涼しい朝。ニガウリの花が少し増えてきた。
うっかり追熟させてしまったピーマンでピペラードをつくった。オリーブオイルで玉ねぎ、にんにく、ピーマン、トマトを炒め、冷蔵庫に少しだけ残っていたトマトペースト、ローリエ、塩、カイエンペッパーを加えて煮詰める。鍋に少し残して保存容器に入れ、粗熱がとれたら冷凍庫へ。鍋に残ったものはたまごとじにして、パンに挟んで焼く。
朝
ピペラードのホットサンド、生姜紅茶。
ちょっとボリュームありすぎて、食べるのにひと苦労。
昼
オクラめかぶ、冷やし茄子、ごった佃煮、麦飯、きゅうりの梅酢漬け、ほうれんそう(冷凍)の味噌汁。
飯は炊いたが、ほぼ市販品、つくりおき、冷凍で構成。きゅうりはいつもの塩水漬けをつくる際、塩を少し減らして梅酢を加えた。
夕方、普段は行かない某商業施設に立ち寄ったら、買い物客のノーマスク顎マスク鼻出しウレタンマスク率が、わたしの行動範囲のどこよりも高かった。もう行かないと決めた。ワクチン未接種のわたくし、まだ身近で感染者は出ていないけれども、避けられる危険は避ける。
エーリヒ・ケストナー『飛ぶ教室』(池田香代子 訳 岩波少年文庫)を読み返す。わたしの宝物。フィクションだけど、嘘のない本。「まえがき その二」で、ケストナーはある作家から贈られた子供向けの本を読んで腹を立てたと書く。
(……)なぜかと言うと、この人は、この本を読む子どもたちに、子どもというものはのべつまくなしに楽しくて、どうしていいかわからないくらいしあわせなのだと信じこませようとしていたからだ。このうそつきの作家は、子ども時代はとびきり上等のケーキみたいなものだと言おうとしていたのだ。どうしておとなは、自分の子どものころをすっかり忘れてしまい、子どもたちにはときには悲しいことやみじめなことだってあるということを、ある日とつぜん、まったく理解できなくなってしまうのだろう。(……)人形がこわれたので泣くか、それとも、もっと大きくなってから、友だちをなくしたので泣くかは、どうでもいい。人生、なにを悲しむかではなく、どれくらい深く悲しむかが重要なのだ。誓ってもいいが、子どもの涙はおとなの涙よりちいさいなんてことはない。(pp. 19-20)
ケストナーの作品では、子供の悲しみを小さなものと見なすべきではないということが、繰り返し語られる。そして、自分も子供であったということを決して忘れず、子供の悲しみに寄り添う人たちが登場する。『ふたりのロッテ』のガーベレさん、『飛ぶ教室』の正義さんや、禁煙さん。ケストナー自身そういう人であったのだろうと思う。現実世界でそうした人たちに会うことはあまりないだろう(そうだ、正義さんは「なかった」からこそ、そういう人であろうとしたのだ)。子供だったころのことを忘れ、子供はみんなしあわせで楽しくてしかたないものだ、子供の悲しみはおとなの苦労に比べれば取るに足りないものだ、と平気で考えるようになる人の方が多いだろうから。きっと、だからケストナーは本を書いたのだろう、そうすることで本を読む子供たちに寄り添おうとしたのだろう、そう思う。
この本には忘れ難い人が何人も登場する。わたしは主役である子供たち(それぞれに悩みや悲しみをもっている)はもちろんのこと、正義さんや禁煙さんも好きだけれども、実はいちばんのお気に入りは、表情ひとつ変えずにメタなギャグをかまして生徒たちに困惑と爆笑をもたらすクロイツカム先生だったりする。あのひと絶対わかってやってる。
12日(木)
朝から雨。気温が低いのはありがたいけれども、この先1週間降り続くという恐ろしい予報。
朝
りんご(ジャズ)にピーナッツバター、素トースト、紅茶。
昼
きゅうりの梅酢漬け、謎佃煮、うな次郎丼、インスタント味噌汁(とうふ)。
うな次郎は土用の丑の日に買っておいたもの(賞味期限は切れている)。うなぎらしい食感を追求したメーカーさんの努力がすごい。うなぎほど脂っこくなくて、なかなかいいものだと思う。
13日(金)
今朝のNZりんごはソニア。
細長い形が面白い。
朝
