月曜日。わたしの避暑地(ミュージアム・図書館等)は軒並み休館、行き場のない麩之介です。本日も朝からあっついわけですが、皆さま、ご無事にお過ごしですか。塩と水は忘れずに。
本日も暑いなか8時にはパソコン立ち上げてラジオをスタンバイ。もちろん夏休み子ども科学電話相談を聴くのだ。
本日の先生方:
昆虫: 足立区生物園 昆虫飼育担当 清水 聡司 先生
植物: 恵泉女子学園大学 教授 藤田 智 先生
科学: 法政大学 教授 藤田 貢崇 先生
いのち: JT生命研究館 館長 中村 桂子 先生
そして進行は藤井 彩子 アナウンサー。
今回も楽しかった。まずはじめの先生方の紹介時から波乱含み。植物の(といっておかないと、今回はフジタ先生ふたり、サトシ先生ふたりという、名前がかぶりまくりの回)藤田先生の自己紹介コメント。
藤田先生 「最近食べたスイカがものすっごくおいしかったんです」
藤井アナ 「ご自分でつくられたスイカですか」
藤田先生 「いえ、他人がつくったスイカです」
藤井アナ 「まさか他人のスイカとは思いませんでした」
わたしもまさかそうくるとは思いませんでした。これにはじまり、今日はこの番組の醍醐味のひとつである、コミュニケーション・ブレイクダウンが頻発。
「コンテキストはどうした」編
つよしくん 「コバネイナゴはなんで佃煮にして食べられるんですか」
藤井アナ 「つよしくんは食べたことあるの?」
つよしくん 「なにを?」
「謎展開に戸惑う先生」編
清水先生 「アリジゴク知ってる?」
たかよしくん 「カブトムシ」
清水先生 「えーと、ちょっとこの話は置いとこか」
「ほんとうにどうして」編
あまねちゃん 「どうして食べ物は腐るのですか」
藤井アナ 「腐るの、見たことあるの?」
あまねちゃん 「ないです」
藤井アナ 「じゃあどうして不思議に思ったの?」
あまねちゃん 「わからない」
「媚びないのがオレのスタイル」編
中村先生 「DNAだけじゃなくて、環境でも人は変わります。まさたかくんも、ずっと同じじゃなくて、どんどん変わっていくの。いろんなことするでしょ?お勉強も、スポーツも」
まさたかくん 「スポーツはしません」
「無茶振りにもほどがある」編
かれんちゃん 「地球はどうしてうまれたんですか」
わたし (あれ、今日宇宙先生も地球先生もいないよ?)
藤井アナ 「では中村桂子先生、お願いします」
わたし (えっ、科学先生じゃなくて、いのち先生に聞くの!?)
中村先生 「わたし、生命の専門家で星の専門家じゃないのよ~でもそんなの大人の勝手な都合よね」
わたし (先生……がんばれ先生)
「うまれる」というキーワードひとつで話題を振られた中村先生、答えるうちにどんどん質問者の尋ねたかったであろうことから離れていったけど、これは仕方ないです。お疲れ様でした……
それでは、本日の忘れがたい質疑応答にうつります。
質問 「木の年輪はどうやってできるのですか?」
藤田先生(植物の) 「日本のように四季がはっきりしているところでは、年輪ができる。春から夏にかけては、木が大きく育つので、大きな細胞が増えて白っぽい色に、夏から秋にかけては小さい細胞が増えるので茶色っぽい色になり、冬は休眠するので黒っぽくなって、また春に白っぽい細胞が増える。こうやって1年にひとつ輪っかが増える」
ふむふむ。そのあと、「だから、年輪を見ると、その人の年齢がわかります」っていっちゃった藤田先生、植物好きすぎて木を人間扱い。そしてさらに先生の快進撃は続く!
「人生の年輪ってわかります?」
ときた! じんせいの!年輪!
「あなたもこれから人生の年輪をつけていく、そういうことも考えていってください」
木の年輪の質問をしたら、唐突にこれからの人間的成長をも示唆されるというゴージャスな展開。
もうひとつ植物の藤田先生暴走編。
質問 「桃をむくと、茶色くなるのはなぜですか? 桃の汁が洋服につくととれないのはなぜですか?」
藤田先生 「桃をむいたり切ったりすると、桃に含まれるポリフェノールとポリフェノール酸化酵素が酸素に触れてそれで茶色く」
質問者 「はあ……」
恒例の置き去り! さて、この後は全国のお母さん待望の「桃の汁のシミ」問題。
藤田先生 「どんな服を着て桃を食べますか」
質問者 「え……普通の、学校に着ていくような」
藤田先生 「それはもったいない! 先生はね、作業服とか、出来るだけボロい服に着替えて桃を食べます」
桃を食べるために、服装をあらためるというスタイル! そして爆弾投下!
