2018-01-21

土鍋ごはんのたのしみ

このところ寒さが一瞬ゆるんで気を抜き、宅配便の応対に裸足で出たところ、配達員の兄ちゃんの視線が一瞬下に向いたのを見逃さなかった麩之介です。皆さまいかがお過ごしですか。冷えは足から!抜かりなく!

1月某日。

ふふふふふ。これを手に入れたのである。



トゥッペギの蓋。某所で見本として使用されていたのをいただいて愛用しているトゥッペギ、身だけで蓋がなく、必要な場合にはその辺にあるアルミ鍋の蓋をかぶせて使っていたのだけど、とあるネットショップでバラ売りしていると知って入手したのだ。



合わせてみた。若干色味が違うが気にしない。重さがあるのでごはんが美味しく炊けるだろうな。

そう思ってしまったからには、炊くしかないではないか。土鍋ごはん。どこかで書いたと思うけど、麩家の人間はわたし以外は異常にくじ運がよく、懸賞やらガラガラポンやらで様々なものを引き当ててくるのだが、母が当ててきたものの中に「かまどさん」という高級炊飯土鍋があり、実家に帰ったときの楽しみがこれで炊いたごはんなのであった。現在オール電化住宅となった実家でも、このためにカセットコンロを購入したほど。土鍋炊きのごはんは美味なのである。

それではさっそく炊いてみようではないか。米を1合洗ってじゅうぶんに浸水し、ざるに上げて水を切り、あらためて水加減する。



蓋をして火にかける。火加減は例の「はじめちょろちょろ中ぱっぱ」というやつ。まあ、ごはんはいつも文化鍋で炊いているので楽勝!



と思いきや、「中ぱっぱ」で沸騰したら盛大に吹きこぼれた。弱火にしても保温力の高い土鍋のこと、すぐには止まらない。おねばがどんどん溢れだしてガス火に焼かれ、受け皿にたまっていく。むー、ここはあれだ、ガスレンジの掃除をこれまで以上に頻繁にできて清潔な台所が維持できると、こう前向きに考えようではないか。蓋に蒸気穴がなくて、灼熱のおねばが地獄の如く吹き出さないぶん掃除もラクだ!そう思え!ポジティブに行け!

ぶふふぶふふと溢れ出すおねばに心痛めつつ、そのままごく弱火で約10分、吹きこぼれも止まってピチピチと音がしはじめたら、強火にして10秒、火を止めて15分蒸らしてできあがり。ああ、香ばしい、よいにおい。

さあ、蓋を開けますってえと



……光ってますね。まぶしいくらいに。これは間違いない。底から大きく混ぜよう。おお、お焦げもできている。最高じゃないか。

というわけで、朝めし。



土鍋炊きごはん、納豆、玉ねぎとわかめの味噌汁。ごはんが主役なのだから、シンプルなおかずで勝負。さあ、いただきましょう。

……美味い、美味いよごはん!おかずいらないくらい!ほんのり香ばしいお焦げの香りだけで3杯はいける!1合では3杯もないけど!なんだワシ錯乱してるぞ!ありがとう、ありがとうトゥッペギ!1合なんてペロリだ!

一心不乱に食らったあとは、底に残ったお焦げに湯を注いで湯桶に。と思ったのだけど、ふとこれが目にとまり。


350円の蓋だけ買って、商品より高い送料を払うのもなんなので、ほかにもあれこれ買ってしまった中のインスタントプゴク。えー、つくり方は


……数字しかわからんな。だが数字が読めてイラストが理解できたらだいたいオッケー。ブロックひとつを250mlの湯に入れて2分煮る、だろ。それか電子レンジ700wで5分。そういえば、前に風邪ひいたときに兵糧として購入したものとメーカー同じだなこれ。若干パッケージ違うけど、唐辛子入りかそうでないかの違いだろう。


