2022-01-16

多治見・名古屋 0泊2日 Intermezzo――冬の18きっぷ旅 2022

以下は2019年に書きかけて中断していた記事ですが、せっかく多治見を再訪したので採録して供養いたします。よろしくおつきあいくださいませ。

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永遠の中学生なので、とんでもないお荷物だったヤツとか敵だと思ってたヤツが、実は主人公を守るためにそんなふうに装っていたとかそういうのが大好物なのですが、そういう意味で最高な展開になってきたマンガを読んだというのに、ということは、それがなにかを大っぴらにいうわけにはいかなくなった麩之介です。皆さまいかがお過ごしですか。ああ、いいたい。


1月10日(木)、朝8時過ぎに家を出て、18きっぷラスト旅に出る。今日は東へ。最寄り駅にかなり早く着いたわたしはホームで最前列に並んでいた。新快速が到着すると、なぜか視界に人影が写った。まだ降りる人がいるというのに、ひとりのオバハンが列を無視して強引に乗り込んでいく。オバハンがそれをするので列の前にいた人まで乗り込もうとしてちょっとした混乱が生じた。それだけやってオバハンは座れていない。執念がすごいが座れていないので、無法オバハンという悪印象を持たれるだけ損ではないか。とか考えていたらオバハン、次の駅で降りる人を通そうとしてわたしが開けていた隙間に強引にねじ入って、ちゃっかり座ってしまった。列を無視した段階で「このオバハンが目的地まで座れませんように」という呪いをかけておいたが、効かなかったようだ。さらに強力な呪いをかけたいところだ。

名古屋で下車、蕎麦とインドカレーの二本柱で勝負するお店 よもだそば で朝食。


朝食セット(450円)。
カレーは蕎麦の出汁を使っているらしいけど、普通にインド味で美味しい。体が温まって気持ちに余裕が出たので、あのオバハンと、後ろから押されていたけど極力前を押さないように努めていたわたしに向かって大声で「押すなー!!」と怒鳴った老人への呪いを解いた。衣食足りて礼節を知るとはよくいったものだ。礼節を欠いているのはどう考えても相手の方だが。

名古屋から中央線で約40分の多治見駅で下車。寒い。夏あんなに暑いくせに(そういえば前に来たときは土岐とセットだったけど、あれは夏の18きっぷだったような)。バスの時間に余裕があったので、いちど行ってみたかった名店、信濃屋へ。


よい雰囲気。こぢんまりした店内も雰囲気よし。お茶はセルフ。メニューは「うどん」「ころかけ」「しなそば」の三種のみという潔さ。「うどん」があったかいので「ころかけ」が冷たいの。ほとんどの人が「うどん」と「しなそば」、または「ころかけ」と「しなそば」の二本立てで注文しているが、とりあえずどんなものかと「あったかいおうどんください」と注文。


きました。真っ黒いつゆにやわらかい太い麺というと伊勢うどんのようだけど、ぜんぜん違う。食べているとお店の方が「辛さはどうですか」と尋ねてくれる。独特の甘辛いつゆで、これははじめて食べる味。美味しい。が、足りない気がしたので、やっぱりしなそばも追加で注文した。


これまた独特。コシの強い平打ちの麺と、これも甘めの中華スープ。いや、美味かった。お店の人も皆さんとても感じがよくて、よいお店。次の機会があれば、「ひやころ」(常連さんらしいおじさんはこういっていた)をぜひ食べてみたい。

さて駅に戻って、バスで行く。バス停からは徒歩10分の山の上。途中二度、誤って民家への道を登っては下りるという行為を繰り返し、もうちょっと道順の標識的なものが欲しいと思う。豊田市美ほどはいらないが。( → 「豊田市美術館で「ビルディング・ロマンス 現代譚(ばなし)をつむぐ」を見る ― 春の18きっぷ旅 2018 (1) 」 )