りんご、トーストにピーナッツバター、コーヒー。
ソニアは酸味が少なく甘かった。これで近所のスーパーで売っているニュージーランド産りんごは制覇(クッキングアップルは除く)。どれもおいしかったけど、好みなのはジャズかな。
昼
セイヨウカラシナ漬け、オクラの胡麻和え、お揚げとちくわの丼、インスタント春雨スープ(わかめ)。
干しておいたにがうりを煎る。
いい匂い。
そろそろ着替えの在庫品薄のため、この先1週間ずっと雨らしいけれども諦めて洗濯、ベランダに干す。夜、激しい風雨。わやでございまするがな。
14日(土)
市からの警報メールがひっきりなしに来る。いつもの散歩コースの川が危険な状況らしい。えらいことだ。
朝
焼りんご(あわしま堂)、麦茶。
昼
にんじんとこんにゃくとちくわのきんぴら、焼きなす、きゅうりの梅酢漬け、麦飯、炒めごぼうの味噌汁。
傷のあるなすをお安く売っていたので焼きなすにした。皮は剥くので無問題だもんね。多めに焼いておき、残った分は包丁で叩いてオリーブオイル、塩、胡椒、レモン汁を混ぜておく。
それにしても部屋の中が暗い。本も読んでいられない(灯りをつけろ)。
おやつ
くるみゆべし、にがうり茶。
にがうり茶は、はじめ甘味が感じられ、後から苦味が追いかけてくる。けっこう苦いが、嫌いな味ではない。
夕方から雨脚がかなり強くなってきた。相変わらず警報メールががんがん来る。大きな被害が出ないといいけど。
晩は昼の残りのきんぴらをアテにビール。
15日(日)
朝
トースト、なすペースト、紅茶。
昨日つくっておいたなすのペーストを、網で焼いたライ麦パンに塗って食べた。
雨が上がり、日が射してきた。洗濯ものが乾くといいけど。
昼
ピーマン丸煮、冷や奴、冷やしトマト、きゅうり漬けとわかめのレモン和え、残りものの炊き込みごはん、大根の梅酢醤油漬け、蒸しなすの味噌汁。
買いおき、つくりおき、残りものリサイクル膳。炊き込みごはんには、昨日の残りのきんぴらと炒めごぼう、冷凍しておいたちりめんじゃこを使用した。
ニガウリ11号を収穫。
黄色くしてしまったので、自然に割れるのを待った。冷やして赤く熟した仮種皮を食べる。
おやつ
まくわうり。
雨は降らず、洗濯ものはよく乾いた。二日ぶりに取り込む。
敗戦の日だからといって特別になにかするわけでもないけど、最近読み返して、あらためて心に刻んでおこうと思ったエーリヒ・ケストナーの言葉を書き留めておこう。
へこたれるな! くじけない心をもて! わかったかい? 出だしさえしのげば、もう勝負は半分こっちのものだ。なぜなら、一発おみまいされてもおちついていられれば、あのふたつの性質、つまり勇気とかしこさを発揮できるからだ。ぼくがこれからいうことを、よくよく心にとめておいてほしい。かしこさをともなわない勇気は乱暴でしかないし、勇気をともなわないかしこさは屁のようなものなんだよ! 世界の歴史には、かしこくない人びとが勇気をもち、かしこい人びとが臆病だった時代がいくらもあった。これは正しいことではなかった。勇気ある人びとがかしこく、かしこい人びとが勇気をもつようになってはじめて、人類も進歩したなと実感されるのだろう。なにを人類の進歩と言うか、これまではともすると誤解されてきたのだ。『飛ぶ教室』(池田香代子 訳 岩波少年文庫)pp. 24-25
もうひとつ、わたしの贔屓のクロイツカム先生が生徒たちに書き取らせた言葉。
「平和を乱すことがなされたら、それをした者だけでなく、止めなかった者にも責任はある」同書 p. 143
へこたれず、くじけず、勇気をもち、かしこくあろう。見て見ぬふりはしないでおこう。そうするようにつとめよう。
晩は、昼の残りの豆腐に青唐醤油漬けを乗せたのをアテに、ビール少々。
16日(月)
早朝に地震。震源は滋賀北部とか。大きいものでなくてよかったけど、大雨で地盤が緩んでいるときにこういうの、ほんと勘弁してほしい。
朝
りんご(パシフィッククイーン)、ラムレーズン蒸しぱん、紅茶。
蒸しぱんはタカキベーカリーの製品。かなりのアルコール感。
