盆を過ぎると涼しくなって参りました。いたんだ弁当を持ち歩くはめになった猛暑日の心の傷からようやくたちなおり、そろそろ弁当再開しようかと考えている麩之介です。皆さまいかがお過ごしですか。お弁当は快調ですか。
※以下、盆に帰省したときに書いていた日記が長大になったので独立させました。
14日(金)
いかなる神の配剤か、連休が取れてしまったので、帰省。リュックに着替えとカメラと本を数冊と姪っ子への貢ぎ物(絵本8冊)を詰め、土産に京都限定のお菓子2種を提げて帰る。盆休み中のことで電車は混んでいたけど、嵯峨嵐山駅で観光客が降りていき、座ることができた、と
思ったら一瞬で眠りに落ちた。
乗っていた電車が緊急停止、踏切の安全確認をするなどがあったりして、予定時間を大幅に過ぎて実家着。実家のあるところは兵庫県北部の盆地で、夏の暑さがかなり厳しいところだけど、今日は湿度が低く、また前日大雨が降ったとかで、かなり涼
しい。そういえばわたしは盆地以外で生活したことがない。豊岡盆地→京都盆地→山科盆地。四方に山が見えないところに行くと少々不安になったりするのだった。
ありものの茹でオクラ、焼きなす、野菜と高野豆腐の煮しめなどで昼食をしたため、ウチのと母の実家の墓参りをして、本日の行事は終了。
母は墓参りついでに、現地の知り合いに借りていた小銭を返しに行き、反対にかぼちゃひとつと袋いっぱいのオクラをもらってくる。海老で鯛を釣ってんじゃないのか。いや、借金返しに行ったのだから、海老もなんにもついてない針に鯛がかかったというところか。叔父の家を辞する際にも、かぼちゃとぶどうをもらう。どこへ行ってもこんなふうだし、また畑をやってる叔父や伯母がその日採れた野菜を届けに来てくれたりすることなどしょっちゅうなので、ウチでは野菜を買う必要がほとんどないのであった。ありがたいことだ。
夜は寒いくらいで、布団をかぶって就寝。
15日(土)
午前、姪っ子ふたりを連れて妹が来る。4月の法事以来、4ヶ月ぶりに会う 1歳9ヶ月の姪っ子2は、たたたと寄って来るなり、立てひざで座っているわたしの左足の甲に両足で乗って、腕をぎゅっとつかんで、ものすごく近い位置から凝視してくる。その様子にざわつく周囲。
母 「覚えとるん?」
妹 「これは……」
わたし 「(笑)なんやろなあ……ちょっと、2ちゃん、降りとくんなるかぁ? 絵本あるで、持ってきちゃるでなぁ?」
といっても降りてくれないので、身動きがとれないのだった。
わたしはなんでだか動物と幼児には好かれるのだ。以前、電車の向かいの席に座った見ず知らずの幼児が、にこにこ笑いながら、口に入れていたみかんを取り出し
て、わたしに差し出してくれたことがある(好意を無にできずに受け取ったら、そこで気づいたお母さんがびっくりして「すみません!」とw)。
その後、姪2は妹により強制撤去され、多少はにかみ屋の姪1(3歳8ヶ月)も緊張が解けた様子で寄ってきたので、土産の絵本を与える。妹いわく、わたしが帰ってきている
というと、姪1は「絵本もらえるんかなあ」といったとか。それか。やはりそれか。まあいいのだ、撒き餌だから。あと、まあこういう計画もあってですね
(過去記事→「ある設計――またはProject 若紫」)……変態いうな。いわずもがなだ。
今回の土産は、春の古本まつりで買ったもの(過去記事→「日々雑記 2015 May #1」)など。
がちゃがちゃ どんどん (幼児絵本シリーズ)
元永 定正
おかしな 10の となえうた
木島 始 おぼ まこと
ひらがなのほん (かがくのとも傑作集―わくわくにんげん)
まつい のりこ
パンツのはきかた (幼児絵本シリーズ)
岸田今日子 佐野洋子
はははのはなし (かがくのとも傑作集―わくわくにんげん)
加古 里子
おならうた
