2020-10-10

日々雑記 2020 Oct. #1

1日(木)

ニラのプランターに生えてきた(いつかのこぼれ種と思われる)シソがいい感じに育ってきた。


春に蒔くとたいていハダニの餌食になってしまって、これまで種が採れるまでうまく育てられたのは一度だけ。しかし、ということは夏の終わりごろに蒔いたらいいのかもしれない。

こないだ蒔いたコリアンダーも無事発芽。


秋蒔きははじめてだけど、うまく育ちますように。



鍋焼きうどん。
昨日の鍋の残り汁を使用。お揚げの甘煮、たまご、刻みねぎ、しめじのうす炊きを具に。

仕事の合間にちびちび読んでいた J. G. バラード『ミレニアム・ピープル』(増田まもる 訳 創元推理文庫)読了。

 

 ちょっと考えがまとまらないし、確認したいところもあるので再読する予定だけど、今ぼんやり考えてることは書きとめておこう。人間社会は「意味」で構築されているものだと考えられるけれども、世界それ自体は無意味であることを人間はどこかで知っていて、だから「無意味」で「意味」を崩そうというのがここで起きている「革命」なんだろう。しかし、そうだとすると、「無意味」に「意味」が生れ(チェルシー・マリーナの暴動には明確な主張・目的があるし、ケイ・チャーチルとリチャード・グールドが行動を共にしなくなる理由もこの辺にあるのか)、とすると「計画」に思いもよらない効果をもたらすトリックスターともいうべきヴェラ・ブラックバーンって、けっこう重要な存在なのではと思ったりもする。

なんてことを某所に書きこんだら、敬愛するフォロイー様がご自身の過去記事を紹介してくださった( → 「お気らく活字生活 『千年紀の民』 J・G・バラード 東京創元社」 )。いいとか悪いとかいいきることはできないんだけど、主人公を導いてその目に映る世界像を刷新する人物って、そういえばわたしが驚いた『スーパー・カンヌ』や『コカイン・ナイト』にも、たしかにいるんだよねえ。そうか、『神曲』か。わたしは視点的人物であるデイヴィッド・マーカムの、リチャード・グールドへの不可解な惹かれっぷりとその思考の内面化に『闇の奥』的なものをうっすら感じて読んでいたんだけど、なるほど、勉強になるなあ。ネグリ&ハートの「帝国」を引いておられるのも流石。こういう作品はいろんな人の意見がききたい。いつか読書会なんかできたらいいのに。ほんとうに。

こないだの残りのドライイーストでパンを仕込みまして……


???!!!

見なかったことにしてガス抜いて、分割してまるめ、切れ目を入れて焼いちゃえ。


例によってちょっと焦げたが、まあなんとか。


2日(金)



昨夜焼いたパン、柚子茶、コーヒー。



インスタントラーメン(ハウス 好きやねん)。
「好きやねん」は商品名なのだが、わたしがハウス大好きな感じに見えるな。ねぎを買ってくるのを忘れたが、バジルならベランダに売るほどあるので問題ない(ほぼ葉物野菜の趣)。


3日(土)



一昨日焼いたパンのバジルオムレツサンド、紅茶。
バジルはもちろんベランダ産。見えてないけど土台のパンはある。

小さい土鍋に白菜をドン。


秋鮭とえのきたけをドン。


酒をふりかけて薄く塩をふり、無理やり蓋をして火にかける。


蒸しあがったら醤油と生姜の絞り汁をかけて完成。



干し大根のピリ辛甘酢漬け、秋鮭の白菜蒸し(生姜醤油味)、伏見唐辛子とじゃこのおむすび、玉ねぎとわかめの味噌汁。
鮭は蒸し汁ごと食べるので、味噌汁はなくてもよかったかもしれない。一昨日から「おにぎりアクション」(10月16日の世界給食デーをはさんで10月1日から30日まで、 #OnigiriAction のタグをつけておにぎり画像をSNSに投稿、または特設サイト( → おにぎりアクション 2020 )に投稿すると、1投稿につき5食の給食がアフリカ・アジアの子供たちにプレゼントされる企画)が始まった。ということで、月末まではおむすび多めになるだろう(例年通り、企画参加おむすびは期間終了後にまとめる予定)。

