朝
干し鱈、大根、にんじん、玉ねぎ、長ねぎ、酢漬け青唐辛子、豆腐、たまごで作成、味つけは塩・胡椒。
昼
味噌汁には乾燥わかめをプラス。
晩は豆腐の山椒豆板醤炒めをアテにビール。
12日(金)
朝
麦入り粥にお茶漬けの素。
午後は出かける。昼は ますや にて。午後2時を過ぎていたけど、空席一つだった。座れてよかった。
隣の席の韓国語を話すふたりが、オムライスとカツカレーを頼んで、同じ皿から仲よく食べているのがほほえましかった。
夜、にぎすと丸大根を炊く。
焼きめし(880円)。
スノードロップたち。
おじや。
さて映画。
ターセム・シン監督『落下の王国』を見た。あらすじはチラ見したけど、ほぼ前知識なしで見られてよかった。映像の美しさを称賛する声が耳に入ってはいて、この監督の作品は、REMの "Losing My Religion" のPVしか知らないわたくし、この映画がアート系(?)だったらどうしよう、と思っていたけれども、予想外にフツーの映画だった(失礼な)。フツーどころか、これは逆千夜一夜物語であり、映画にとって最も重要な要素といっても過言ではない「運動」と「物語」を巡って、最終的に「いやー、映画ってほんとうにいいものですね!」に着地する、映画というものへの愛にあふれる映画だった。
映像に関しては、冒頭からスゴい画面目白押し。馬が吊られている画なんてそれだけで「うおー映画!」って感じで引き込まれてしまう。そして本編。映画撮影中の事故で大けがを負ったスタントマンのロイ(リー・ペイス)が、病室に迷い込んできた少女アレクサンドリア(カティンカ・アンタルー)の名前から連想して(っつうかこの名前も意味ありげ……とかいってると収集つかなくなりそうなので、今日のところはこのへんでやめとく)即興で語ったアレクサンダー大王の物語の、望遠レンズの圧縮効果ゴリゴリの引きの構図にふぉおおお!となって以降、これどうやって撮ったの???画角的確すぎ完璧!!!色スゲーなオイ!!! と興奮しっぱなし。眼福、眼福。
しかし現実パートは、まあ相当な鬱展開。即興のお話を喜ぶアレクサンドリアに、ロイは「またお話をしてあげるから、明日もおいで」という。翌日、病室に来たアレクサンドリアに、ロイは前の日とは違う話を始める。長い長い、冒険の物語だ。そしてそれが「逆」千夜一夜物語なのだった。シェヘラザード姫と同様、ロイは物語を「いいところ」で中断し、アレクサンドリアを毎日来させることに成功する。ただ、シェヘラザード姫の物語の引き延ばしは「生きる / 生かす」ためだが、ロイのそれはそうではなかった。彼は物語の魅力でアレクサンドリアを支配し、動けない自分に代わって、自殺するための薬を取ってこさせようとしていたのだった。
彼が語る物語の登場人物は、みな大切なものを一人の人物に奪われ、復讐を誓う者たち。つまり彼らは全員、体の自由をなくし、恋人を奪われたロイその人だ。だから、自分のせいで大けがをさせてしまった(ということは、彼の自殺が実質不可能になったということでもある)アレクサンドリアを見舞った際、彼がひどいやり方で登場人物たちを次々に死なせていくのは……まあ、そういうことなんだろう。ここらへんまでは(ということは、ほぼ全編)、「どこが『君にささげる、世界でたった一つの作り話』(日本版コピー)なんだよ」と思っていた。ぜんぜん「君」のためのもんやないやろが、というね。