というわけで、つくり方はたぶん間違えずに、プゴク雑炊完成。ブロックが個包装じゃないのでふたつとも入れちゃえ、と水500㎖で鍋一杯に。お焦げの香ばしさも相俟って、かなりうまーい。しかしさすがに食べすぎじゃないか、わたし。今日はもう晩まで食べなくていいんじゃないか。

そう思ったのもつかの間、昼が近づいてくると腹が鳴った。どうなってるんだわたしの体は。時間制なのか。そのあたりはまた時間のある時にゆっくり考えるとして、朝食後に満腹をさすりながら(比喩表現)調べてみたら、吹きこぼれさせずに飯を炊くには「蓋を開けた状態で炊け」という「そりゃそうだ」な解決策を見つけて目からうろこが3千枚落ちた。なんとなく「はじめちょろちょろ中ぱっぱ じゅうじゅう吹いたら火を引いて 赤子泣いても蓋取るな」が染みついていて、蓋は取ってはいけないのだし、どうしよう、次はレンガでも載せとくか(※危険なのでやっちゃダメ)、などと思っていたが、取っていいんだ!よし、試してみる!五徳と受け皿も洗った!

さて、めし炊きトライアル2合目。鍋に下準備した米を入れて水加減し、蓋をして火加減は常のごとく、沸騰したら蓋を取る。


ごく弱火にして沸騰が落ち着いてきたら、この程度開けた状態で蓋をして炊き、


様子を見ながら少しずつ閉めていき


ラスト5分ほどは完全に閉めて炊き、10秒強火にして火を止める。これで吹きこぼれることなく炊けた。

さて、結果は


おおお……朝のは吹きこぼれを恐れるあまりに腰の引けた加熱になってしまったが、今回恐れることなく蓋を開けてガンガン熱することができたおかげか、神々しいばかりに見事な艶……だったらよかったんだが、違いはよくわからない。いわゆる「お米が立ってる」という気はなんとなくするが、たぶん気がするだけだ。そんなことより、底から大きく混ぜましょう。


はい。そして実食。


朝に続いて、米を食べることに特化した昼のおかずは、朝の残りの味噌汁と、わたしの好物なので、なにかにつけ妹が送ってくれる、兵庫県北部でしか(たぶん)売っていない「川丈のおかずのり(徳用)」。さて、いただきます。

あ……(この後の記憶はない)

というのはウソだが、いや、いいわこれ美味いわ。まあ朝のごはんとの違いがわかるような舌じゃないけど、もうワシ、なんなら米と塩だけで生きていけるわ。

あー、美味いねえ美味いねえと食べながらも、あることが頭をよぎったのだが、いって構わないだろうか。

蓋開けて炊くなら、蓋の重さ関係なくね?その辺の蓋でいんじゃね?

……いかん、考えてはいかん。自ら求めて不幸になることはない。見るがよい、アルミ鍋の蓋をきせたときの違和感とは程遠い、しっくりとおさまる様はまさに破れ鍋に綴じ蓋、いや破れても綴じてもいないが、身と蓋の見事な調和を。若干の色の違いは見るでない。

シメはお焦げ粥。


ごはんのシメが粥。米好きにもほどがある。だけどこのお焦げの香ばしさをいかした、塩だけで薄味に仕立てた粥は、当然ごはんとは別種の趣があり、端的にいって最高だ。二日酔いの朝に食べたい。ということは、二日酔いすることを見越して飯を炊くということが考えにくい以上、飯を炊いたら二日酔いするほど飲めと、そういうことだね。うん、違うね。

午後、実家から救援物資が来る。


伯母の育てた新鮮野菜と、妹からの米。つい「新米は 忘れたころ(今日)に やってくる」と呟いてしまったが、タイムリーすぎるではないか。炊いて炊いて炊きまくれと、そういうことだな妹よ、ありがとう。では、まず大根の醤油漬けをつくって、飯を炊くとするかな。

0 件のコメント:

コメントを投稿