おやつにベサンのごまビスケットを2枚と番茶。食べたらやっぱり腹が減らない。

このまえダメもとで、2018年が使用期限の種を蒔いておいたイタリアンパセリの発芽を確認。無事に育ってほしい。


4日(日)



チーズおかかのおむすび、ほうじ茶。
昨日の残り飯を温め、醤油を混ぜたかつお削り節と角切りにしたベビーチーズを混ぜた。むかし、どういう成り行きでか友人と王子動物園に行くことになり、わたしが主食担当、友人がおかず担当と、弁当を分担したときにつくって好評だったものだ。

さて、小さい土鍋にキャベツをドン。


秋鮭としめじをドン……って、やってることは昨日とほぼ同じだが、2枚入りのパックを買ったのでな。


まあ味つけは変えるけど。これに酒と味醂と水少々でゆるめた味噌をかけ、バターをひとかけ載せて蓋をして火にかける。

鮭を蒸している間にベランダに出て、シソとニラの花を収穫。


ニラの花には虫が来てくれないので、種を採ることは諦め、順次摘んでは刻んで醤油漬けにしている。ベランダ産は今回のぶんで終わりになるだろう。シソは刻んで塩もみし、水に晒してぎゅっと絞り、炊きたての白飯に混ぜ込む。



新生姜の佃煮、秋鮭のキャベツ蒸し(味噌バター味)、青じそのおむすび、伏見唐辛子とじゃこの炊いたの。
蒸しあがった鮭に、ベランダ産バジルをちぎって載せた。

おやつはなりくらまくわ。


薄々わかってはいたことだけど、わたしはウリ類にアレルギーがあるらしい。きゅうりやにがうり、冬瓜なんかは大丈夫なんだけど、こういう甘いのを食べると口の中やのどがイガイガして、しばらく咳が出る。好きなのに。まあ死ぬほどではないので、これからも食べるだろう。好きなので。(ただし箱に入れて売っているような高級メロンは、いちど体が弱っているとき見舞に貰ったのを食べて酷い目にあったので、好きじゃない)

夜、なすを多めの油でじっくり焼いて、酢醤油に漬け込む。


これは冷やして食べる。


5日(月)

今朝はうちを出るのが少し遅くなったので、いつもより遅い電車に乗った。案外混んでいる。わたしの隣には盲導犬を連れた人が立っていた。「仕事中です」と書かれたリュックを背負った犬は床に伏せていた。下なんか見ずにずかずかやってくる人がいたのでハラハラしながら見ていたら、すぐ鼻先に立ったその人のズボンのにおいを嗅いだりしていて、犬は犬だなあ、なんて思って少し可笑しかった。次の駅でかなりの人が乗り込んできた。混み合ってきたので立たされたのだろう、うつむいている犬のおでこがわたしの脚にずっと触れていた。温かかった。犬にストレスを与えたくなかったけれども、わたしも身動きがとれず離れてやることができなかったので、せめて反対側からの衝撃はわたしがくい止める、という気持ちで踏ん張った。わたしが降りるのと同じ駅で、盲導犬とそのご主人は降りていった。たくさんの人に紛れてすぐに見えなくなった。

今日は朝イチの某所の仕事1件のみ、仕事を終え、用事をふたつばかり済ませたら、久々に千成食堂ではやめのお昼。


あんかけうどんとおいなりさんふたつ。540円也。

帰る前に駅前の商業施設を覗くと、いい感じの催しをやっていた。京のええもんコレクションだって。ちょうどお昼の弁当の購入整理券を配っていた。時間的にすでに売り切れのものが多かったけれども、せっかくなのでここで晩めし(めしではない)を調達していくことにした。