谷川 俊太郎 飯野 和好
かしこいビル (世界こども図書館A)
ウィリアム・ニコルソン まつおか きょうこ
ゴムあたまポンたろう (絵本・こどものひろば)
長 新太
「パンツのはきかた」は、姪1に「これ、ほいくえんにある~」っていわれた。もうちょっとはやくあげればよかった。そういえば、風呂上りにひとりでパンツはいてたな。後ろ前だったけど。加古里子の本は、どの本もそうなんだけど、教育的効果もありながら、どっかネジがとんでる感がたまらない。「おならうた」には大人も子どもも熱狂していた(思うつぼ)。冒頭の「いもくって ぶ くりくって ぼ」で、わしづかまれてもっていかれる感。谷川・下ネタ大好き・俊太郎、天才の名に恥じぬ一作であろう。「ゴムあたまポンたろう」は、新刊で出たときに書店で見かけて即買いしたのだった。最後の3ページの「そうきたか!」感が長新太らしくていい。ほんとに。
姪たちを見ているといろいろおもしろい。 姪2は、1のすることをじ~~~っと見て、同じようにしている。1がおもちゃで遊んでいるのをじ~~~っと見ていて、1が飽きて手放すと、すかさず拾いに行って、お姉ちゃんのしていたようにやってみている。お姉ちゃんがなにかで遊んでいるときは、どんなに遊びたくても、奪いに行ったりしないで、じっと待っている。自分がなにかで遊んでいるときに、それをお姉ちゃんがさっと奪ったりすると、怒って叩きに行く。幼児なりの倫理観があるのだなと感心する。1がなにかで遊んでいるのを2がじっと見ている→1が飽きて手放すと2が拾いに行って遊ぶ→それを1が奪う→2が怒って1を叩く→大人「叩いたらあかん」→2「ごめなしゃい」という一連の流れを何度も繰り返しているのがおかしい。
姪たちと遊ぶのは楽しくはあるのだけれど、疲れた中年としては、お願い、ちょっと休ませて……といいたくもなるわけだ、プリキュアだか何だかの悪役にされて、家の中くまなく無限に走って追いかけられたりすると。とりあえず倒れて死んだふりして何されても反応しない作戦で抵抗していたら、おやつだよ~の声にすっとんでいった。ああそうさ、おやつ以下だよ、♯♪£○※(結局しまいまでなんだかわからなかった怪人の名前)は。
死んだままで回復をはかり(本でも読もうかと思っていたのに、そのまま眠ってた)、昼飯時に再登場したら、もう怪人であったことは忘れられていたようでなによりであった。存在そのものが忘れられていたのやもしれぬという可能性については、考えない。
昼飯はそうめん。姪2の、錦糸卵を指さしての「たまごくだしゃい」に、心臓つかまれて即死するかと思った。
夜、義弟来る。病院勤務なので、盆も仕事なのだ。姪1はお父さんとかくれんぼしたいといいだす。さっそく浴室にかくれた1。義弟「どこかな~。おれへんな~……プリン食べるひと~!」 妹&わたし「「は~い」」 1、しばらく耐えていたが、「……食べる~」 こういう姦計に見事にひっかかってくれると、相対的にわれわれ大人どもの薄汚さが際立ってやりきれないわけですが。率先して乗っておいて、なにをかいわんやであるけれども。
16日(日)
昨日、はしゃぎすぎてちゃんと昼寝をしなかった姪どもは、昨夜早くに寝てしまった。早く寝たということは、早く起きるということで、朝の5時から奇声が聞こえる。なんでそんなに無闇に元気なのだ。なんか謎の歌うたってるし。わたしは7時くらいまで寝ていようと思ったが、なにをうたっているのか気になって気になって、結局目が覚めてしまった。かつ歌の内容もわからず。こういうの、即興でうたっているので後でたずねても無駄だし、なんとなく損した気がする。
朝食後、散歩に出る。
気持ちよいくらいに丈高く茂っている。
どこというアテもなく歩いていると、道端に雑草化したスペアミントが繁茂していた。
