2015-03-20

日々雑記 2015 Mar. #2

12日(木)

スギ……きみは悪くないんだ。ちっとも悪くない。けど、そんなに種をつくろうと頑張らなくていいんだ。挿し木で増やしてもらいなさい。ね? そういって聞かせても、聞く耳をもたない、というか耳はない、それが植物、そういうことだ。とりこんだ洗濯物をたたみつつ、涙(と咳と鼻水)にむせぶ夜。

明日は旅に出るのだ。日帰りだけど。


13日(金)

行ってきました。これのある辺り。


たのしかったが、日帰りでさすがに疲れた。


15日(日)

昼休みに『ギャルリー宮脇の常設展』を観に行った。 螺旋階段を登り、3階から見ていく。最初に目に入ったフランシス・ベーコンの版画にテンションが上がる。ディーン・ボウエンの作品が目をひいた。あたたかみのある色彩で、画面いっぱいに描かれた動物や昆虫が愛らしい。
2階は一室まるごと「塔本シスコの部屋」。鮮やかで、おおらかで、自由。ベニヤ板(なのかな)に描かれた作品などは、板に印刷された商標みたいなのがそのままむき出しだったりして。だけど、対象がものすごく丹念に描かれている。目がいい人なのだなと思う。もちろん画家はそうでないといけないけれども、それでもやはり、この人は図抜けていると思う。
ほかにもマッジ・ギルなどアール・ブリュットの作品の展示もあり、盛りだくさん。ジャン・フォートリエもよかった……1階で、ディーン・ボウエンの紹介されているものなど、PR誌「螺旋階段」のバックナンバーを何点か、それと『シスコと生きる』(ギャルリー宮脇刊)を購入。職場に戻り、残ったわずかな時間でたまごサンドを飲みこむように食べた。

 本日の収穫。




16日(月)

休日だというのに朝6時に目覚めてしまった。はなはだしく損をしているような気になったので、1時間ばかり布団から出ることを拒否しつづけていたが、それこそ馬鹿げているとようやく気づき、えいやっと起床。

朝食。


はじめはただマフィンを焼いてチーズを載せ、胡椒をふって挟んだだけのものにしようと思っていたのだが、賞味期限ぎりぎりのちくわが冷蔵庫から発見されたことにより事態は急変、迅速な作戦見直しを経て、単なるチーズマフィンが、ちくわマフィントースト・アッラ・ピッツァイオーラ(また強引な命名を)に華麗なる転身を遂げたのであった。焼いているうちにチーズがひろがるだろうと真ん中あたりにこんもり盛って焼いたのだが、思惑通りにいかずショボい外観……味は、まあこんなもんだろうというほどのもので、とくにうまくもまずくもなし。

午前中に用事を済まそうと思っていたのに、11時。帰ったらすぐに炊けるように、米をといでざるにあげてから外出。無事に用事を済ませ、帰路、ひやかすつもりで覗いたはずの古書店で、気がついたらなんだかいろいろ買っていた。危ないったらありゃしない。花粉以外にも、外には危険が満ち満ちている。

というわけで、本日のお買いもの。


昼食。


ちくわのまぜご飯と謎スープ。
朝のちくわマフィントースト・アッラ・ピッツァイオーラ(まだいうか)の残りのちくわ、ピーマン、玉ねぎと、たまごを炒めて白ごまを加え、炊いたごはんに混ぜた。謎スープはもともとは炒め玉ねぎのスープだったのだが、これの残ったものに、これまた残った大根の味噌汁だのかぶのスープだのシチーだのを順次加えて煮返してきたもの。続くと飽きるので新たに汁物をつくり、それがまた残ってしまうのでこれに加えるということを繰り返しているため、姿を変えつついつまでたってもなくならない。うなぎ屋の秘伝のタレとの違いは、毎回味が違うことか。ここまで変貌を遂げると、つくった本人にもなにが入っているのかもはや定かではない。今日も少し残ってしまった。今後がたのしみな汁物である。てなこといってないで早く食べてしまわないと。

午後は本を読んだり、荒れ放題の部屋を片づけたり。 いや、正確に言うと、最初はただ片づけようと思っただけなのだ。それが、片づけながらつい発掘された本を読みふけるわ、効率よく本棚に納めるためにあっち出したりこっち入れたりと試行錯誤するわ、という状況。片付くどころかよけいに散らかった部屋に立ちつくし、しばし呆然とする。