パソ子の調子が悪く、仕事にならないので再起動したところ、Windows更新に巻き込まれ、さらに仕事どころではなくなったのでお昼にした。昨日の炊き込みごはんの残りをチンして食べた。
晩は厚揚げを焼いてビール少々。
17日(火)
朝
刻みきつねうどん。
朝からずっと雨だけど、午後に猛烈な降り。
夜、風呂の残り湯で、乾くあてのない洗濯。植物たちも徒長気味。
フィリパ・ピアス『真夜中のパーティー』(猪熊葉子 訳 岩波少年文庫)を読んだ。以下読書メーターに書いた感想を転載。
子供たちのなんてことない日常を描いた短篇集で、ああ、こういう気持ちになったことあるよな、と懐かしいような気持ちで読んだ。ただ自分が子供だったときのことを考えると、わたしはぼんやりしていてその気持ちを言葉にすることができなかった。こんなにも鮮やかに描いてくれるとは、さすがフィリパ・ピアス。表題作はほんとに楽しい。でも、子供時代、いいことばっかりじゃないよね。思い通りにならないこともあったし、みじめになることだってあった。そんな気持ちを掬い上げてくれた「カッコウ鳥が鳴いた」は忘れがたい。「よごれディック」も。
みごとなんですよ。ほんとに。
冷凍しておいたピペラードを冷蔵室へ。また冷凍庫をぱんぱんにしないように、保存のために冷凍したものは積極的に使っていきたい。
18日(水)
朝
ピペラードを乗せて焼いたライ麦パン、紅茶。
雨は昼には上がり、日も差したので、洗濯物もおおむね乾いた。しかし夜にはまた降り出した。この時期には珍しい長雨。
19日(木)
朝は食欲がなく、コーヒーのみ。
昼
おくらめかぶ納豆、なすとピーマンの味噌炒め、きゅうりの塩水漬け、白飯、インスタント春雨スープ(野菜)。
味付めかぶの新商品にオクラ入りのものがあったので買ってみた。
昼に雷が鳴るなどしたが、午後には雨が上がった。
フィリパ・ピアス『まぼろしの小さい犬』(猪熊葉子 訳 岩波少年文庫)を読んだ。以下、読書メーターに書いた感想を転載……これはネタバレなしで感想を書くのは難しい……ので多少ネタバレあります。
誕生日におじいさんが約束してくれた犬をもらうことを心待ちにしていたベンは、送られてきたプレゼントが刺繍の犬の絵だったことに失望し、目をつむると現れる想像の犬チキチトを飼い始める。渇望が生み出した幻影に逃避し、それに危険なまでにのめり込んだ少年が、引っ越しを機に現実の子犬を手に入れてめでたしめでたし、で終わらせないところがピアスの凄いところ。現実に理想を押しつけて勝手に失望する少年(これは冒頭と重なりあう)が、あるがままの現実を受け入れるまでの葛藤をきっちり描き、最後の最後まで緊張感が持続する。見事な作品。
傑作です。
ということで、姪たちに送る本の審査がやっと完了した(何度も読んだ本をまた読み返したりしてるから!)ので、荷造りして集荷を依頼。はやくしないと一緒に送るお菓子の賞味期限がきてしまう。
20日(金)
スキっと晴れたいい朝。ニラの花の蜜をアシナガバチが舐めている。ひょっとして授粉してくれるのか。
朝
インスタントトマトスープ、りんご(パシフィッククイーン)、バジル(ベランダ産)入りたまご焼き、ライ麦パンのトースト。
いい天気で暑くなるのかなと思ったが、昼過ぎにはまたもや雨。
午後2時‐4時で宅配業者さんが来る(配達&集荷)ので、正午すぎから緊張している。2時になった途端にマスク装着。我ながら緊張しすぎだと思う。2時45分に集荷の人が来て本を渡し、3時50分に配達の人が来て本を受け取る。はー苦しい。
受け取った本。
わかしょ文庫『うろん紀行』(代わりに読む人)。
Web連載中から書籍化をたのしみに待っていたのだ。そのわりに、出てすぐには買わなかったのだけど。
お昼を食べているときに業者さんに来られたらどうしよう、と思って食べずにいたので(いくらなんでも緊張しすぎでは)、やっとお昼。残りものを温めて適当に。
夕方には雨も上がり、見事な夕焼け。
雨に濡れた屋上が赤い光を映しているのがいいな。明日は晴れるかな。
0 件のコメント:
コメントを投稿