2016-01-20

日々雑記 2016 Jan. #2

11日(月)

少し前にピエール・ブーレーズの、そして今日はデヴィッド・ボウイの訃報。好きな人がどんどんこの世界からいなくなってしまうのに、新しい「好き」はなかなか生まれない。よろしくない傾向。


12日(火)

映画監督のギレルモ・デル・トロのことば。


「ボウイがいてくれたから、ぼくらみたいな周囲に馴染めない人間は、変わってるってことは値打ちのあることなんだとわかった。彼はこの世界を決定的に変えたんだ」

うん。うん。

帰りにいつも世話になっている書店の店長氏と話す。「ボウイの好きな本100冊」 ってのをネットで見たというと、「フェアやりたい!洋書置けたらなあ……」とため息をついたので、邦訳があるヤツでやったらいんじゃね?となんの気なしにいったら、どんなのが出てるの、と目キラッキラさせて尋ねてきた。藪つついて蛇出しちゃった感があるが、まあ、協力しましょか。(ご興味がおありの方はこちらをどうぞ→ " David Bowie's 100 Favorite Books "


13日(水)

昨日のボウイ本、現在流通していて、なおかつ返品制限にひっかからなさそうなものをリストアップして店長氏に送信。すぐ返信があり、いまその書店には、全店の文芸書を統括している人がいるとかで、企画出しても通らないかもしれないとのこと。あのリスト作るのに3時間かけた(書名・著者名の考えられうる日本語表記と、英語表記の両方を検索したりで時間かかるんだこれが)のだよといったら「ボウイフェアできなかったら射殺されますね」というお答えが。ワシは何者やねん。ゴルゴか。しかし、品切れ・絶版多いな。え、まさかこれが!?といいたくなるほどのものでも、今流通してないものがある。


14日(木)

明日は休みなので(「なので」ってなんだ)、仕事帰りにサキ『けだものと超けだもの』を買った後、用事があって立ち寄った店のおじさん(本好きの江戸っ子)が、宮部みゆき『桜ほうさら(下)』を読んでいたので、なんの気なしに「宮部みゆきですか。読んだことないんですけど、面白いですか」と聞いてみたら、「貸してやるよ」と奥から上巻を出してきてくれた。「こっち(下巻)は明日読み終わるよ」といってくれたが、しばらくここに用事はない。上巻をありがたくお借りして帰り、サキともども積み本の一番上に置いた(次に用があるときに下巻も借りて、一気読みしようと思っただけで、決してないがしろにしているわけではない)。

けだものと超けだもの (白水Uブックス)
サキ 和爾 桃子
4560072043


桜ほうさら(上) (PHP文芸文庫)
宮部 みゆき
4569764819


そういえば、最近読んだ本、池澤夏樹『マリコ / マリキータ』、イスマイル・カダレ『夢宮殿』と、2冊連続で解説が沼野充義だった (間にフジモトマサル『ダンスがすんだ』を読んだけど、これは以前読んだ本をプレゼンのために読み返したので、カウントしない)。だからどうだということはないのだけど。

マリコ マリキータ (文春文庫)
池澤 夏樹
4167561018


夢宮殿 (創元ライブラリ)
イスマイル・カダレ 村上 光彦
4488070701


ダンスがすんだ
フジモトマサル
4104704016


17日(日)

午後から風が強くなった。仕事帰りに向かい風の中を歩いていると、トロ箱が転がりながら脇を過ぎていったが、それに貼られたラベルには「かに物語」と書かれていた。こういうネーミングって結構あるような気がするが、商品名を「○○物語」にするのと、レシピ本のタイトルを「○○さんちの~」にするセンスはすごいとしかいいようがない。だが問うなかれ、「なにがすごいの?」と。(答えません)


18日(月)

午後から大阪へ。久しぶりすぎて、ウメチカで盛大に迷う。大阪人以外で、目的地にスッと行ける人がいたらお目にかかりたいくらいなので、特に恥ずかしいとは思っていないが、目的地が駅前第3ビルであったことは伏せておいたほうがいいだろうな、と思いつつ書いてしまったわたしは救い難い自虐体質なのか。それはともかく、何度か同じところを通りながら、やっとこさ目的地にたどりつき、用事を済ませ、そのあとはスムーズにホームポジションの阪急梅田駅に帰り着いたが、次回迷わず行ける自信はあまりない。もう「ウメチカ」って通称をやめて、「ラビュリントス」にしたらいいのに。最奥部には、たしかミノタウロスが幽閉されているんでしょ、ウメチカって。

せっかくだから、伝説の名作へのリンク貼っとこ。ウメチカを舞台にした堀晃(コーコーセーのころ、新潮文庫 『マッド・サイエンス入門』、夢中で読みました)のSF作品だ!(→ 『梅田地下オデッセイ』  )

そのあと、阪急の古書店街で何冊か古書を買い、茶屋町の某大型書店に立ち寄る。まずはエスカレーターで最上階まで行って、各階見ながら降りる作戦。最上階は児童書など。すごい品揃え。しかしあまり本がたくさんあると、かえってよく見ることができないのも貧乏性といってよいものなのだろうか、などと考えつつ酔ったような気分で見て回る。岩波少年文庫のラドヤード・キプリング『ジャングル・ブック』を買おうじゃないか。前に読んだのは子供のころ、詩人としてのキプリングを知る前だったのだから。しかも我が家にあったのは「ディズニーえほん」だし。しかしよく見ると、抄訳版なのだった。ならば下の階が洋書フロアだし、そこで探すか。