呆然としていてもしかたないので、気を取り直して、荒れ果てた部屋に散乱した本をひとところにごちゃっと寄せ(自棄)、居場所を確保して、ひとまず風呂に入り、晩酌。


ちくわの磯辺チーズ焼き、文旦と蟹、ならよかったのだけど、貧しい身ゆえ、例によってかにカマを混ぜ盛りにしたの。これ、けっこう美味い。……蟹ならなお美味いであろう、ということは考えないことにする。魚介類と柑橘類はよく合う。こんど小えびででもつくってみよう。いやべつに大えびでもいいのだけど、まあ予算的にだね、うん、そういうことだよ。

今回使用したかにカマは、これ。


このネーミング、嫌いではない。


17日(火)

朝からネットに繋がりにくい。 どうもルータがいけないらしい。電源を切ってしばし待ち、電源を入れなおすことをなんどか繰り返してみたが、状況は変わらず。思い余って少々強めにひっぱたいてみたら、即座に復旧した。なんだこれ。


18日(水)

本日のお買いもの。


アンナ・カヴァン『氷』。


19日(木)

今朝出掛けに、今読んでる本が見当たらなくて、床から積み上がっている本(こないだ本棚に納め切れなかった本)の一冊をかばんに放り込んで出たんだけど、それがいまさらながらの『ぼくのともだち』(エマニュエル・ボーヴ 白水Uブックス)で、これがやたらに面白い。「ぼくが望むのは、誰かを愛し、何人かともだちを持つことだけだ」といい、「誰もぼくの愛情に応えてくれない」という主人公ヴィクトール。ビヤール(ヴィクトールが勝手に「ともだち」候補と見込んだ人物)に自分の身 の上を逐一話してきかせたいと望んでいるのに、相手の身の上につながりそうな話題(「知っているかい。俺は同僚のせいで職を失ったんだ」)になると「こんな話はつまらない」と話題を変えようとする。ヒドい。ビヤールに恋人がいるときけば落胆、「彼の恋人は美人でないかもしれない」ことに希望を見出し、「最高だ」と聞いて絶望するが、「その女はビヤー ルのことを愛していない。ビヤールはそれを苦にしている。そういうことではないだろうか」って、なんなんだお前は!ヴィクトール!おもろすぎるわ。その翌晩ビヤールの部屋を訪ねて、「歓喜のあまり声も出せな」くなるのだけど、その理由というのが……皆さーん、こいつ、サイテーです!と指さしてやりたくなるほど。もうホンマにあかん奴なのである。しかしなんだか憎めない。

ぼくのともだち (白水Uブックス 184 海外小説の誘惑)
エマニュエル ボーヴ 渋谷 豊
4560071845

まだ読んでる途中だけど、これは強くおススメしたい。


20日(金)

桂米朝さんが昨夕亡くなった。好きすぎてなんもいえん。朝、YouTubeで「はてなの茶碗」などいくつかの映像を見る。泣きそうな気持ちで見ているのに、やっぱり大笑いする。ほんとうに国の宝であった方だと思う。

午前中に仕事をムリクリ終わらせ、4時からのイベントを見るために、京都駅そばの郵便局からブツを送付。あ、イベントというのは、

ということでね。 3時40分くらいに現場(京都駅正面の駅前広場)へ。もっと早く行けてたら原田知世さんのライブも観られたんだけど、密林から届く荷物を待ってて、それは涙を飲んだ。竹中直人監督の『サヨナラCOLOR』を観て、それまで好きでも嫌いでもなかった彼女を、このひとこんないい俳優だったんだ、と思ったのだった。
このイベントは、京都ローカルのFMラジオ番組の公開生放送で、番組オンエアが始まる前に、DJ谷口キヨコさん登場。そして4時台のゲストは原田知世さん、吉井和哉さん登場は7時ごろと知る。
……さんじかんごですか。昼に食べた大盛りカレーがよろしくなかったのか、ちょっとお腹が怪しいのだが……しかしあきらめていた原田知世さんのお姿を拝見できるわけで、いま確保したこのわりといい位置を放棄するわけにはいかない。というわけで、そのままゲスト登場を待つ。お腹のぐるぐると戦いながら。

やー、登場された時点で、その場の空気が澄むね。原田知世さん。その勢いで花粉もどっかいったらいいのに。ていうかマスク忘れたんだよわたしは。咳込みながら、ぼうっとした頭でトークを聴き、ぼうっとした頭ゆえ、なに聴いてんだかわからないうちに、原田さん退場。それと同時にものすごい数の人が帰っていく。ということで、このままここに残ったら、すんげーいい位置で 吉井氏を見られるわけだけど、ちょっとお腹がアレでね……断腸の思いでその場をあとにし、まあマジで腸がアレだったんですがね、しかるべき場所でしかるべき行為を行い、キオスクでマスクを買い、現場に戻る。