山道の百合ガラ。


来ました。


岐阜県現代陶芸美術館。「フィンランド陶芸 芸術家たちのユートピア」を見にきたのだ。


「マリメッコ・スピリッツ」も同時開催。

フィンランドの陶芸は、実はよく知らない。食器は我が家にもいくつかあるけれども、日用品でないものをなにか見たという経験はないので、とても楽しみにしていた。

入場。昨日のエッシャー展とちがって、ほとんど人がいない。ゆっくり好きなだけ見られてありがたい。展示はフィンランド陶芸の礎を築いたアルフレッド・ウィリアム・フィンチの作品でスタート、作家に自由に作陶させたアラビア製陶所美術部門の活動から1960年代までを体系的に紹介するもの。特に気に入ったのは、ルート・ブリュックの陶板の色、キュッリッキ・サルメンハーラのボウルや壺の形と質感、ミハエル・シルキンの彫像「猫」や「梟」の単純な形の中に確実に存在するそのものらしさ、ビルゲル・カイピアイネンの彫像「天使」の詩情。

そういえば、わたしが毎日使っているマグカップは、カイ・フランクのデザインしたティーマ(ここで展示されていたキルタの後継)なんだけど、直線と曲線のバランスが絶妙で、これしかありえないと感じられる。シンプルなデザインなので類似のものもたくさん見かけるけれども、違いはそこなのだろう。そんなことを、展示を見ながら考えていた。とてもよい展示だった。巡回中の警備員さんがカイピアイネンの陶板に見入っていたりしたのも、よかった。



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展示を見てすぐに書いていたのはここまで。あとで図録を参照しながらもっと詳しく書くつもりだったのだろうが、ちょっと放置しすぎた。このあと見た「マリメッコ・スピリッツ」は撮影可だったのでいろいろ撮った。せっかくなので掲載。


布地の中にはこんなふうに裏から光を当てて、パネル両面に展示されているものもあった。


気に入ったものをいくつか。

アイノ=マイヤ・メッツォラ「フィンランドの島」


マイヤ・ロウエカリ「使い込まれたラグ」


マイヤ・ロウエカリ「成長」


マイヤ・ロウエカリ「市民菜園」


パーヴォ・ハロネン「木曜日」


タイトルが面白いものが多い印象。

製作資料


この絵、かっこいいなあ。


そういえばこんな人いたけど、右から二人目の人ですね。


真理庵(マリメッコ茶室)




中はこんな


床の間


ガラスの茶釜


ポップだけど、利休もこういうの好きなんじゃないでしょうかね。(適当なこといってます)

美術館を出て、バスで駅方面に戻る。近辺にお住いの方(この方が2022年の旅に同行してくださった)から「オリベストリート」に行くといいと聞き、駅から歩いて行ったが


昭和橋の謎オブジェの写真があるということは、どうも遠回りしていたらしい。道理で、今回オリベストリートからながせ商店街を通って駅に帰ったとき、こんなに近かったっけと思ったわけだ。まあ土岐川沿いに歩いたおかげで、いい感じの通り(銀座通り)も見られたわけで。


このあたりはまたいつか散策してみたい。

オリベストリートでは、本町創造館とその並びの店をちょっと見たら日が暮れて、結局なにも買わずに帰ることになった。道は暗いしあまりにも寒かったので、この灯りについ吸い寄せられた。


じまんやき(いわゆる大判焼きだった)を買い、食べながら駅へ向かう。

途中で見たお店


はい。(とくに悩んでないけど)

多治見から名古屋へ向かう。お薦めの天むすがあれば教えてくださいと呟いたところ、児雷也と千寿を薦められ、両方買って帰ることにした。あちこち行かなくても、新幹線南口のデリカステーションとその向かいのギフトキヨスクでどちらも手に入るという情報をゲット。無事入手して帰路につく。実はあとで、千寿には三重千寿と名古屋千寿があると知った。この日買ったのは名古屋千寿のほう。三重千寿の天むすもいつか食べたい。

当日どんなことを呟いていたのか検索してみたら、「向かいに座ったスーツ姿に蛍光イエローのスニーカー履きの男性が『マンガでわかる日本絵画の見かた』という本を読んでいるのが気になって気になって」と書いていた。ぜんぜん覚えてない。

腹ペコで帰宅、晩は天むす2種とビール。


半分食べて残りは明日にと思い、千寿2個と児雷也3個を出したが、やめられない止まらないで、残りもすべて食べた。

とまあ、こんな一日でした。

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