晴れている。夕方の日食までもってくれればいいけど。少し寒いので、朝食はインスタントプゴクに残りごはんを合わせて煮た雑炊。
今日のランポーくん。
最高に美しい。「月の姫君のよう」とおっしゃってくださった方がいて、ああ、この淡い黄色の花色と金属的な光沢のコンビネーションって、まさにそんな感じだなあと思ったことであった。花期限定でモンデンキントと呼ぶことにしようか。
ラジオの合い間にベランダの衆に水をやり、混み合ってきたバジルを間引く。
昼
生トマトのスパゲッティ。
オリーブオイルでにんにくと唐辛子をじっくり炒め、くし型に切った生トマトを加えて炒め、茹でたスパゲッティと茹で湯を少々加え混ぜ、麺とソースがなじんだら皿に盛り、刻んだ間引きバジルを載せ、すりおろしたレモンピール(アジのスパイス焼きのために汁を絞った後の皮)をふって完成。
アタ(インドの小麦全粒粉)を使用して、昨晩仕込んだおとなしいレーズン酵母の中種
分量が適当すぎてゆるゆるな感じ。やっぱりおとなしいけど、ぽこぽこ泡が出ている。
少し仕事をしようとパソ子に向かった。いまの仕事用パソ子は2009年発売のもので、比較的新しいうちに譲ってもらったもの。よく働いてくれていて、すごく優秀なんだけれども、わたしが使い始めてからでも10年近く経っていることを考えると、さすがに不安が募る今日この頃。以前、この子を隠居させる(=遊び用にする)ために新たに仕事用に買ったマシンは、保証期間が過ぎてから妙な不具合が出てきたのと、そもそもキーボードのタッチが気に入らなかったのとで(まあほかにもいろいろ理由はある)結局そっちが遊び用になってしまったのだけど、いざとなってもその不具合のせいで仕事に使うのはためらわれるし、遊びにもわざわざ出してくるのが億劫なこともあり、結局ひとりでバリバリ働いて、仕事に飽きたら遊びにも応じてくれているこの子になにかあったら……と、思うと矢も楯もたまらず、ネットでよさそうなものを探し、メーカー直販サイトでいきなりポチってしまった。特別給付金が振り込まれているかどうかも確認していないのに、いきなりすぎるとは思うが、土日注文分には4%割引が適用されるときては、そりゃもう考えている暇はなかった(来週にすればいいのにとかいわないでください)。ええ、仕事はしていません。
午後は日食をたのしみにしていたのだが、3時を過ぎたころに曇ってきてしまった。4時ごろからちらちらと雲越しのうすぼんやりとした太陽を見ていたけれども、盛り上がらないことこのうえない。まあ天気のことなのでしかたない。
夜、いつものスーパーでニュージーランドりんご(ふじ)を買う。レーズン酵母が失敗した場合のために、りんご酵母も仕込んでおくか。
22日(月)
朝
マリガトーニ、バゲットのトースト。
今日のランポーくん。
もちろん今日も美しい。が、今日で一番花はおわりだろう。
ニガウリの鉢に勝手に生えてきた謎
大きくなってきたけど、まだだれだかわからない。ひきつづき観察する。
ペパーミントを10茎切り、バジルのプランターに生えたノゲシを抜いた。
昼
醤油ラーメン(マルタイ棒ラーメン)。
味玉、きくらげ、もやし、ねぎ。使おうと思ったメンマはカビていた。
おやつにりんごを剥いて食べ、残った皮と芯で酵母を仕込む。
これは雑菌対策のため、蓋をして2、3日冷蔵庫に入れておいて、まず乳酸菌に増えてもらうといいらしい。いままでそうしたことはなく、それで失敗もなかったけど、考えてみたら日本でりんごが出回るのは秋から冬にかけてなので、今回はそうしたほうがいいだろう。なんせあらゆるものが傷む季節。となりのレーズン酵母の中種は、ゆっくりふくらんできた(ように見える)。
仕事で疲れ果て、腹は減ったがなにをつくる気力もない。買い置きの豆腐を茹で、ぽん酢をかけて食べる。
23日(火)
5時前に目が覚めたので、見た夢をメモして二度寝。7時に起床、メモを見ると「ムクドリ(粘着タイプ)」とだけ書かれていた。意味が分からない。
朝
汁ブン。
茹でたまご、きくらげ、ノゲシ、ねぎ。
ペパーミント茶を鍋に一杯つくる。
熱いうちにコップ1杯飲み、残りは冷まして冷やす。
ニュー PC が明々後日に配送予定とのメールが来た。特別給付金はまだ振り込まれていない。代引きにしなくてほんとうによかった(する気もなかったけれども)。
仕上がったレーズン酵母の中種を少し舐めてみたら、わりと酸味があった。悪い酸味ではなくて、乳酸菌が多い感じ。