知世ファンの帰ったあと、残っているのは女性が多く、見晴らしがよくなる。しかし吉井氏登場までけっこう時間があり、あきらかに吉井氏目当てのわたしのとなりの女性は、キヨピーが頑張って盛り上げているのに吉井特集のロック雑誌を読みふけってたりする。ちょっと離れたところでは本格的に(かどうかはよくわからんが、綿棒みたいなの使ってたから)化粧している人もいる。なんかクラクラする。こんなとこ(もういちどいうが、京都駅前。屋外。タクシー乗り場横。人だかりの中)で化粧するか。

少々到着の遅れた吉井和哉さんのオンエア第一声は「こんばんは、斉藤和義です」でした。しかしカッコええ人はいるもんやね。吉井和哉さんとわたしの共通点は、人類であることと、四条川端下ルのラブホの名前を知っ…… えー、人類であることと、オノレでオノレの出鼻をくじくようなギャグを(´;ω;`)ブワッ……だから比べるなというのに。まあそのあとシモネタですべりまくってるとこが……いや、だから!……まあ、相違点のいちばん大きいとこは、カッコええ人はなにいうてもカッコええいうことやね。泣いてない。泣いてないです。

4 件のコメント:

  1. 宮島は自分も3年前に訪れました。
    ちょうどお盆休みの初日に奈良国立博物館に遊びに行って、そのあと宮島に旅行に行ったので、「また鹿か」と感じたことを覚えています(笑)。
    厳島神社の大鳥居は本当に良かったです。

    学生時代α-stationの谷口キヨコさんの番組を(なぜか)よく聴いていましたので、久しぶりのお名前で懐かしく思いました。
    谷口さんは昔、花粉の時期は「鼻うがい」が良いと言っておられましたが、いまだにやり方は分かりません。
    イエモンは今でもカラオケでよく歌います。
    吉井さん、ソロになってからはフォローしてないですが、何か聴いてみようかな・・・。

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    1. れぽれろさん、コメントありがとうございます。

      宮島、いいですねー。鹿ですね、鹿。でも奈良の鹿よりおっとりしているような気がしたんですが、押しが強くないというか。奈良の鹿みたいに「くださいよおー、くださいよおー」っていうところはないような。鹿せんべい売ってないからかもしれない(笑)。

      α-station、京都ローカルなのに、聴いてらしたんですね。まあわたしもときどきFM大阪聴いてますけど。
      「鼻うがい」ねー。生理食塩水(でないと浸透圧の関係で痛い)を鼻から吸って口から出すという、痛くないと知ってても結構勇気がいるアレですね。試したことはないです。怖い。

      おお、吉井氏の新譜(これのプロモーションで京都に来られてたわけです)もカッコいいんですけど、わたしはカバー集の『ヨシー・ファンクJr. ~此レガ原点!!~』が好きです。一時期、毎日聴いてました。

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  2. (*^o^*)オ(*^O^*)ハー

    春になり、デスクトップのPCを使うようになったので顔文字のバリエーションが増えました。
    (。・ ω<)ゞてへぺろ♡

    そして、こしひかりえちごビールね!
    「うまいビールを知ってるかい。うまいビールを飲んでるかい。」のえちごビール。
    http://www.echigo-beer.jp/
    新潟人はあんまり飲んでないかな・・・僕がよく行く「やまや」というお店には置いてあります。
    京都にも「やまや」はあるのでは!?

    えちごビールの本社は新潟市西蒲区にあるのですが、僕は車で1時間くらいのところに住んでます。
    広くない?車で1時間かけてまだ、市内にいるなんて!
    そして本社のそばには新潟人馴染みの角田山があります。
    角田山は右手には日本海の荒波という断崖絶壁(落ちたら確実に死ぬ)の道を通り、頂上に着くと、それはそれは恐ろしいまでの大量の熊ん蜂の大群が飛び交っている花畑に着くそうな・・・。
    そこから生きて帰ってこれたものはいない・・・まさに桃源郷のようなところだよ!(๑≧౪≦)てへぺろ

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    1. ともすけ先生、コメントありがとうございます。

      なんか…急にはじけておられる…春なのですね。
      えちごビールはですね、近所のスーパーでふつうに売ってるのですよ。もちろん「やまや」にもあります。
      「やまや」はよく利用してますよ~。

      新潟市って広いんですねー。
      うちのイナカも平成の大合併のせいでクルマで1時間かけても市外に出られん(地方特有の問題でしょうね)ですよ。
      落ちたら確実に死ぬ断崖絶壁を通って熊ん蜂の大群が飛び交う花畑に…新潟県の皆さんはドMですか。
      先生、こんどレポートしてください。ぜひ。骨は拾いに行きません。怖いから。

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