2019-07-07

ひょっこり植物

春に種を蒔いたものの発芽せず、完全に失敗したと思っていたサボテンが、種まき用土を再利用した先でひっそり発芽していたのを本日発見、狂喜乱舞している麩之介です。皆さまいかがお過ごしですか。乱舞してますか。なにごとも諦めてはいけませんね。いや諦めて忘れ去り、なんかぽちっと緑のもんがあるけど、なんだろうなあれ、なんてのんきに思ってたわけですが。


珍しいものを見に行くのも悪くないけど、旅先であっても、なんてことのない道を散歩するのが好きで、そんな道をぶらぶら歩いていて、思いもよらないところから植物が覗いているとうれしくなって写真を撮る習性があるわたくし、植物たちに不意打ちされるたびにその写真を某呟き処に上げてよろこんでいたのだけど、振り返ってみるとそうした「ひょっこり植物」の写真がけっこうたまっていたので、今回、なかでもお気に入りのみなさんを集めてみた。

1. スキマのみなさん

「こんにちは、イベリスです」


イベリスだろうと思うがあまり自信はない。花が咲いていればわかるんだけど。それにしても、こんもりといい形をしている。兵庫県豊岡市 2015/8/17。

「こんにちは、ダイコンです」


厳密にいうとスキマではないけれども。ここはゴミ収集場所の脇。生ごみとして捨てられたカイワレがゴミ袋からこぼれ落ちたのだろうか。んなわけないか。兵庫県豊岡市 2016/1/1。どうでもいいけどワシ元日から徘徊してたのか(※ここは実家から徒歩1時間ほどの場所)。

「こんにちは、メヒシバなどです」


数種類入り混じっているので手前の方を代表としたが、ほとんどはエノコログサか。奥の方々はイネ科植物ではなさそうだが、いまとなっては何が生えていたのか不明。たぶんなんらかの工事のあと土がむき出しのままになっていたのだろうけど、こんなにふさふさするまで放置するものかな。曲がり角があったりちょっと横道が出てるところがいい味。京都市山科区 2017/7/21。

「こんにちは、クスノキです」


ほんとにいい形してる。サイズ感も含めてたまらなく可愛い。けどクスノキといったら大きくなるからなあ。もう切られてしまったかもしれないが、あっちこっちの道をくねくね歩いていて遭遇したので正確な場所がわからず、現状どうなっているかは定かではない。京都市中京区 2017/9/24。

「こんにちは、ヤブカンゾウです」


軽く茹でて酢味噌和えなどにするととてもおいしい野草の、ちょうど食べごろの姿。食べないけど。ここに毎年出ているので、通りかかるたびに「よう」と挨拶する馴染みの草だけど、毎年夏前に刈られてしまう。京都市山科区 2018/3/23。

「こんにちは、シロバナコバノタツナミソウです」


可憐な花を咲かせて鑑賞価値もあるのに、なかなかどうしてタフなお方なので、だいたいスキマに生えているのに遭遇する。京都市山科区 2018/5/10。

「こんにちは、ナガイモです」


ナガイモはわりといろんなところで見かけるけれども、車も人も多い道の下でイモが静かに太っていると思うとなんだか可笑しくなってしまった。京都市上京区 2018/6/17。


2. 溝のみなさん

「再びこんにちは、シロバナコバノタツナミソウです」


二度目の登場。こんなところでも豪快に育っている。強い。兵庫県豊岡市 2017/5/8。

「こんにちは、タチアオイです」


これが咲くと、ああ夏なのだなと思う花、タチアオイ。ど根性で側溝からうららかな春の陽光のもとへ出てきた。ちかくの花壇にたくさん植わっているので、種がこぼれたのだろう。がんばって花咲かせろよ、と見守っていたが、夏が来る前に抜かれてしまった。京都市山科区 2018/4/16。

「こんにちは、ニゲラです」


この方々もどこかから脱走してきたのだろうけど、元いた場所が確認できない。そちらの方では根絶してしまったのかと思うと、小松左京『復活の日』みがある。京都市山科区 2018/5/12。

「こんにちは、チリメンアオジソです」


食卓の名脇役である。わたしがベランダで育てているのはハダニにやられて青息吐息だというのに、この方はとてもお元気そうでなにより。こういうところに生えているものを採って食べたりするのには抵抗があるので、すぐ近くの土手に生えててくれたらよかったのに。京都市山科区 2018/10/19。


3. 壁のみなさん

「こんにちは、イノモトソウです」


どうなってるのか皆目わからないけど、赤レンガが緑をひきたて、なかなかよい風情。愛知県半田市 2016/9/9。

「こんにちは、ヤブカラシです」


おそらくこの方が「こんにちは」シリーズの原点と思われる。快適空間を独り占めして、日光を求めて歩道に出てきたところ。京都市山科区 2017/5/11。

「カタバミでーす!」「パンジーでーす!」「三波春夫でございます」(両隣からどつかれるツルニチニチソウ)


申し訳ございません。レツゴー三匹ネタがどれほど通じるかわからずとも、やらずにはおれない、それが関西人。しかしこれ、塀の通風孔の役を果たしてないのではないか。京都市山科区 2019/5/9。

「こんにちは、ムラサキゴテンです」


えっ、壁から生えてる!? と二度見してしまった。よく見れば排水口からこんもりと。京都市山科区 2019/6/17。


番外編: 菌類

「こんにちは、ツエタケです、たぶん」


(「たぶん」って、キノコはよくわからないので断言できないんス)昨日までなにもなかったところに突然現れることでお馴染みの菌類。まあ突然現れるのは子実体で、本体は見えないところにずっとあるわけだが。この方は木の幹からいきなり生えているけど、ツエタケ(たぶん)ってそういうキノコなの? 京都市上京区 2017/8/12。


いま、これまでに撮った野の草花の写真を整理していて、現在使用しているPCに保存しているファイルは(たぶん)分類し終えた(と思う)のだけど、よく考えたら先代PCで管理していたファイルがクラウド上にあるのであった。あとフィルムで撮ったものも。それらも整理することを考えたら軽く目眩がしてきたが、いずれやらないといけないし、そこにもこうした「こんにちは」案件は存在するはずなので、第2弾も、えー、そのうちに、はい。

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