滋賀県での仕事。最寄り駅からバスで行くのだけど、ずっと気になっているバス停がある。いつも車中から撮影しようとしているのだけど、待つ人もいないバス停ゆえ常に素通り、連写しても影も形も写らない。撮れてこのクォリティであった。
これは本日撮ったもの。うわ、撮れた!と思ったらこれだったので、仕事が終わってからわざわざそこまで歩いて行って、あらためて撮影したのだ。帰りというならそのバス停で降りればいいではないか、と思われる向きもあろう。しかしそうはいかない理由がある。後ほどご説明いたしましょう。
JRの駅から、晴天の下てくてく歩く。車の入れないような細い道があるので行ってみようと思う。暑い。家の窓が開いていて、テレビの音が聞こえている。静かなところだなあ、なんて思いながら歩いていて、姿のよい木を見つけた。いいですね、うん。
しかしこの先は行き止まりなのであった。しかたなく引き返して、バスで通る道を行く。いつも通っている道でも、歩いてみるといろんなものが見えてたのしい。
小さいお子さんのいるおうちなんだろうな。しかしそこで止まっても、すでに道に出ちゃってる感がありますね。
ずんずん歩く。もう15分ほど歩いている。ずっとウグイスの声が聞こえている。ウグイスというと春という感じなのだが、今日は五月晴れでそんでもってめちゃくちゃ暑くて、そろそろなんのために歩いているのか自分でもわからなくなってきたころ、ハイ、出ました。例のバス停です。まずは裏側、というか正面をご覧いただきましょうか。
はい、ご覧のとおりの地獄ひょ、もとい、時刻表です。仕事終わってバスで帰ろうと思うと、2時間半待たないといかんのですね。そういうわけで、帰りはタクシー呼んでもらっております。
で、まあ表側はなんの変哲もない時刻表なのですが、この裏はこうだ。
このあたりには人の心の平衡を失わせる魔物でも棲んでいるのであろうか。ほかのバス停はいたって普通で、こんなの、ここだけなのだ。ああ、撮れてすっきりした、と思っていたら、藪の中からウグイスの声が。ホーホーホホホ、ホケ!……え?あ、また鳴く。ホーホーホホホ、ホケ!……ちょっとちょっと、「キョ」は!? ねえ、「キョ」は!?……しばらく聞いていたが、ずっとホケ!どまりで、聞いているわたしは心の平衡が次第に失われていくのを感じたのであった。ひょっとしてこいつが魔物なのであろうか。
駅への帰り道、あまりにも暑くてスーパーで避暑。琵琶湖産の魚を扱う売り場があったので、鮎の南蛮漬けとしじみ豆を買って帰る。
帰宅後、懸案の本棚整理。片づいたような片づいてないような。
写っていないところが未だカオスであるということは、言を俟たない。
夜、鮎の南蛮漬けでヱビス。
うまし。そういえば今日は半夏生。たこを食べるというのはいつ始まったのだろう。あれみたいなもんか、節分の恵方巻。
2日(土)
暑い。7月に入ったとたん、暑い。35℃って。しかたない、エアコンに火ぃ入れますか、とリモコン押しておいて、冷風が出始めたところでベランダに出る。初使用なので、ベランダ状況を見ておかねばいかんのだ。なんせベランダにはかわいい植物たちが夏を謳歌しているから……していてくれたらいいけど、西日しか当たらないベランダという劣悪な環境に植物たちを置くしかないことがまことに心苦しく、さらに室外機の風が追い打ちをかけることになるとは、慙愧に堪えぬことでございます。出てみると、手擦りが柵でなく腰高のコンクリ壁のため、はたして排気がベランダ内を渦巻いており、ミニトマトがその影響をモロに受けている。その他の植物もざわざわしているので、長時間の使用ははばかられるな、これは。やはりなるべく使わないようにしなければ。
夜、詩人イヴ・ボヌフォワ逝去の報。アルファベットのカタカナ表記の場合避けて通れない問題だけど、著者名検索が非常にやりにくい。「ボヌフォワ」だったり「ボヌフォア」だったり「ボンヌフォワ」だったり「ボンヌフォア」だったり。「イヴ」か「イブ」かという問題もあるな。思潮社から出ていた詩集は『ボンヌフォア詩集』だけど、わたしがもっている評論集は「ボヌフォワ」表記だった。『ありそうもないこと』はこの部屋のどこに……(またか)
ありそうもないこと―存在の詩学 (^Etre・エートル叢書) イヴ ボヌフォワ Yves Bonnefoy 現代思潮新社 2002-08by G-Tools |
3日(日)
朝
「濃いレモン蒸しパン」と珈琲は合わないことがわかりました。
昼
焼いた薄揚げとみょうがの混ぜごはん、トマトの味噌汁、ポーチド塩鮭の甘酢漬け、ピーマン丸煮、さやいんげん胡麻和え。