しかしここへきて、アレクサンドリアのひとことがロイの認識を変える。物語は、なんならはじめから、自分一人のものではなく、アレクサンドリアのものでもあったということに、彼は気づかされる。ここから彼はふたりのための物語を語りはじめ、その過程で、彼自身、現実と折り合いをつけることができるようになる。ハッピーエンディングにすることができてよかったよ。しかしね、ほんと、5歳の子供泣かしちゃだめですよ……(カティンカちゃん大丈夫なのこれ、と思ってハラハラしてたというのが正直なところ)
そして映画のラスト、バスター・キートン、ハロルド・ロイド、チャーリー・チャップリン、ローレル&ハーディたちのスタントシーンのコラージュはたまらんかった。ここには先人たちの仕事への敬意と感謝が横溢し、そこにアレクサンドリアの「わたしにはわかる、あれもロイ、これもロイ」「ありがとう。ほんとうにありがとう」というナレーションが重なるわけですよ。これはたまらん、ぐっときた。ああ、こういう形の映画への愛情表現って『ニュー・シネマ・パラダイス』にもあったっけね、なんて思い出した。
見終わって、あらためて来場者特典のカードを見る。ああ、あのシーン……
イノダコーヒ でちょっと休憩。
本日2本目の映画を見る。
佐藤慶紀 監督『もういちどみつめる』。
ポスターの明るめのビジュアルと、「森を舞台に、少年院を出所した若者と 生きづらさを抱えた彼の叔母との "心の触れ合い" を描く」というコピーから、ひょっとしたらほのぼの系かもしれない、だったらちょっと嫌だな(そういうの苦手)という先入観を持って見たのだけど、その予想は裏切られた。ほのぼのどころか、主要人物の抱える問題が次々とあらわになっていく進行で、見ている方は相当しんどい(もちろん、それがいけないというわけではない)。叔母の典子(筒井真理子)が「あたしにできるのは、あんたの話を聞いて、なにか話すことだけ」というのだけど、ユウキ(高田万作)が他人と向き合って、正直な言葉を話すことができるようになるのが、ほんとに最後の最後の場面なので、そこまでがまあしんどい。つまり幕切れ直前までしんどい。まあそういう映画なんだけども。なんだかんだとしんどさがてんこ盛りで、ユウキ同様に、コケや星や鉱物を愛する女子学生(中澤実子)が心のオアシスだった。あと山の自然が潤いだった。しかし筒井真理子さん素晴らしかったなあ。ユウキの父(内田周作)が怒鳴られている場面で、典子の身の置き所のなさを伝える演技の繊細なこと。
映画のつくりとしては、様々な要素が、はじめはなんの説明もなくぽいっと提示され、時間がたってからその意味が明らかになるという仕掛けが多く施されていて(例えば典子が最初に留守電に残すメッセージに感じられる違和感なんか、うまいことミスリードされちゃったなと思ったんだけど、どうすか?)、そのあたりは観客をちゃんと信頼してくれているなと感じた。
成城石井で全粒粉ロールを買って帰宅。晩はそれをふたつ焼いて、バターを塗って食べる。
13日(土)
きのう貰った『落下の王国』のカード
こんなん泣いてしまう。どうももう1種類あるらしくて、それ引くまで通ってしまいそう(この映画、年を越してもやってるらしいし)。
朝
栗クリームサンドトースト、コーヒー。
昨日買った全粒粉ロールを半割にしてトーストし、マロンクリームと生クリーム(スプレーのやつ)を挟んだ。