晩は賞味期限を過ぎたカマンベールチーズをアテにビール少々。
24日(水)
ニガウリに初の花が咲いたが、写真を撮る時間はなかった。
午前の仕事を終え、昼は近所のインド料理店で
Bランチ(870円)。飲み物はあったかいチャイ。
選べるカレーはほうれんそうとじゃがいも。ナンの上にライスのカトゥリが乗っているのが斬新(メニューの写真はちゃんとターリーにおさまっていたけれども、このお店、どうもナンがだんだん大きくなってるような気がする)。インド兄さんがニコニコと「オカワリ?」と聞いてくるので、ナンをおかわりして腹パンパン。
書店で注文していた本をひきとりに行くついでに、映画を観て帰ることにする。ケイシー・レモンズ監督作品『ハリエット』。元奴隷、奴隷解放組織「地下鉄道」最強の「車掌」、南北戦争では北軍の看護師から斥候を経て、指揮官として兵を率いて戦い、戦後も黒人と女性の地位向上のために働いた驚異的な人物の伝記映画なので、あまり期待はしていなかった。期待していなかったというのは、きっとわかりやすく単純化され、また色がつけられてるんだろうなと予想していて、単にそういうのはわたしの好みではないというだけのことで、けなすつもりではまったくない。さて観賞してみたところ、これは一種のヒーロー映画であって、やっぱりわかりやすく憎しみを一手に引き受ける悪役がいて、ある意味憎み切れない悪役もいて、主人公の協力者は気高く死んでいくなどして、まあまあそのあたりは予想通りだったのと、最後はその後を字幕で説明して終わりパターンで、戦後も差別的な待遇を受けていた(まあ時代が時代なので、ということはあるにせよ)ことには触れられず、いい話で終わってしまったのが、なんだかなという印象。ただ、音楽は素晴らしかった。さすがシンシア・エリヴォ。あの声、あの歌にはやられた。畑で働いている家族に「自分は逃げる」ということを歌で伝え、皆が歌で答える場面、そういうのがあるだろうなとわかって身構えていても心打たれた。
映画の後はカルディに立ち寄り、やかんでつくって冷やしておく飲みもの一式(コーン茶、はとむぎ茶、ルイボス茶)、冷たいおやつなどを買って帰宅。
明日のために中種200ℊを牛乳150㎖で溶いて、たまご1個、地粉100ℊ、砂糖大さじ1を加えて混ぜる。
このあと、写真を撮った段階では入れるのを忘れていた、塩ひとつまみとギー大さじ1を加えて混ぜる。ギーを使ったのは、溶かしバターをつくっておくのを忘れたから。毎度忘れものの多い麩之介クッキングである。
25日(木)
今朝はニガウリの花の写真が撮れた。
夏だ。
ひと晩寝かせたクランペット生地。
あんまり変わってないような気がする(色が黄色っぽくなっているのは、ギーを入れたため)けど、焼きます。
おお、ちゃんと膨らんで、ぽこぽこ穴が開いた!(この穴がシロップをキープするのだ)
両面を焼き、メイプルシロップをかけて完成。
レーズン酵母のクランペット、紅茶。
微かな酸味がまたうまい。酵母ちゃんたち、ありがとう(焼き〇すけど)。2枚をあっという間にペロリ。生地があと4枚分残っているけど、発酵がこれ以上進まないように焼いておいて(冷蔵庫にはボウルを入れるスペースがない)、また温めて食べることにする。
元気がない感じだったので、酵母液は使い切ってしまうつもりだったけど、ちょっとおとなしいだけで、よい酵母だった。エサ(砂糖水など)をやって継いでいこうと思う。フライパンで焼くパンもつくってみるかな。
昨日買った本
劉慈欣『三体 Ⅱ 黒暗森林 上下』(大森望、立原透耶、上原かおり、泊功 訳 ハヤカワ書房)、ウィリアム・H. マクニール『疫病と世界史 上下』(佐々木昭夫 訳 中公文庫)、金森修『病魔という悪の物語 チフスのメアリー』(ちくまプリマー新書)、ながらりょうこ『ねこと私とドイッチュラント 3』(小学館)、若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』(河出文庫)。いつ読めることやら。
なかよし夫婦
ベランダの衆に水やりをして、ニガウリのつるを誘引したりしていると、近くの電線にハシボソガラスが来てとまった。すぐにもう一羽来て、先に来ていた方にすっすっと寄っていき、ぴたっとくっついた様子がかわいくてたまらんので盗撮……いや、2羽ともこっちをガン見してるな。ごめんよ。
