5/10/2015

日々雑記 2015 May #1

1日(金)

仕事で某市へ赴き、駅前からバスに乗る。いい天気。車内からぼんやり外を見ていて、とあるバス停の標識が目に入り、えっ?なにあれ?と思ったが、バスを待つ人がおらず素通りしてしまい、よく見ることができなかった。帰りはタクシー利用。べつにおごっているわけではなく、このあたり、バスが2時間に1本以下で、仕事が終わった時間帯は、バスで帰ろうと思ったら3時間待たなければいけないのだ。歩けば駅まで50分くらいかかる。というわけで、タクシーに乗り、通りすがりに件のバス停の標識を見たら、やはり見間違いではなかった。来週もここを通るはず。カメラ持って行こう。しかし、以前からああだったのだろうか。

朝から頭痛の兆候があったが、夜に本格化。いつも必ず同じ場所が痛むので、あー、またアレですねと思う程度には馴染み深くはあるのだけど、これがけっこう痛い。しかし頭痛薬が切れていた。しかたないのでガマンしていたら、背中が急に痛み出した。大きく息を吸うことができないほど。なんだこれ。ついこないだ、叔父が胆嚢取ったときのハナシを聞いたばかりで、それによると、急に背中が痛み出し、それがまた脂汗が流れるほど痛かったので病院に行ったら、即入院、緊急手術だと。一瞬それを疑ったけど、汗が流れるほどじゃなし。いいや、寝ちまえ。


2日(土)

ひと晩寝たらよくなるかと思いきや、起きたらさらにひどくなっている。が、脂汗が出るほどでなし。静かに呼吸しつつ、出勤。

仕事してたら、午後には多少マシになってきた。肩こりのひどいのみたいなもんなのかね。頭はまだ痛い。


3日(日)

頭痛はほぼおさまった。ときどきキリッと痛むし、そのあたりを押してみるとイデデデとなって後悔したりするのではあるが。背中はまだ少し痛むけど、明日あたりよくなりそうな感じ。

世間様は5連休だそうだが、わたしは本日も仕事。 仕事帰り、いつもとちがう道を歩いていて、トチノキに花が咲いているのを見た。トチノキの花ってはじめて見た。公園の木は白い花、道端の木は赤い花。案外とかわいらしい。「栃の花」って、夏の季語なのか。もう夏なんだな。

サキ『クローヴィス物語』読了。

クローヴィス物語 (白水Uブックス)
サキ 和爾 桃子
4560071993


そういえばサキの作品は、まとまった形で読んだことがなかった。それどころかわたしは「猿の手」(W. W. ジェイコブズ作)をサキの作品だと思い込んでいたので、もしかしたらはじめて読んだのかもしれない。まあそれはおいておくとして、これは贅沢な作品集だ。ドタバタあり、サスペンスあり、恐怖あり。しかし感傷はまったく ない。心温まらない。そこがいい。登場人物によって物語が語られる形式の話が多いが、語る者と語られる物語の距離のとり方が絶妙で、出来事だけ見ればかな り残酷なエピソードであっても、その語り口の軽さのためか、読後感は決して悪くない。「名画の背景」、「不静養」、「フィルボイド・スタッジ――ネズミの 助っ人」がお気に入り。しかし、クローヴィスは頭は切れるし、口も達者だし、話し上手だし、仕掛ける悪戯は抱腹絶倒モノだし、メチャクチャ面白いヤツだけど、身近にいたら相当迷惑だろうなあ。彼の関わる一切を、物陰からこっそり見ていたい。
翻訳も素晴らしかった。特に訳語の選択のセンスのよさに痺れた。

明日は休みなので、本を探しに行こう。


4日(月)

9:30 休日だというのにいつもの時間に目覚め、意地になって二度寝しようとするも眠れず、時間を盛大に無駄使いした挙句の遅い朝食。タカキベーカリーの「りんごとライ麦の石窯パン」、ほんのり甘くておいしい。


雨のパラつく中、古本まつりへ。

本日の収穫。自分用(2,754円也)


姪っ子たち用(4,158円也)


すぐにあげようと思うものたち ↑ と、


もうちょっと大きくなってからあげようと思うものたち ↑ 。
「ジャイアント・ジャム・サンド」と「さんびきのちいさいどうぶつ」は、すぐあげてもいいかもしれないけど。