用事で出るので昼めしでも一緒にどうかと友より連絡。わたしもその辺りで見たいものがあるので了解、そこまで行けば植物園が近いので、簡単なおやつをつくり、お茶を淹れてマホービンに詰め、出かける。
昼は みなとや食堂 にて
きつねたまごとじ丼(赤だし付 600円)。
まず用事を済ませる。植物園を通り抜け、K山通の INOBUN へ。わたしの探していたものはなかったが、友はよきものをみつけたらしく、なにやら購入していた。
これは……
商品パッケージの絵も悪くないけれども、黒板の絵が断然いい。パッケージの猫は顔立ちといい太短い前足といい、かわいさへの未練が垣間見られるが(そういう解釈でいいのか)、黒板の絵の方はかわいさが微塵もない(※褒めています)。
あらためて、府立植物園へ。きょうはこの植物園のシンボルともいうべきフウの木に会いに来た。
この方はピンでポストカードが作られている、この植物園のアイドルともいうべき存在なのだ。そういえばフウの漢字は「楓」でカエデと同じなんだよね。でも科が違う(フウはフウ科フウ属、カエデはムクロジ科カエデ属)。そして実は「楓」の文字はもともとこのフウを指すものだったらしい(カエデを指す文字は「槭」)。あらまあ。
芝生広場へ。小さな子がハシボソガラスを追いかけている。カラスはホッピングして逃げ、子供がじゅうぶん近づいたら飛んでいき、ぐるっと回って最初の場所に戻る。子供がまた走って戻ってきたら、カラスはまたホッピングして逃げる。このカラス、ぜったい遊んでる。子供もカラスも楽しそうで、その様子をにこにこと見ながら、もってきたおやつを食べる。
今朝食べた栗クリームトーストとおなじものなのだけどね。
日がかげると一気に寒くなってきた。道中いろんなところで買い物をしながら、友の滞在先へ(買ったものを山分けするために)。丸大根とキウイを持って帰宅。
晩はだし巻きをアテにビール。
14日(日)
朝
にゅうめん。
半田そうめんのふしと刻みねぎで、素にゅうめん。
昼
キムチおじや。
白菜キムチ・玉ねぎ・大根・九条ねぎ・たまご入り。
わが町の奇祭、今年も滞りなく行われました。
丸大根の煮汁は昆布・煮干し・干ししいたけの出汁に、味つけは塩と薄口醬油、大根が甘いので、味醂はほんの少々。昆布は少し煮たら取り出して薄く刻み、刻んで塩もみした丸大根の皮と輪切り唐辛子とともに甘酢漬けにする。
晩はにぎすの炊いたのをアテにビール。
15日(月)
朝
両面焼きたまごサンド、紅茶。
昼
丸大根とお揚げの炊いたの、丸大根の皮と出し殻昆布の甘酢漬け、たくあん、丸大根の葉っぱの混ぜごはん、インスタント味噌汁(野菜)。
夜間の仕事前に素にゅうめん、終了後ににぎすとお揚げ大根をアテにビール。
16日(火)
昼は 相生餅 にて
ソースがついているのが新鮮。
あまり時間はないけれども、植物園を散歩。
まだまだ紅葉がきれい。
歩いていたら暑くなった。植物園会館で買ったバニラジェラートを、外のベンチで食べる。
晩は鱈ジョンとにらジョン、大根キムチをアテにビール。
これは腸ですね。その右隣りは肺。
17日(水)
朝は白湯のみ。
昼は みふき亭にて
鍋焼きうどん(770円)。
平安蚤の市を覗く。
これは……
人体の各パーツなど……
なんかすごいポーズ。ダンス大会のトロフィーかなんかか?
