14日に会わないから、と同僚から、前倒しでなにやらいただいたが、それはメッセージつきのおかきであった。こういうものがあるのだね。
13日(金)
朝から作業。説明は控えるが、なにがつらいといって、使われることは決してないとわかっているものを作るのがつらい。不毛とはこのこと。まったく、お役所仕事ってやつはゴニョゴニョ……
今日は休みなんだけど、ちょっと複雑な事情で仕事しなくてはいけなくなったのに、まったくやる気が起こらないでダラダラしているなう、とかいっているあいだにも納期までの時間は刻一刻と過ぎていくが、過ぎてしまってはマズイのでマジメに働こう、という気に一切ならないのは困ったものだな、などと思
— 麩之介 (@platerillo78) 2015, 2月 13
とか遊んでしまうほどにつらい。しかしやらねば、たのしみにしていた京都文化博物館のフィルムシアターで上映する溝口健二監督の『お遊さま』を観に行けない。
しかし結局午後2時過ぎまで遊んでしまった。人とはまこと弱きものよのう、 と嘆きつつ、しかし確実に my 尻 is on fire! であることを認識したので、心を入れ替えて仕事。おかげで5時ごろには目途がついたので終わってはいないが映画を観に。
いや、素晴らしかった。構図が完璧。宮川一夫のカメラワークが神技。そして乙羽信子が超カワイイ。
帰宅して、仕事の続き。なんだかんだで結局11時過ぎまでかかったが、無事終了。湯豆腐でビール。
14日(土)
仕事帰りにアサリを買ってきた。砂を吐かせるべく、バットに並べて、海水くらいの塩水をアサリが完全に水没しない量注いで、新聞紙で蓋をする。しばらく放置しておくと
なんということでしょう。アサリたちがこんなにものびのびと。……不憫だ……食べるけど。
存分にリラックスさせたところで水洗いし、土鍋に移して酒を注ぎ、ごめんよごめんよと謝りつつ(食べるけど)、ふたをして火にかける。パカンと開く音がしたらふたを取り、開いたものから引き上げる。身をはずし、出たスープは土鍋に戻して水を適宜足し、豆腐、葱、白菜を煮て、味をみて、塩を加えて吸い物よりは若干薄めの味に調整し、具材が煮えた頃合に、剥き身にしたアサリを投入。
仕上げに醤油をたらして、食べるときに七味唐辛子を振る。
うまい。 うまいよアサリたち。ありがとうありがとう。残り汁でうどんを煮て、一滴あまさずいただきました。
16日(月)
【我が家におけるロシア年2015】 本日のロシア関連事業は、「きのこの塩漬けの仕込み」。
使用したきのこは、しいたけ、エリンギ、まいたけ、ぶなしめじ、やなぎまつたけ、たもぎたけ。べつにこれらでなければならない理由はなく、単に安価(100円以下)だったというだけ。きのこを湯がいて水を切り、にんにく、イタリアンパセリの茎、ディルとともに瓶に入れ、水600ccに、塩、砂糖、酢を各大さじ1、粒黒胡椒10個、クローブ3個を入れて沸騰させた液を注ぐ。なめこも買ったけど、なんとなく入れるのは躊躇した。しかし後で調べてみたら(先にやれ)、ロシア在住の方の「ぬめりのあるきのこも入れてつくる」という情報が。入れときゃよかった。
17日(火)
体がだるい。花粉が本格化しましたな……
仕事帰りに京都文化博物館で成瀬巳喜男監督の『山の音』を観る。これは学生のころ、ところも同じ文博で一度観ているはず。昔はよさがわからなかったけど、今回その凄さがわかった。家屋はセットのはずなのに、庭から縁側、そして室内へ注がれる光線の自然なこと。台風の夜、停電して蝋燭を使う場面など、ライトを使用してないとは考えにくいのだけど、本当に蝋燭の光だけで撮影したのかと思わされてしまうほど。尾形信吾(山村聰)の、邪気のなさがかえって周囲に圧力を感じさせているさまの見せ方が、実にさりげなくなめらかで、だいたい演技がオーバー気味な原節子もいい具合に抑え加減で、品格があるというのはこういう映画のことをいうのだろうな。しかし文博、考えたらわたしが学生のころから値上げしていない。消費税が5%から8%に上がっても、値上げしないでいてくれた。入館料大人500円、学生400円。これで常設展示と映画が観られるのだし、特別展があるときは、当然そのチケットで全部いけるのだから、もう素晴らしすぎる。
18日(水)
【我が家におけるロシア年2015】 本日のロシア関連事業は、「ロシアのビールを飲む」。
その名もБалтика(バルティカ=バルト海)。 No. 3はピルスナータイプ。
鮭は出勤前に、塩胡椒してレモン汁とオリーブオイルをかけ、ディルとイタリアンパセリをのっけておいたもの。帰宅したらホイルに包んでオーブントースターで焼くだけ。塩漬けきのこもホイルに包んで一緒に温めた。じゃがいもとにんじんは塩茹でしてイタリアンパセリのみじん切りをまぶしたもの。考えたら香り成分ぜんぶ同じ……いいんですよ、ディルとイタリアンパセリが入ってるだけでロシアっぽくなるんですから!
バルティカ 3は、味わいはちゃんとあるけど、かなりすっきりクリアで、食べ物の邪魔をしない優秀なビール。 これはヘタするといくらでも飲める危険なビールかも知れぬ。
イサク・ディーネセンの『ピサへの道 七つのゴシック物語1』を読み終える。これは凄い。「猿」など、荒唐無稽という言葉が追いつかんほどの、開いた口がふさがらんというかなんというか、わけわからんパワーとユーモアがゲージ振り切ってる感あり。「ピサへの道」がいい。これ、すごく好き。
ピサへの道 七つのゴシック物語1 (白水Uブックス 海外小説 永遠の本棚)
イサク ディネセン 横山 貞子
19日(木)
アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフの『カシタンカ・ねむい』を読みはじめる。 なんということもない日常をふと揺るがすなにものかの存在、その存在そのものも、やはりなんということもないもの、という感じ。恐ろしく繊細。ああ、「富籤」は落語に翻案するとよいのではないだろうか。いや、設定も主人公の行動も妄想っぷりも、なにもかもコレまさに落語ですわ。
カシタンカ・ねむい 他七篇 (岩波文庫)
チェーホフ 神西 清
仕事帰りに文博で、五所平之助監督・田中絹代主演の『伊豆の踊り子』(1933年)観てきた。いや驚いた。あんな素晴らしい映画だったとは。リーフレットを見たとき、「サイレントで123分?長っ!」と 思ってしまったけど、ちっとも長く感じなかったのは、職人技の編集によるリズムのよさのおかげだろうか。いやー、ほんと素晴らしかった。 なんにも期待しないで観てごめんなさい。
20日(金)
3月半ばまでは、休日返上でこなさなければならない仕事でぎっちぎち、こうなるとどうしても、仕事以外のことが異様にはかどる。というわけで(なにがだ)、今日は朝から掃除、洗濯に励み、チェーホフとディーネセンを読み、旅行計画と、塩煮りんごと、発酵キャベツと塩漬けきのこを使ったシチーができあがった。仕事はできあがらなかった。けど、まだ二日あるから。大丈夫だから。とかいい出すと、これまで決まって危なかったけど、今回は大丈夫だから。だから。
酸っぱいシチーうまい。