少しいただいいたはいいが、袋もなにも持っていないので、そのままカバンに入れる。
草に覆われていく、なにかのタンク。
これ、見えにくいけど脚があって、かなり高い位置にある。
空き家の塀。
色使いがなかなか。
廃川の方へ出てみる。カワセミ発見! しかしカメラを出している間に飛んでいってしまった。
かわりにといってはなんだが、飛んでいく気づかいはないカメたちを撮った。
対岸に渡る。
いい感じ。しかしここ、カワセミもいるけど、すぐ近くには車がビュンビュン走る道路があるのだよ。
堤防へ。
ウォーキングコースになっているらしい。しかしさえぎるものはなにもない場所とて、朝のうちはまだ涼しいとはいえ、こんな晴れた日に歩いているのはわたしひとり。それにしても、11km歩いて消費カロリーがラーメン一杯分なのか。しかし480kcalというのは、かなりあっさり系なのではないのか。ほんとかどうかは知らないが、某有名ラーメン店の社長が「ウチのラーメン毎日食べたら、死ぬよ」と明るくいっていたらしいけど、これなら毎日食べても死にはせんだろう。いや、どうだろう。
ツバメが何羽かヒラリヒラリと飛びまわっている。堤防から見ると、ツバメが自分よりも低い位置を飛ぶので楽しい。背中側もよく見える。コシアカツバメだ。ツバメ(普通の)たちはもうすぐ帰っていってしまうけど、コシアカツバメは彼らよりも少し長くご滞在。そういえばこの時期、この辺りはツバメ(普通の)のねぐらになるところだった。コシアカツバメは「ねぐら入り」はしないらしいけど、いっしょに寝たりしてるのだろうか。
堤防を下り、ウチへ向かう。
空き家のヒルガオ。
空き家が増えたような気がする。空き地も。
ウチの近所のスキマ植物。
こんもりしたド根性。なんだっけ、これ。園芸植物のような気がするのだけど。
帰宅。2時間歩き回っていたので、ラーメン一杯分弱くらいのカロリーは消費したと思われる。そして、帰ってきたわたし(冷たすぎるものが苦手)に昼のごはんを炊いておけと言い残し、ほかの皆さんはかき氷を食べに行ってしまった。採ってきたミントを水に漬け、不在の間に皆さんがおいしく食べていたおやつの残り(スイカひと切れとブドウ4粒)をわびしく食べ、米を炊く。
午後、妹家ご一行様、お帰り。小さいのがいなくなると、一気に家の中が寂しくなる。
夜、雨が降って少し蒸し暑くなった。
17日(月)
朝から雨が降ったり止んだり。特になにもすることはないので、母のパソコン練習につきあう。帰省初日に吃驚させられたのだが、母はメールの「受信トレイがきれいに片づきました」を表示させたいばっかりに、迷惑メールどころか、わたしと妹からのメールまで、すべて、きれいさっぱり、完全に、跡形もなく、削除していたのであった。ゴミ箱も当然すべて空にしてある。きれい好きにもほどがある。「受信トレイがきれいに片づきました」とは、「受信トレイにはなにもありません」という意味であって、きれいに片づけないといけないわけではない、というところからまず説明して、大事なメールはフォルダを作ってそこに保存しておくことを伝授したのが、実はわたしにとって今回の帰省のハイライトであった。度肝を抜かれましたよ、母上さま……
夕方、帰っても食べるものがなかろうからと、母が懸賞で当てた(いつかどこかで書いたが、ウチの人間、わたし以外は全員くじ運が強い)という炊飯土鍋「かまどさん」で炊いたごはん(激ウマ)に梅干のっけた日の丸弁当に、きゅうりの漬物とちくわを持たせてもらい、家を出た。「また来るから」と口に出した後、そういえば、この家で生活していた時間よりも、出てからの時間のほうが長いのだな、なんてことを考えた。
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