのだな。これはあれかもしれないと覚悟する。乗客はわたしひとりだ。いよいよまずい。発車時刻が来る。「発車します」とひとこと、そののち一切無言でバスはゆく。うん、予想通りアナウンスなしだった。基本的に地域住民が利用するコミュニティバスの運転手さんにはたまにおられるタイプで、わたしはいつも利用している路線にはじめて乗ったとき経験済みなのだが、なぜこう毎回乗ったことのない路線の初乗りで遭遇するのか。なにかわたしに問題があるのかと理不尽に思いつめ、車内に貼られた路線図で、通過するバス停と目的地の関係を必死で確認する。途中で「〇〇行きますか」と聞きながら乗ってきたおばあちゃんがいた(このとき運転手さんの返事は聞こえなかったが、無言でうなずいたのだろうか)ので、「この人が降りてから4つめ」と呪文のように唱える。バスは静かに走り、おばあちゃんは降りていき、わたしはバス停を数えてボタンを押し、無事降車に成功。あー緊張した。まあ最初に降りる場所を告げておけば緊張する必要はないのだけど、なんか負けたような気がするので嫌だ。いや負けるって何にだよと自分にツッコミを入れつつ帰りのバスの時間を確認して、出発。

目的地はバス停からすぐ。


西国三十三所 第三十一番 姨綺耶山 長命寺。「いきやさん ちょうめいじ」と読む。619年、聖徳太子の開基と伝えられる古刹である。市内を走るたまご色のタクシーにもその名が使われ、市民に親しまれているお寺。それはそれとして。「本堂まで808段」と。ここまではすぐだけど、ここからは遠いと。ていうかキツいと。


これで十分の一もないと、そういうことですね。朝もっと食べてくるべきであったかと後悔してもはじまらない。下調べくらいはすべきだろうが、わたしの旅はほとんど常にいきあたりばったりなので仕方ない。さいわい水は600㎖ボトルに一杯詰めてきた。いきますか。

のぼる。休む。のぼる。休む。のぼる。休む(給水)。(以下本堂までこの繰り返し)

まずい。まだ半分も来ていないだろうに、もう息が上がっている。ここよりもキツいらしい上醍醐へは何度かのぼったけど、いまのわたしよりもずっと年上の両親が一緒にのぼったことを考えると、わたしはかなり体力がないのでは。中学高校とバスケ部だったんだけどなあってそこからの運動しない歴が長すぎるわけだが。

途中に出現したこれは何。


何らかの門ではあるのだろうなあ。この先はここまでとは違うのだろう。右奥に崩れた石灯篭が打ち捨てられている。

暑くなってきたのでマウンテンパーカーの前を開け、マフラーをかばんにしまい、ひたすらのぼる。どのへんまで来たのかわからないが、上から下りてくる人が見える。見えるのだが、みんな左に折れていってすれ違わないのは何故だろうと思っていたら、駐車場があったのだった。ここまでは車で来られるのだな。ということはきっともうすぐなんだ。

駐車場から現れた三人連れのご家族がわたしの前をのぼりはじめた。すぐに子供が「しんどいー」とかいい出したが、駐車場までぴゅーっと車で来た子供よ、おまえが「しんどい」いうな。ほんで平坦なとこに出てから先の方見て「うわーまだめっちゃ階段あるー」とかいうな。挫けるわ。

挫けている場合ではない。めっちゃある石段をひたすらのぼり……あれ、着いた。


そんなないぞ子供……って、いや、ごめん、まだ階段あったわ。山門を見て気を抜いてはならない、それが山寺。

さて階段を昇りつめ、ここが本堂。(重要文化財。右手が正面)


やっと来た……もうへろへろなので、しばらく石の腰掛に座って息を整え、御詠歌を思いだす。そうだ、「八千年や 柳に長き命寺 運ぶ歩みの かざしなるらん」とうたわれたお寺でございますね。ウチは法事で御詠歌を歌うのですよ。全部は覚えてないけどね。

汗も引いたし、まずはお詣り。わたしにあるのは信仰ではなく敬意なので、手を合わせてはいるけれども、心の中でいっているのは「観音さま、こんにちは。ここまでこれてうれしいです」程度のことだ。