「さんびきのちいさいどうぶつ」は、以前姫路の美術館にルドンを観に行ったとき、ふらっと入った古書店で見かけて即買いした本。好きすぎてどうしていいかわからん。いちばんちいさいどうぶつが意を決して、自分で「ようふく」と「ぼうし」と「くつ」をこしらえて身にまとい、いなくなったともだち2匹を探そうと「にんげんのせかい」に出て行くところは、読むたびに泣きそうになる。いや、実際泣いてる。

「めんどりペニー」は、「こんなの子供に読ませちゃダメ!」とか思われる方もありそうだな。わたしは「めでたし、めでたし」ってさー、それ、誰から見て? なんて思ってしまうほうなので、こういうの大好物なんだけど。

「かしこいビル」はですね、読むでしょう? すると絶対、「ビルーッ!! ビルーッ!!」って心の中で叫びますよ皆さま。お読みになればコレ、おわかりいただけるものと確信しております。


5日(火)

一日休んで出社したら、本来ならば、昨日のうちに片づけられていないといけない仕事がわたしのデスクに積んであったので、倒れそうになる。今日は事務所にわたしだけ。約3日分(体感)の仕事をひとりで片づける。

まあ、今日はお楽しみもあったのだ。一昨日見たトチノキの花を撮ろうと、カメラ持参で来たのだ。写真を撮りながら帰る。

まずは御射山公園のトチノキの白い花。


ここのトチノキは背が高いので、これが限界。

ケヤキの新葉がきれい。


白いツツジ。


ももいろのツツジ。


ベニバナトチノキとその花。


三条東洞院角に、こんな感じで立っている愛らしい木。公園の木より小柄なので、花も大きく撮れた。花壇の花もきれいに咲いていてうれしい。植えてあるのだけでなく、そこらに勝手に生えている草木の花も、咲いていると無条件にうれしくなる。よかったねえ、笑っているねえ、と思う。


6日(水)

休日の朝


麦飯、ねぎ入り炒りたまご、にんじんとごぼうのきんぴら、納豆、もやしの味噌汁。
調理時間25分。たいして早くはないようだけど、2口のガスコンロで鍋で飯を炊いて、汁もおかずもつくっているのだから、今日は効率よかった感じなのだ。米は昨夜洗っておいたので早くできた。

昼


残り物一掃スパゲティ。
調理時間15分。傷みかけた新たまねぎ、怪しげなトマト、しなびかけたピーマンを救済。そんな材料でも、万能お助け調味料ハリッサ(チュニジアあたりのにんにくとスパイスのきいた唐辛子ペースト。瓶詰めやチューブで売っている)があれば、そこそこ美味しくできるのだ。

午後は京都文化博物館で『京に生きる琳派の美』の展示を見る。自作につけたキャプションに、「琳派を意識して製作したことは一度としてない」とだけ書く作家さんもいらしたりして、なかなかおおらかな展示でよかった。染色と立体に興味深いものが多かった。そのあとは同館フィルムシアターで、市川崑監督『炎上』を見る。撮影:宮川一夫、照明:岡本健一の映像は素晴らしいのひとことしかない。脚本は……セリフですべての状況を説明するってのはどうなん?とやはり思ってしまう。特に冒頭と終幕の京都駅の場面のアレはなあ。しかしこの映画、以前見たと思いこんでいたけど初見だったし、見ている間ずっと、昔読んだ三島由紀夫の『金閣寺』ってこんなんだったっけ?という感じがしていたけど、いざどんなんだったか思い出そうとすると、これがちいとも覚えていないことに愕然。読んだことは確実なのに。いや、ほんとうに読んだのか? さあ、これはわからなくなってきました! ……老人力が着々と蓄えられてきている気がする。

晩酌


ゆで鱈レモンソース、ゆで海老と実生ゴールド柑、にんじんときゅうりの塩もみガーリックオイル和え。
調理時間20分。ほとんどは実生ゴールド柑の袋をむく時間。ほんで「レモンソース」とかいってるけど、実態は、ゆでた鱈に塩胡椒してレモン汁とオリーブオイルかけただけ。バター使用のレモンソースも一応レパートリーとしてはあるけれども、鍋を洗うのが面倒なのだな。これなら皿洗うだけっていう……生活感あふれるブログを目指しています。


7日(木)