洋書フロアで検索機を使おうとすると、「検索機は洋書には対応していません。カウンターでお尋ねください」と貼り紙がしてあった。不便じゃのう、と思いつつ、「洋書の検索をお願いしたいのですが」と申し出る。カウンターにいた若女子が、「文学作品ですか?」と尋ねてきたので、そうだと答える。「では、係の者をお呼びします」とおっしゃる。機械検索じゃないの?と訝る間もなく、「係の者」さん登場。「どういったものをお探しで?」「あ、アノウ、らでゃーど・きぷれん ノ『 だ・じゃんごー・ぼく』 ナンデスガ……」(洋書売場なので、なんとなく英語発音に近づいてしまう。このとき日本語部分も何故かカタコトっぽくなるのが不思議)というと、「ハッ!」というなり走り出したので吃驚した。「ハッ!」てなんだ? おぬし、さては忍びの者か? とかアホなこと考えていては見失うので、小走りでついて行く。「係の者」氏、まっすぐに「ぺんぐうぃん・くらせくす」の棚を目指して走り、「んー……いま切れてますねー。あ、ジュブナイルでよければ!」とまた走り出す。たのむ、待って! 果たして「ぺんぐうぃん・ぼくす」の児童書部門「ぱふぇん・ぼくす」版で見つかった。「係の者」氏が機械より速いということが、よーくわかった。マジですごいと思った。「あとは、これが書き直したものかどうか、ですね」と確かめてくれる。なんときめ細かい。完璧だ。いきなり走り出して客をおいてきぼりにさえしなければ。「ああ、大丈夫ですね」と手渡してくれる。お礼をいって、本を見る。装画が美しい。が、買わない。ごめんなさい。(岩波少年文庫版は買いましたので許してください)

ジャングル・ブック (岩波少年文庫)
ラドヤード・キプリング 五十嵐 大介
4001142252


The Jungle Books (Penguin Classics)
Rudyard Kipling
B00BG292UK


The Jungle Book (Puffin Classics)
Rudyard Kipling Christopher Paolini
0141325291


19日(火)

部屋の鍵で自動改札を通ろうとした(3回目)。

しかし今日は寒い。部屋の中で息が白いのはこの冬はじめてかもしれない。晩飯のあったかスープが、体を温める暇もなく、恐るべき早さで冷めていく。寒い。


20日(水)

目が覚めて、カーテンを開けると、


これだ。今日は自宅で作業する日でよかった。



カラスさんたち。

雪は正午にはやみ、日がさしてきた。夕方まで作業を続けていたら、「ガラパゴスペンギンを小脇に抱えてちょっとそこまでお出かけしたい欲」がどうにも抑えきれなくなってきたので、これは疲れているなと思い、作業をやめて、切れそうになっていた味噌を買いに外へ出る。

晩酌は、味噌鍋(白菜キムチ入り)。


うめええ。

4 件のコメント:

  1. 今年こそは洋書たくさん読もうと思ってて、とりあえず今のところ0冊なんだけど…、年末に久しぶりにオースターの「見えない人間の肖像」を読んでね、洋書で読んでみようと思ったの。
    それでAmazonで検索かけたのだけど無いのよ。『The Invention of Solitude』でも「Portrait of An Invisible Man」でも無いの。あたしもジュンク堂で探してもらった方がいいのかしら。それともペーパーバックになってないとか…まさかとは思うけど。

    京都も雪が降るのよね。三島の『春の雪』を思い浮かべたわ。京都はなんでも情緒があっていいわね。新潟は車が制御不能で前から歩行者が歩いて来たら、「あ、これ誤って車体が滑って轢いちゃっても自分のせいじゃないかも」なんて思うくらい雪が降り積もってるわよ。轢いたら人生アウトなのは京都と同じよ、きっと。

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    1. ともすけ先生、コメントありがとうございます。

      あれ? The Invention of Solitude 、密林にペーパーバックでありましたよ? なんででしょうね?
      てか先生、「某」っていってんのにw まあ、「茶屋町の」でわかるわよねw あの人スゴイわよ。大阪においでの際は、ぜひ尋ねてみてね。油断すると置いてかれるけど。

      京都つっても、あたしのとこは大石内蔵助が引っ込んでたとこよw 都じゃないのよw
      新潟は雪多いわよね。でも轢いちゃダメよ。人も動物も。

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  2. あったわ!なんで!?あたしはなんで見つけられなかったの…それもKindleアプリで電子版をダウンロードしてあるのよ…あ・た・し・お・か・し・く・な・た・よ…。
    某書店まで曝してしまって、なおかつ『春の雪』で聡子が出家したのは「奈良」の月修寺だったという始末…。切腹ですか?沙汰を待ちますわ…。

    最後の奈良のところだけ言い訳させて。奈良の月修寺がホントにあるのかもわからないし、越後人にとって奈良も京都もどっちも「都」なんだべさ(新潟弁ではない)。だから入試のとき寺院とか覚えるのすごく大変なのよ!近所の○○さんのお家ならすぐ覚えられるのに…(泣)

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    1. 先生! お気をたしかに! わたしもなんかそんな経験ありますよ。どんなだったかおぼろげにしか覚えてないけど。「ないはずがない」ような本がどうしても見つからなくて……あ、思い出した。 Anders Petersen の写真集だ。どうやって見つけ出したか覚えてないけど、なんとか見つけて購入しましたよ。 Café Lehmitz って本。すんごくいいですよ、コレ。それはともかく、その程度で腹なんて切らなくていいですよ。わたしなんて勘違い大王の名を恣にしているほど、先生なんてまだまだヒヨッコですよ、ぬははははは(王者の貫禄を見せつけようとしている)。実例をここに書こうかと思ったけど、過去記事再掲したほうが早いから、そうしますね。

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