りんご酵母のほうは冷蔵庫から出した。小さな泡がついている。うまくいきそう。
育て育て。
晩は焼いておいたクランペット2枚をフライパンで温めて、カマンベールチーズとともに。
26日(金)
朝は昨日のクランペットの残りにメイプルシロップをかけたものとコーヒー。
暑くなってきたので、蒸れ防止にペパーミントを10茎切り、ミント茶を1ℓ仕込んで冷やす。
ニュー PC 到着。初めて電源を入れるとき、他の人はなにか儀式的なことをしているのだろうかと気になって聞いてみたところ、➀名前をつける ②踊る ③晒の褌をしめ冷水をかぶる ④耐久性テストをかねて千尋の谷に突き落とすのが流行りらしい ⑤いっしょに記念写真を撮る というお答えが寄せられた。③は褌を準備している暇がなく、④は千尋の谷を探す暇がないとて却下、名前は「ヒュパ子」(そうです hp 製です)にしようかと思ったが、あまりといえばあまりな名前でかわいそうになってやめた、と呟いたら「ヒュパティアみたいで賢そうなお名前!」とのご感想をいただいた。反射的に「ヒュパ子」を思いついて、そのあと実はヒュパティアのことが頭に浮かびもしたのだった。さすがはわたしが構築した TL。ならば本名ヒュパティア、愛称ヒュパ子でいこう。別の方から、「メーティス、略してめーちゃんなどは」とご提案いただいた。この名もなるほど、賢いこの子らにふさわしい名。ならば、いままで名づけることもなく使い倒してきた相棒パソ子をそう名づけることにしよう。今日からきみはめーちゃんだ!よろしく!(いまこの日記はメーティスで書いている)。
レーズン酵母の中種に、残った牛乳、砂糖、塩、アタを加えてぐるぐる混ぜておいた。フライパンで焼こうと思う。
27日(土)
午前3時過ぎ、指を蚊に刺されて目が覚めた。
朝起きたら、蚊に刺された指は、関節のシワが伸びるほど腫れていた。蚊が憎い。
りんご酵母がしゅわしゅわしている!
成功!となりのパン種もうまく膨らんでいる。ということで
こねました。硬さ調整に地粉を加えたけれども、油っ気のものを加えるのを忘れた。(不)安定の麩之介クッキング。
パンは寝かせておいて、朝食はこれ。
日清どん兵衛 あさりとはまぐりW貝だしのうどん。
昼前の様子
だいぶ膨らんできた。
昼
ムングダール、なすとパプリカのサンバル、じゃがいもとにんじんとモロッコいんげんの炒め煮、きゅうりとミニトマトと玉ねぎのサラダ、白飯(バスマティライス)。
午後からは仕事。来週がヤマなので休んでいられない。せっかく雨が降っていないというのに散歩にも行けない。この状況が終わったら、散歩に出たまま帰らないかもしれない。
仕事の合間にパン生地をガス抜きして、両手でぺたぺた叩いて平たく伸ばし、フライパンに敷いたクッキングシートに乗せてボウルをかぶせておく。
うまくいきますかどうか。
二次発酵終了(したとみなして)
焼きます。
はい
まあなんとか。
このパンでコロッケサンドでもつくろうと思ったが、近所のスーパーの惣菜売り場はすっからかんであった。強力粉は買えたので、また中種を育てることにする。
晩酌
アテはレーズン酵母パンのカマンベールチーズサンド。噛みしめるほどにしみじみと旨い。旨くて困る。明日の朝食用にと思ったのに(もぐもぐ)少しは残しておかねば(もぐもぐ)(もぐもぐ)(もぐもぐ)
28日(日)
朝
レーズン酵母パンのサンドウィッチ、コーヒー。
かろうじて残された昨日のパンを2枚おろしにして軽く焼き、レタス、玉ねぎ、両面焼きたまご、シュレッドチーズにタバスコをふってはさんだ。
こねました。
ラジオの合間に昼の仕込みのつもりが、水分量の調整に意外に時間がかかり、少し聴き逃してしまったところが、あとでまとめを見たらなかなか面白い質問だった(「タコの心臓はいくつありますか。お友達が4つと教えてくれたけど、図鑑で調べてみたらイカのことしかわかりませんでした」とか、めちゃくちゃ聴きたいやんかそれ)。聴き逃し配信を聴かねば。仕事がひと段落してから。
寝かせた生地を棒状に伸ばして3つにカットし、丸めて伸ばしてフライパンで焼く。それをさらに網焼きにして、ぷーっと膨らませる。
ちょっと焦げた。
昼
マスールダール、野菜と豆のカレー、キャベツとにんじんの炒め煮、きゅうりとミニトマトと玉ねぎのサラダ、チャパティ。