仕事帰り、烏丸通を渡ろうと信号待ちをしていて、通りの反対側、なんとなく、なんとなーく気になるものが視界に入った。緑の中に、明るい黄緑、そのあたりにどうもオレンジ色がちらっと見えるような。アレはもしや、アレなのでは!? 信号が青になるやいなや小走りで通りを渡って、件の木に接近。ああ、やっぱり! ユリノキの花だ! うれしい。はじめて見た。のだけど、高いところに咲いていて、下からしか見えないのでなんだかよくわからない感じにしか見えない。オレンジの差し色があるとはいえ、緑の葉のなかの黄緑色の花はやっぱり地味で、気づいている人はほとんどいないらしい。どうにかして花をよく見たいばっかりに、ぐるぐると位置を替えながら上ばかり見ているわたしを、不審げに見る人もいる。ああ、今日もカメラを持っていない。これは iPod touch を買うしかないのかなあ。

(なんでこんなにユリノキの花にこだわっているのか気になるという方は、こちらをどうぞ→ 「また来年。もしかしたら再来年」 )


8日(金)

先週のアレを撮影しようとして、


見事失敗。見えた!でレリーズボタンを押すと、通り過ぎてからシャッターが切れるというね。待ってる人がいないので素通りするバスの中からでは至難の業であることがわかったよハハハ。

仕事は昼過ぎには終わって、せっかくカメラを持っているのだから、と家に帰らず、烏丸三条まで出て、ユリノキの花を撮る。


御池から四条まで歩いてみたけど、やはり花を咲かせているのはこの1本だけのようだ。街路樹なので、剪定の時期の問題なんだろうな。しかもE. A. ポウが書いたようにはぎっしり咲いてないのが残念。"Landor's Cottage"のユリノキはさぞ壮観であろうな。

ところで、ユリノキは枝を落としたあとが人間の目に似ているということを、某呟き処で2年前にも力説したのだが、これは今後も普及に努めようと思う。


本を持って出るのを忘れたので、いつもお世話になっている書店で、アルフレート・クビーンの『裏面』を購入して帰る。昔大学図書館に置いてあって読んだのだけど、おおかた忘れているな。

裏面: ある幻想的な物語 (白水Uブックス)
アルフレート クビーン 吉村 博次
4560071985


帰宅後、テキトーになんか腹に入れて、みなみ会館に、エドワード・ヤン監督の『恐怖分子』を観に行く。素晴らしい。とりあえず、観た直後の呟きを転載しておく。


いつか書く、つもりではある。

昼がテキトーすぎたので、映画を観終わるころには腹が減っていた。映画館の近所に、おいしいだし巻きを売っているスーパーがあった。あれ、久しぶりに食べたいなあ、と思う。わたしは昔このあたりに住んでいたのだ。だし巻き買って帰ろうか、ああ、だし巻きサンドウィッチってのもあったなー、とそのスーパーへ。

そこは午後6時で閉店していた。そのあたりのことは忘れているな。まあいい。ならば、帰り道はあっちの道を通って、昔よくだし巻き定食を食べに行ってた大衆食堂に行くか、と一見あくまでもだし巻きに拘っているように見えるが、昔よく食べていたのは、単に定食の中ではだし巻き定食がいちばん安かったというだけの理由なのであった。だが、たしかに美味かった。よし、そこ行こう。

その店はあった。しかし営業している様子はなかった。コンクリートの壁面の店名が削り取られていた。ああ、月日の流れのなんと残酷なことか。よろしい、ならば、ちゃんとお出汁をひいてつくったうどんやどんぶりを、考えられないほどの激安で食べさせてくれていた食堂だ!もうそこしかない!

その場所は更地になっていた。

もう、泣くしかない。


9日(土)

ユリノキの写真を某呟き処で上げたところ、なんだかバズっているのだが、それが花の写真のついでに上げた幹の写真のほうなので、困惑。


ユリノキは剪定されるとその翌年に花を咲かせることはないので、頻繁に剪定される街路樹の花に出会えることは、それこそ僥倖なのだ。


10日(日)

仕事帰りに、これまで渡りはしたけれども沿って歩いたことはない、近所の川べりを散歩した。 誰かが捨てた自転車が沈んでいたり、ごみがあっちこっちにひっかかっているような川なので、とくに歩いてみたいと思ったことがなかったのだ。川沿いに少し歩くと、遊歩道が整備されていたので、少し驚いた。小汚い川としか思っていなかったから。のんびり歩いていると、アカバナユウゲショウがかわいらしい花を咲かせている。ノビルのネギ坊主がひょろひょろ飛び出しているのも愉快だ。チガヤが穂を出している。まだ若いのを一本抜きとって齧ってみた。かすかに甘い。歩いているうちに暗くなってきたので、よく見えなくてなんだかわからない小さな白い花がたくさん咲いていて、芳香を放っているそのあたりの空気を大きく吸い込んでみたりもした。意外に楽しめるやないか。