懐かしい。むかしコロナでつくりたてのを食べた。惜しまれつつ閉店されたのち、マドラグのマスターがその味を継承されたとは聞いていて、いちど食べてみたかったのだ。650円。コロナが営業していたころは500円だった(400円だった時代も知っている)けど、まあずいぶん昔の話だし、150円の値上がりもしょうがないね、と思いつつ引き換えに行ったら……えーと、これ半量ですね。まあ、催しに出品されるのとお店で食べるのとはちがうから、しかたないのかね。(お店では800円で出しておられるらしい)(てことはサンド代400円、パッケージ代と輸送費とか諸々250円?)

雨はやんで、時おり晴れ間も出てきたので、2駅分は歩いて帰ることにした。途中ホームセンターに寄ったけれども、園芸コーナーにスズメバチが飛んでいたので早々に退散。

近所の川沿いに差し掛かる。こんどは対岸を工事するらしい。ここはヤブカンゾウやノビルを採りに行く場所。


サクラの大枝が落とされている。


頭を下げないと枝をくぐれないほどだったから、重機を入れるために切ったのだろうけど、そこは、こんな夢みたいな場所だったんだ。


来年はこの光景が見られないのだな。そういえば、去年工事されていた側、だんだん草が戻ってきているんだけど、毎年出ていたヒガンバナが今年は出ていなかった。そのかわりだかなんだか知らないが、その場所に以前はなかったツユクサが生えている。

アキノノゲシ。


ノゲシの舌状花はキク科によくある黄色だけど、アキノノゲシの舌状花はクリーム色。タイミング的に草刈りで消滅していることが多いので、出会うとうれしい花。トゲヂシャの花もこれとよく似ている。

道に銀杏が落ちているのを確認。いちど帰宅し、袋を準備して出直す。

某運動公園にて。


誰も拾わないのだろうか、拾い放題。まあ、ここのは拾いやすいけれども、少し小粒なのだ。わたしの行動範囲でいちばん質がいいのは、人も車も多い道に落ちているもの(ものすごく拾いにくい)。

三か所で拾いに拾い、帰宅してさっそく掃除。


木から落ちたばかりのものは仮種皮が落としきれないので、しばらく水に浸けておく(もちろんベランダで)。仮種皮をむしり、ガシガシ洗っていたらゴム手袋が破れたらしく、爪の間からそこはかとなくあのにおいが。



喫茶マドラグの「コロナの玉子サンド」、サッポロクラシック。


6日(火)



ぶどう、マフィンのトーストにバター、コーヒー。

ホセ・ドノソ『境界なき土地』(寺尾隆吉 訳 水声社)読了。


訳者あとがきにある「性的『異常者』の繰り広げる奇行を描き出した」小説というのはどうなんだろ。「性的」にということではなく、単に登場人物(犬も含めて)全員がどうかしてるという気がするのだけど。グロテスクというなら、マヌエラを巻き込むハポネサとドン・アレハンドロの賭けはグロテスクだけど、それも結局はマチズモのグロテスクさなんじゃないのと思う。終盤のハポネシータの「すべてが終わりゆくだけ。終わりゆくものはいつも平和、変わらないものはいつも終わりを目指し、終わりへと近づいていく。恐ろしいのは希望」という内的独白の恐ろしさ。しかしこの小説、読んでいてかなり胸にこたえた。どうしようもなく悲しい物語だ。どうしようもないから悲しいというべきか。滑稽な部分も含めて、どうしようもなく悲しい。みごとな一篇だと思う。

なんとなくデューナ・バーンズの『夜の森』を読みかえしたくなるなど(犬つながりってだけか)。あとフリオ・リャマサーレスの『黄色い雨』も。


7日(水)