カレーは昨日のサンバルとダールと炒め煮の残りを全部混ぜたものだし、サラダは昨日の残り、まあ楽ちんなのであった。チャパティは3枚焼いて、1枚残した。
きゅうけい
ベトナム練乳プリン。
自作する気だったができなかったので、こないだカルディで買ってきたやつ。おいしい。
レーズン酵母液にはエサ(はちみつとかりんごジュースとか)を与えて育て続けているけれども、やっと本気を出してきたようだ。
2回目の粉と液を混ぜて5時間後。めっちゃ元気。りんご酵母も元気元気。
晩は昼のチャパティとキャベツのサブジでビール少々。寝る前にそば粉のクランペット生地を仕込んでおく。これは大学に入ってすぐのころに買った The New Farm Vegetarian Cookbook に載っていた Old-Time Buckwheat Cakes(という名前だったと思う)。わたし自身はヴィーガンではないけれども、この本は丸元淑生『丸元淑生のシンプル料理』(講談社)、渡辺玲『ごちそうはバナナの葉の上に 南インド菜食料理紀行』(出帆新社)と並んでわたしの料理の基礎を固めてくれた本だ。丸本氏、渡辺氏の本は手元にあるが、ファームの本はウチのどこかにあるはずなのに、発見できず。
『ごちそうはバナナの葉の上に』は、今見たらアホみたいな古書価がついていた(同じシリーズの『誰も知らないインド料理』なんてさらに恐ろしい値段が……)。なんてこった。かわりにこれ貼っとこう。
同じ著者による『旬のかんたんスパイスカレー』(アスペクト)。日本で手に入れやすい材料とスパイスで、かんたんでおいしくて、もちろん本格的なインドカレーがつくれちゃう本。
29日(月)
朝の水やりをしていて、ニラに花芽が出ているのを発見。
2018年の春、前年に採ってきた野良ニラの種を蒔いて3年目、ようやく株が充実してきたものの収穫適期を見極められずにいたが、これで今年も観賞用となることが確定。
同じく野生のむかごをとってきて蒔いた3年目のナガイモ。
脇芽をびゅんびゅん出し、これまでにないほど茂っている。もう緑のカーテン要員でいいか。
朝
そば粉のクランペット、コーヒー。
クランペットにはメイプルシロップをかけて。
わたしがつくるそば粉のパンケーキは3種類ある。ひとつはヘミングウェイの "Big Two-Hearted River" に出てきたもので、これが最古のそば粉パンケーキの記憶。そば粉と水を同量混ぜて脂で焼いて、apple butterを(そういう名前で売っている、りんごジャムとバターの混合物とは別物)を添えて食べる、素朴なパンケーキ。ひとつはこの The Faarm の Old-Time Buckwheat Cakes。そしてもうひとつがわたくしイチオシで、これは宮脇愛子氏が紹介しておられたリチャード・マイヤー氏のレシピ( → 「昭和のおやつ レシピ探偵 第6話『そば粉で作るホットケーキ』」 )。これ、素晴らしいです。
そういえば学生のころ、読んだ本に出てきた料理をつくってみるということをしていた(ヘミングウェイのそば粉のパンケーキもそうしてつくったもの)。夏休みレポートの課題だったトマス・ハーディの "Old Mrs. Chundle" のベーコンと玉ねぎとキャベツの煮込みは、ベーコンが苦手なくせに謎の義務感でつくって食べたのであった。あほですね。
育成中のりんご酵母液をかき混ぜる際、出来心でメイプルシロップを少し入れてみたら、発泡が止まった。おいておいたら回復するだろうか。
30日(火)
りんご酵母液の発泡は止まったまま。失敗か。メイプルシロップがいかんかったんか。それとも突然乳酸菌が勝利したのか。
朝
きつねうどん。
お揚げは焼いて、刻みねぎをてんこ盛りに。
あああっ!!!仕事にかまけていて『荒野の用心棒』観にいけなかった!!!
なすの皮をむき、蒸気の上がった蒸し器……はないので鍋にジャストフィットするざるに入れ、蓋をして弱めの中火で20分蒸す。
火の通りを確かめるために菜箸で押してみた跡が残っているけど、裂いて食べるので無問題。皿にとり、冷まして冷蔵庫へ。皮は細く切ってきんぴらに。
映画館の上映予定表を見た。今日で上映終了だと思っていた映画は明後日までやっていて、しかも『荒野の用心棒』ではなく『続・荒野の用心棒』であったことが判明。やれやれ。明日仕事帰りに観にいくか。
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