藤田先生 「服についた桃の汁のシミはね……これは……商品名なんでいっていいんですかね……ワイドハイターってやつを使うとうまく取れるんですよ、ハハハ。ワイドハイターに1~2時間漬けてから洗うと落ちます!」
一瞬気をつかいながらもいっちゃった! そして商品名連呼! 藤田先生が腹をくくった瞬間聴いた!
本日の英知の言葉: 「桃はボロい服を着て食べろ。シミがついたら、ワイドハイターで落とせ!」
藤田先生もすごいが、今日の司会の藤井アナも逸材。「タオルをお風呂につけると色が変わるのはなんでですか?」という4歳児の質問に、科学の藤田先生、いきなり「乱反射」という言葉を出してしまった。相手は4歳児。先生、「物の表面がざらざらしていると色は薄く、つるつるしていると濃く見える」といいかえたけど、「薄い / 濃い」もよくわかっていない様子で、説明しようとすればするほど深みにはまっていく展開……ああ、この子ぜったいわかってない、と聞いてる人間ほぼ全員思ってる状況下でのしめくくり、
藤井アナ 「わかったかな?」
4歳児 「はい」
藤井アナ 「 ほんと?」
アカンwwwww死ぬwwwwww
笑わせる(つもりかどうかは知らんが)だけではなくて、フォロー力がすごい。「アサガオの花は、咲いてるときは青いのに、しぼむと紫色になるのはなぜですか?」という質問に、藤田先生、「アサガオの花を水の中で搾って色水をつくり、そこにお酢(酸性)をたらすと赤くなり、炭酸ソーダ(アルカリ性)を入れると青くなる」という実験を紹介(「やってみて」といったら「いまは咲いてません」ていわれちゃった)、「アサガオは花が咲いたときはアルカリ性で、花が役目を終えると酸性になる」という説明をしたけど、質問者にはちょっと伝わっていないのを見て取って、藤井アナが「アサガオは元気なときは青で、元気がなくなると紫になる」という表現に変えて説明してあげたの、すごいと思った。まあ、仕組みをすっとばしてしまってるけど。
個人的に、今日いちばんいいなと思ったのは、これでした。
質問 「20cmくらいのオニヤンマを見つけましたが、地球温暖化と関係ありますか?」
「それどうしたの? 大きさをものさしで測った?」と尋ねる清水先生に、「高いところにいたので見ただけ」と答える質問者。先生は「昆虫の体が大きくなる要因は、エサが豊富で良質であること。温度に関しては、成長に適した温度があるから、温度が高ければ体が大きくなるというわけではない。また、ひとつの例からすぐに地球温暖化と結びつけることはできないから、関係はあるともないともいうことはできない」 と回答、そして、
「なんか大きいなー、と思ったら、捕まえて、かならずデータをとってください。かわいそうっていわれるけど、先生がやってるような、標本をつくることは、それで証拠を残すことなんです」
科学的なアプローチの指導をきっちりする清水先生、すばらしい。ああ、今日も面白かった。
いやー、面白いですね(笑)。
返信削除NHKのページには質問と回答が載っていますが、この答えだけでは面白さは分からないですね。
というより、きっと麩さんのまとめ方が面白いのだと思いました。
・・・ということで、引き続きまとめの方をよろしくお願いします(笑)。
個人的には人文系の質問も欲しいところですが、質問は自然科学に特化しているみたいですね・・・。
れぽれろさん、コメントありがとうございます。
削除もう、ほんと面白いんですよ。そうなんです、その日の各分野の質問と回答は、各分野につきひとつだけNHKのページで聴くことができて、それは知的な面ですごく面白いんですが、それ以外の面を捨て去っているのが残念でなりません。
わかりました! 今後も麩セレクトでお届けいたしますね! 乞うご期待! っていうか、素材の面白さなんですよねーこれは。あっしの手柄じゃないんですよね。子供たちと先生方のやりとりが面白すぎるんです。
そう! 人文系のこれ、ホントやってくんないかなー。「詩のボクシング」ができるんだから、アリだと思うんですけどねー。