本堂の裏手には巨石。


六処権現影向石(ろくしょごんげんようごうせき)。「天地四方を照らす石」という意味。諸星大二郎『暗黒神話』でおなじみ(?)の武内宿禰が長寿を祈願したとされる巨石、って仏教伝来以前の話だよなあ。巨石信仰の地に仏教寺院が建ったと。石山寺にも名前のとおり巨石がごろごろしてた印象があるけど、そういうものなんだろうかね。

御朱印をいただこうとして、御朱印帖を持ってくるのを忘れたことに気がついた。不覚。書き置きのものをいただいたが、これは大きいサイズのだなあ。切るとバランスが悪くなるので、これは別に保管しておくしかないか。


御朱印と散華。

本堂横は三仏堂(県指定有形文化財)。


阿弥陀、釈迦、薬師の三尊が祀られているそうです。

そのとなりの護法権現社(武内宿禰が祀られている)から東を見るとなかなかいい眺め。


奥に三重塔(重要文化財)が見える。

さらに階段をのぼり、太郎坊権現社へ。


ここからの琵琶湖の眺めはよかった。すっきり晴れているときにまた見てみたい。

さて、下りよう。経験上、長い石段は上りよりも下りのほうが厳しい。膝が笑ってコケたら目も当てられない、と気を引き締めて下りはじめると、小さいお礼の言葉が。


なんかいい。

なんとか転ばずに麓まで戻って来れた。ちょうどお昼時だし、バスが来るまで1時間ほどあるしで、滋賀県名物のこいつに誘われ


蕎麦を食べることに。出前途中で飛び出して轢かれるんじゃないぞ。

入店すると、店内音楽がなぜかハード系 J-Pop だったのでちょっと驚いた。隅っこに座って注文、そば茶をいただきながらつき出しのえび豆と日野菜漬けをつついていると、来ました。


長命そば。
薬味はごま、きんぴらごぼう、ゆず、ねぎ、だいこん、にんじん、水菜、わさび、白菜、小かぶと盛りだくさんでうれしい。蕎麦も美味しい。蕎麦湯が濃くてこれまた美味い。

はあ美味かった。しかし窓の外に見えていたこれはなんだろう。


そういえば長命寺の本堂横の物販スペースにも、スイーツ巡礼の地図みたいなのがあったような。ちゃんと見てなかったけど。

バスが来るまでまだ時間があるので、ちょっと周りをぶらぶら。投棄された粗大ごみだらけの空き地に猫。


でかい。見ていても動じない。が、なにかに気づいた様子で不意に立ち上がり、しっぽをさっ、さっ、と神経質に動かしている。


視線の先にはべつの猫。白がゆっくり近づいていく。


一触即発。どうなることかと見ていたら、キジトラの方が引いたらしく、こちらに向かって歩いてきた。


悠々とわたしの前を通り過ぎる。こいつもでかい。ついていったらうるさがられたか、隙間に入ってしまった。


つまんねーの、とぐるっと回ってみたら、ちょうど隙間から出てきたキジトラと鉢合わせ、まいたと思ったわたしがいたので驚いたのか、走りだした。


すこし走って立ち止まり、こっちをむいて座るキジトラ。


「びっくりさせんなや」 すんません。


「なんや、また来たんか」 すんません。

ぼちぼち来るかなとバス停に戻る。近江鉄道バスが時間調整で停車していた。運転手さんがバスの乗り口に腰かけて飲み物を飲んでいる。のどかな光景だ。寒いけど。ベンチには先客が二人。しばらくして動きだした、後発のはずの近江鉄道バスに乗って行かれた。先発のあかこんバス(近江八幡市のコミュニティバスの名称。キャラクターは特産品の赤こんにゃく)はどうしたんだ。車通りの少ない道なので、ひょっとして早く出てしまったとか、とすると次のバスいつだよ、と時刻表を見ると、約3時間後。えー……まあ近江鉄道バスなら本数あるからそれに乗ればいいか、ちょっとお高いけどやむをえん、と思っていると、待っていたバスが来た。往きと同じ運転手さんだった。

(続く)