きのこのたまごとじうどん。
きのこはしいたけとしめじ。刻みねぎをトッピング。

水に浸けておいた銀杏を洗って干す。


ニガウリのプランターが便利。

近所の公園でどんぐり(マテバシイ)を拾って帰る。


水に浸け、浮いたものやゆらゆらしているものは捨てた。生で食べられるものなのでひとつ食べてみたが、とくにうまくもなかったので、やはり煎って食べることにする。

晩酌


アテは煎ったマテバシイ。味は甘味の少ない栗といったところ。スダジイやツブラジイのほうがうまいと思うけれども、うちの近所で拾えるところを知らない。まあ、シイよりもかなり大きいので食べやすいのが利点。


8日(木)



塩むすび、じゃことねぎのたまご焼き、ほうじ茶。

晩酌


アテは煎り銀杏。


今回「封筒に入れてレンチン」ってのをやってみたんだけど、怖かった……次回からはまたフライパンで煎ることにしよう。

締めは胡椒飯。


飲んだ後にはこれが最高。そうそう、胃が重いときには黒胡椒2~3粒を噛んで飲むと効くのだ。


9日(金)



オートミール粥。
インスタントスープ(舞茸)で味つけ。

いつからかよくわからないけど、浴室に置いている電波時計が1日進んでいる。今日も「10月10日」と表示されていて、今日なんかはいいけど、早起きしないといけない日(の前日)だと、「えっ遅刻!?」と思ってしまい、心臓にきわめてよろしくない。ところで先ほど手にとって見てみたところ、「10月10日 月」とあり、1日進んでいるというわけではなかったことが判明。どういう狂い方なんだ。

ドノソ祭継続中。今日は『ロリア侯爵夫人の失踪』途中まで。なんだろう、官能小説のパロディがしたいんだろうか、などと思いながら読み進めてきたが、犬が登場して俄然面白くなってきた。こうでないと。
続きは明日、と思っていたのだけど、寝床に入ったらなぜか腹からさまざまな音が鳴りはじめ、寝るどころではなくなったので、結局読んでしまった。


そのルナという名のオスの子犬は、ロリア侯爵夫人ブランカの鏡として、また『境界なき土地』でも重要な役回りであったが、破滅の先触れとして登場。「ルナは幼くて貪欲で、いつもお腹を空かせている。そこがこの犬の恐ろしいところでもあり、魅力的なところでもある。」(p. 149)はそっくりそのまま、ブランカの描写といえる。執筆開始直前のドノソの日記に記されていた「ヘンリー・ジェイムズ的趣」というのが「新大陸の無垢な魂が旧大陸の頽廃によって破滅に追い込まれる」という「デイジー・ミラー」的テーマならば、「奔放な若き侯爵夫人」が失踪し、ルナが「忠実な老犬」となり物語世界にとどまるのは、まあそういうことなのだろう。

さて、腹の音も収まってきたので寝ましょう。


10日(土)



ゆかり飯のとろろ昆布おむすび、ほうじ茶。

干したぎんなんの、粒の小さいものを選って殻と薄皮を剥く。なぜ小さいものかというと、酒のアテとして塩煎りにした際、酔うと殻が剥きにくいので、それ用には大きいものを残しておきたいから(そこまで飲むなという話でもある)。てことで、はい。


手間をかけた甲斐がある。



にがうりとかにかまの酢のもの、キャベツとちくわの炊いたの、ぎんなん飯のおむすび、麩の味噌汁。

晩飯用は海苔巻きに。


実はいま米が底をつきそうになっている。毎年毎年、なぜ妹家からの新米が送られてくるかどうかというときに斯様な事態に陥るのであろう。インディカ米はあるので米に困りはしないけど、あれは粘りのないのが身上なので、おむすびにはしにくい。そしてわたしのおむすびひとつで子供たちの給食5食分が……しかたない2㎏買おう。さて、明日はどんなおむすびにしようかね。

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