2016-10-22

日々雑記 2016 Oct. #2

11日(火)

なんとか締め切りは守ることができた。これで社会的に抹殺されずにすみそうだ。しかし、1週間かけてやるつもりだった仕事が実質2日でできたのだから、次回からはもっとサボっていいはず。(よくない)

今日届いた本


バリントン・J.・ベイリー『禅〈ゼン・ガン〉銃』(酒井昭伸 訳 ハヤカワ文庫)、飯嶋和一『始祖鳥記』(小学館文庫)。『禅〈ゼン・ガン〉銃』は、同じ著者の『カエアンの聖衣』がどえらく面白かったと呟いたところ、SF読みの方から教えていただいたのだ。きいた限りでは、これもハチャメチャそう。『始祖鳥記』は、文庫が出たころ面白い面白いと聞かされていたのだけど、裏表紙の紹介文に「全日本人必読!」とか書いてあったので読む気が一気に失せたのだったが、天明期に空を飛んだという、その実在の人物がなんとなく気になりだしたので、読んでみることにしたのだ。どっちも楽しみだ。


12日(水)

昨日から「世界食料デー ・ソーシャルアクション おにぎりアクション2016」( こちらをご参照くださいませ→ 「おにぎりアクション2016」 )が始まった。サイトまたはSNSにおにぎり写真を投稿すると、協賛企業・支援者から、写真1件につき給食5食分に相当する100円が寄付されるという。こ、こんなときに、我が家に一粒の米もないとは……いや、期間は11月30日までなのだから、いくらなんでもそれまでには来るだろうけれども。

日が沈むまえに、買い物がてら散歩に出た。もう彼岸花は姿を消していたけれども、マルバルコウソウがいっぱい咲いていた。


テッド・チャン『あなたの人生の物語』読了。どれもこれもアイディアも素晴らしいけれども、それを扱う手さばきが神業。表題作「あなたの人生の物語」に登場する、「一個の樽が七本の脚に接合されて宙に持ちあげられているように」見え「七個の目」が「頂部をとりまいて配されて」いるヘプタポッドは、たぶん「前後左右」という概念をもたないのではないかなどと思う。重力の影響を受ける環境下の生き物なら「上下」の概念はあるだろうけど。それに「七個の目」と「七本の脚」をもつというのだから、ひょっとしたら「対称」の概念もないかもしれない。映画化されて、日本では来春公開ということだけど、予告編を見る限り、わたしは映画にはあまり期待しないでおこうと思う。なんせ小説が凄すぎる。小説の最後の最後で、あちこちに散りばめられた述懐の意味が一気に鮮明になる瞬間、薄々わかってはいたことだけれども、やはり鳥肌が立った。あの体験が映画で可能なのだろうか。まあ観には行くだろうけれども。むしろ「七十二文字」なんかのほうが映画に向いてるのではないかな?

4150114587あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)
テッド・チャン 浅倉 久志・他
早川書房 2003-09-30by G-Tools


13日(木)

仕事帰りに地下街を通ったら、なんだか素敵なことになっていた。



藤袴アベニュー。よいですね。地上の方も見に行こう。

本日、飯島和一『始祖鳥記』を読み始めたのだが、「『全日本人必読!」だァ? ケッ!」とかいって買わなかったあの時の自分を罰したい。それくらい「この本べらぼうに面白い」感がビシビシ伝わってくるわけです。参りましたねこれは。(もう降参か)

ノーベル文学賞は、ボブ・ディランだって。ちょっと吃驚したのは事実だけど、どっちかというと、「ミュージシャンにやるのか」とか「小説じゃないと」とかいいだす人もいるってことのほうに吃驚した。考えてみればもともと文学とは詩であったわけで、詩はもともと音楽と切り離すべきものではなかったのだから、ごちゃごちゃいうヤツのほうががおかしいのだよ。「小説じゃないと」に至っては、「文学賞」なんだから詩人がとったっていいんだし、過去に実際詩人が何人もとってるわけだし、いわゆる「文学」じゃないものを書いている人がとったこともあるんだし、なんでもいいんですよ、言葉を用いた芸術ならば、ハイ、サヨウナラ!といいたいですね。


14日(金)

E. フッサール『オデーン Ⅰ 』


……失礼いたしました。おでんを煮ました。これから毎日おでん三昧(食べた分だけ具を足すので)。不思議と飽きないものだしね。おでんを食べながらディランを聴く。


トマスの方ね。( Highway 61 Revisited も持ってるけどね)


15日(土)