本とおやつ
本はデレク・ミラー『白夜の爺スナイパー』(加藤洋子 訳 集英社文庫)。まだ読み始めたばかりだけど、これはひょっとしてアレだったらどうしよう、という疑念が頭をよぎった。読み終わってアレだったら白い煙、アレでなかったら黒い煙で皆さまにお知らせしようと思います。
白夜の爺スナイパー (集英社文庫) デレク・B. ミラー Derek B. Miller 集英社 2016-05-20by G-Tools |
おやつはシークワサージュースでつくったゆるめの寒天。なかなかよろしい。
夜は食べるのを忘れていた。目がまわってきてはじめて気がついた。動物としてダメだと思う。
4日(月)
朝はコーヒーのみ。飲んだらパンを仕込む。
昼、昨日の残りのみょうがごはんを炒飯にした。
たまごと、常備しているじゃことごまと青じそのふりかけでつくった。このふりかけ、かんたんでおいしいのだ。フライパンにごま油を熱して、つぶしたにんにくを炒め、香りが出たらちりめんじゃこを加えて炒め、醤油で味つけして、仕上げにいりごまと刻んだ青じそを混ぜるだけ。
夜、パンを焼いた。
なかなかうまくいった模様。
ミシェル・ウエルベック『ある島の可能性』、あと1/4ほどを残しているけど、これは傑作ではないか。肥大するしか能のない幼稚な怪物にも似た資本主義社会にあって、求めるものが決し て得られることはない個人の悲しさと滑稽さ、孤独を描く手法は先行諸作品の変奏、というか終始一貫しているといえるが、あざとさはさして感じられない。
ある島の可能性 (河出文庫) ミシェル ウエルベック Michel Houellebecq 河出書房新社 2016-01-07by G-Tools |
5日(火)
以前から気になっていたインドカレー屋に入ってみた。メニューを見たらかなりの品数。これはいい。パンもナンだけでなく、チャパティやロティやクルチャと何種類もあった。しかしセットメニューについているのは、すべてナン。ナンをチャパティに替えられますか、と尋ねたら替えることはできないが、単品で追加はOKだって。がっかり。まあ、おトクなセットでなく、アラカルトにすりゃいいんだけど、理由あって資金が乏しいのでね。
8日(金)
4時半に起きて、仕事の準備。思ったより早く片づいたので、少し眠ろうとしたけど、これが眠れない。意地でも寝ようとしていた時間がもったいない。本でも読めばよかった。
そうそう、仕事帰りに買ってきたのだ。
たのしみだ。
晩
パクチーラーメン。
鍋からズゾゾといきました。思えば乾燥パクチーがあるのだから、足せばよかった。パクチー好きは際限なくパクチーを入れたがるものであることよ。
9日(土)
赤ピーマンを買ってきたので、ピペラードをつくる。要は玉ねぎとピーマンをオリーブオイルでじーっくり炒めたところにトマトの刻んだのを入れて、煮るだけ。今回みどりのピーマンも残っていたのでひとつ入れた。
煮込んでいる間に、買ってきた鱧&野菜天でエビス。
夏はこれですね。いや、ビールは年がら年中飲んでますよ。鱧です鱧。
10日(日)
本日参議院通常選挙。投票をすませてから朝めし。
オートミールの塩粥、ピペラードのたまごとじ、ゴールデンキウイ。
今日は一日ウチで仕事なので、おやつをつくるよ。冷たいの。
昼
あっついので、そうめんと、蒸しなすの胡麻味噌だれ。そうめんに乗せた青じそは、ベランダ産のデビュー戦。うまし。
おやつと本
おやつは母作のゆずジャムを入れたやわらか寒天。何度か試行錯誤して、ゼリーのようにやわらかいものをつくろうとするなら、小さじ1/2の粉寒天に対し、最適な水分量は400㏄強というところに落ち着いた。ふるふるでうまい。器にしている湯呑みは、むかし偶然通りかかった神社でやっていた手づくり市で買ったもの。手に取ってみて、「すごく軽いですね」というと、作家さんは「そうでしょ!でもねえ、弱点がいっこあるんですよ」とおっしゃる。「なんですか?」と尋ねると、「熱いお茶入れたらねえ、めっっちゃあつなるんですよ」と笑っておられた。たしかに熱いお茶を入れたら、ほんとに持てないくらい熱くなる。冷たいおやつに使って正解。
ちょっと用事があって出かけたら、普段あまり通らないところでこんなことが。
なんだこれ、暑さで溶けたのか?
晩酌
スーパーで買ったまぐろのから揚げでヱビス。うまし。
飲みながら開票速報をネットで追っているちに、パンが焼けた。
パンはなかなかうまく焼けた。絶望なんてしてやらねえ。誰がするか。
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