本日はコーヒー豆を買っただけで会場を後にする。
N条通を西に向かって歩いていると雨がぽつぽつ降りだした。「本」とだけ書かれたタテカンが目に入り、店に吸い込まれる。中井書房 という古書店。ざっと見て専門書が多い。引き取った本が詰まっているらしき段ボール箱が所狭しと置かれている。岩波新書は一律300円。ところどころに額装された書画なんかも置いてあったりする。うん、この店は間違いない(なにが)。入ったとき帳場には誰もいなかったが、しばらく棚を見ていたら「散らかっててすみませんねえ」といいつつ奥からご主人登場。いえいえ、こういうお店、大好物なのです。
棚を見ていると、常連さんらしき男性が来店、ご主人としばらく話して出て行かれた。そろそろわたしもおいとまするか、と新村出の文庫本3冊を手に帳場へ。お願いします、というとご主人「渋いですね、新村先生お好きなんですか?」 それから少しお話しした。「そのあたりにある本は、広辞苑を編集された方の蔵書で、新村先生のご本もあるんですよ」なんて教えてくださった。そして店内に飾られている書画は、先ほどの男性の作品だということだった。ありがとうございました、また来ます、といって店を出る。
中井書房 を出て、そのままN条通を東へ、T町通まで。ちょっと グランピエ に立ち寄る。サムラートの器を見ていると、店員さんが「インドの業務用の器なんですよ」と話しかけてこられた。ええ、このシリーズのティーポットとカップ&ソーサーを持っているんです、というと、「ティーポット、わたしも持ってます!かわいいですよねー!」としばしサムラート談義。「ティーポットはもう作ってないんだそうです」という悲しい話を聞いてしまった。持っているやつ、大事にしよう。
一保堂 でいり番茶を買い、帰宅。そういえば、いり番茶はスモーク臭があり、わりと癖のあるお茶なためか、買おうとすると「飲まれたことはありますか?」と尋ねられるという話を聞くが、わたしは一度も尋ねられたことがない。都市伝説か?
夜、 中井書房 のことを少々調べ、井筒和幸監督の映画『パッチギ』のロケ地だと知る。そうだったのか(映画の予告編にも、お店でのシーンが使われていた)。ご主人はもと会社員で、退職後に古書店を始められたそうで、そういえば、以前友に連れて行ってもらった名古屋の 千代の介書店 のご主人と、なんとなく雰囲気や物腰が似ているなと思っていたのだった(千代の介書店のことはこちらに書いた→ 「春の18きっぷ旅2023(工事中)」 本編未完だけれども、この際に公開)。好きな古書店がまたひとつ増えた。本日いちばんの収穫。
本日購入した本:
新村出『琅玕記』、『語源を探る』、『外来語の話』(講談社文芸文庫)。
すべて500円。
本日購入した器:
サムラートのボウル 大、中。
小も買おうかどうか迷ったけど、また次回(そしてまた迷う気がする)。
晩は昨日買った水キムチでビール。
18日(木)
朝
トーストにマーガリン、アロエヨーグルト、コーヒー。
昼
白菜コッチョリ、大根葉のごま炒め、牡蠣スープ、麦飯。
牡蠣スープには牡蠣・大根・玉ねぎ・じゃがいも・長ねぎ入り。スープとごはんの器は、きのう買ったサムラートのボウル。いいじゃん。
イッサ・ワタナベ 作 / 柴田元幸 訳『きんつぎ』(世界文化社)を読んだ。
とんでもなくよかった。鴨葱書店 で、ずっと気になっていたこの本を手に取ったわたしに、友が「それ、すっごくいいですよ」と力を込めておすすめしてくれたわけが、よくわかった(12月9日の日記 → 「日々雑記 2025 Dec. #1」 )。
突然、理由もわからず、たったひとり世界に取り残されてしまったという感覚は、誰しも経験しているのではないか。うさぎの痛みが胸に響く人は多いだろうと思う。喪失により深く傷ついた心が元どおりになることは決してないけれども、傷が癒えないということも、また決してない。その傷痕は、痛みをともないつつも、あたらしい強さ、うつくしさを生むことになるだろう。
ひと枝の希望は、必ず残されている。
晩は大根とセロリの水キムチをアテにビール。
19日(金)
朝
牡蠣を食べつくした後の、昨日の牡蠣スープの残りで麦飯を煮た。
昼
麦飯に大根葉のごま炒め・市販の玉ねぎレタスサラダ・目玉焼きを乗せ、ごまだれをかけて、冷蔵庫で発見した、いつつくったのかわからない味噌だれを添えた。コチュジャンチゲはツナ・大根・玉ねぎ・豆腐・長ねぎ入り。
晩は味噌を添えたキャベツをアテにビール。
20日(土)
朝
たまご焼きにはキャベツ・にんじん・玉ねぎ入り。
昼
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