仕事中にBBCラジオでも聴こうと iPlayer をダウンロードしようとしたところ、日本のストアでは扱ってないから英国のストアで購入せいといわれ、英国のストアではオマエのアカウントはヴェリファイされとらんので日本のストアで購入せいとたらい回しされる。結局 British Radios を入れた。でも British Radios は他局も聴けるし、なにより使いやすかったので、結果的にこっちで正解だったな。ただし広告はウザい。無料だからしかたないな、と思っていたら、課金して広告なしにできるらしい。しかも240円。支払いましょう。いずれアメリカのラジオも聴けるようにしよう。

『オデーン Ⅱ 』(二日目のおでん)。


味がしみしみでうまいのである。


16日(日)

晴れている。外壁工事のため、ベランダに洗濯物が干せるのは日曜だけなので、ここを先途と洗濯する。

朝。


トーストとマサラチャイ。

米なし生活も今日で1週間。超法規的措置として、玄米を自分に許すことにした。「おにぎりアクション」もできるしね!(いいわけじゃないです)

てなわけで、昼。


玄米おむすび(ゆかり+とろろ昆布)、こんにゃくの炒り煮、おいもの塩煮、柿の味醂がけ、麦茶。
1週間ぶりの米の味は、五臓六腑にしみわたりました。柿に煮切った味醂をかけると、柿の味が深くなるのでおすすめです。

でっかいプラムを甘口ロゼワインに漬けた。


繁忙期のわたしの活力源となれ。




三日目のオデーン。


17日(月)

夜食におむすび。


玄米おむすびには、麺つゆで和えた天かす、おかか、紅ショウガ、いりごま、青のりを混ぜ込んだ。要するにたこ焼き味。天かすをウスターソースで和えたらさらにたこ焼き味になるのではなかろうかと思われたが、それをする勇気はなかった。


18日(火)

本日の弁当


玄米おむすび( 刻んでカリっとするまで乾煎りした油揚げを焦がし醤油とバターで味つけしたのと刻みねぎの混ぜごはん、焼き海苔)と、もずくスープ(フリーズドライのやつ)。

某呟き処で「弁慶飯」というのを教えていただいた。味噌を塗って焼いたおむすびを、漬け菜でくるんだもの。めちゃめちゃおいしそうではないか。

本日で職場を去る方から、誤って洗面所に置いてしまいそうな食品をいただいた。


どう見ても整髪料。

飯嶋和一『始祖鳥記』半分ほど読む。やはりべらぼうに面白い。オノレが空飛びたいだけの幸吉が、腐りきった藩政への批判を読み取られて、というかあてがわれて称揚されてしまうところなど、カースン・マッカラーズの The Heart Is a Lonely Hunter に似てんな、なんて思う。


19日(水)

夜、わたしの住む階のどこかで、なぜかカネタタキが鳴いている。


20日(木)

本日の弁当


 玄米おむすび(焙ってもんだわかめと、焼いてほぐしたかますの干物の混ぜごはん、焼き海苔)と、フリーズドライのもずくスープ。

このおむすび(「つまみ御料」という)、地味だけどうまいのだ。かますのかわりに鮭や鯵でもいい。火取りわかめはたくさんつくって密閉容器に保存しとくと便利よ奥さま。


今回は郷里但馬の干しわかめを焙ってつくったけど、カットわかめをフライパンで乾煎りしてもつくれます。

帰宅してしばらく仕事。この繁忙期が終わったら、七輪でなんか焼いて食べたい……

2 件のコメント:

  1. ノーベル文学賞の話、まさに仰る通りだと思います。
    「文学=小説」という考え方はずいぶん違和感のある話で、詩や戯曲や批評やルポタージュ(記録文学)など、小説以外にも文学のジャンルはたくさんありますね。(そもそも文芸としては小説は詩よりずっと歴史が浅い。)
    ドイツ文学史の本には、ワーグナーなどのオペラや戦後西ドイツのラジオドラマなんかも登場しますし、文学はずっと幅広いもの。
    ボブ・ディランについては自分は「blowin' in the wind」と「like a rolling stone」くらいしか知らないのですが、今回の受賞は言語表現の何たるかを考える上でも良かったのではないかと思います。

    無性におむすびが食べたくなったので明日はおむすびを買ってこようと思います 笑。

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    1. れぽれろさん、コメントありがとうございます。

      そう、批評も文学です!文学って、ものすごくふところが深いはずなんですよね。石牟礼道子『苦海浄土』は文学じゃないの?読んでみ?って思います。ボブ・ディランは、ウェールズの詩人ディラン・トマスからその名を借りているし、その詩は、それこそアレン・ギンズバーグにつながるものだと思いますし。なにがきっかけになるにせよ、「文学」について議論が活発になるのは歓迎すべきことだと思います。

      おむすびおいしいですよね。「おにぎりアクション」は、買ったおむすびでもOKなので、もしよろしければ、サイトにお写真を投稿なさってくださればうれしいですねー。

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