2017-09-09

尽日尋秋――ある日の植物散歩

9月4日(月)

帰省のお供に持ち帰った塚本邦雄『十二神将変』、昨日の朝は、父のいる部屋から聞こえてくる謎の音楽が気になりすぎて読むのを断念、また夜は夜で、寝床で読もうとしたら2分で寝落ちするという体たらくで、とんと進まない。今日こそはと朝食後に寝っ転がって読もうと試みる。敵は今朝はムード歌謡(?)の編集をしている。いや違うな、「ザ・河島英五」みたい(歌っているのがだれかわからんが、ことによると河島英五かもしれない)なのも入ってるな。あれ、ド演歌。あ、吉幾三。ん、70年台フォーク?ってもう気になりすぎて読書にならん。いい天気なので散歩に出かける。


いつもの土手へ。暑いけれども風が気持ちいい。コシアカツバメが飛んでいる。

ヨメナにミツバチ。


ヨメナは薄紫の花なのだけど、どうも白っぽく写ってしまった。逆に白が青紫っぽく写ってしまうこともある。センサーの問題なんだろうか。

ハルシャギク。


ジャノメソウともいう。「ハルシャ」は波斯(ペルシア)のこと。北米原産なのに、なんでペルシアなんだろう。

キンミズヒキ。


バラ科(葉を見れば納得)ってほんとにいろんな形態の植物があるな。

アキノノゲシ。


上品な淡い黄色の花はよいものだ。


ただ、こう、なんというか、全体的に散漫な印象はあるけれども。秋らしく涼しげ、といえばいいか。

ブタナ。


ひょろひょろと面白い形に伸びた茎の先に花を咲かせる風情はわりと好きだ。花期はけっこう長い。若い葉や茎はタンポポ同様食用にでき、苦みはタンポポより少ない。ブタナという名前はフランス語由来らしいけど、英名の "catsear" から「ネコノミミ」かなんかになっていれば、もっと愛されたかもしれないなんて思う。いや、ブタはとてもかわいらしくて賢い生き物だけれども。

子供のころはしょっちゅう土手の斜面や水際で遊んでいた。いまは入れないように柵が施されたりしているけれども、このへんは絶えず工事していて、今回工事用車両の通り道を通ってみたところ、かなり川に近づける場所があった。そのうち入れなくなるのだろうが。


なにやら動物の歩いた跡がたくさん。


なんだろうな。


これはまた違う。わたしがこの川で見たことのある哺乳類は、飼い犬以外はカヤネズミとヌートリアだけだけど、ほかにもシカとかタヌキとかイノシシとかはいそう。

このあたりにはケイヌビエがたくさん生えている。


「イヌ」ビエというからには、食えないのかな、と思ったらそうではないらしい。品種改良されたものを「ヒエ」と呼び、改良前のものを「イヌビエ」としたのだとか。有用性において劣るから、てことらしい。たしかに栽培種のヒエよりは収量が少なそうだけど、「役に立たない」という意味で「イヌ」を冠するのは、彼らにも犬にも失礼な話だと思うが、まあ彼らにはそんなことどうでもいいのだろう。犬もたぶん気にしていない。

ハッカ。




たくさん生えている。

道を挟んで青ジソいっぱい。


赤ジソ一株。


ここ食材が豊富だな。しかしここにも工事がなければ近づけなかっただろう。事実、5月の帰省時には入れなかった場所で、次回また入れるとは限らない。

シロバナサクラタデ。


好きな花。遠目に見ると地味だけど、




近寄って見ると、ひとつひとつの花は小さいながら美しく、まとまるとゴージャス。

クズ。


これまたゴージャス。そして食べられる。天ぷらとか、茹でて酢の物にするとか。

オオオナモミ。


よく友達の服に投げつけたなあ。通称「ひっつき虫」。これは外来種で、在来種のオナモミは絶滅危惧種。もっとも近畿圏ではとうに滅びていて、わたしが子供のころに遊んだのはもちろん本種。

ヤブツルアズキ。


実がなっている。アズキの原種。アズキよりもかなり実が小さく、また熟して乾燥した莢ははじけてしまうため収穫が難しいけど、味はアズキそのもので美味いらしい。

ツルマメ。


こちらはダイズの原種。この豆も若いものが枝豆のように食べられるそう。

ニガクサ。


クルマバナとよく似ているけど、花のつき方と形が違う。なんでニガクサなんだろう、苦くないのに(かじってみた)。

そろそろ昼なので、帰宅。


散歩午後の部。というか仕事の郵便物を出しに行くついでに晩ごはんの買いものを頼まれたので、さらにそのついでに散歩したのだ。

道にはみ出る勢いでビュンビュン伸びているメドハギ。


花はこんなの。


「メド」は「穴」のことだと思ってたら、「筮」なのだそうで、これは「メドギ」と読む。易占で使用される筮は、現在は竹製(「筮竹」ですね)だけど、もとはこの草の茎だったとか。

ミソハギ。


盆花として花屋で売られているけど、土手に普通に生えている。

ガガイモ。


ふかふかしている。わたしが愛する小さな神様、ヒムシ(蛾)の皮を身に纏ったスクナヒコナノミコトが乗ってきたアメノカガミノフネは、このガガイモの実の莢とされている。

アレチウリ(特定外来生物)。




わたしはなぜかこいつの名前が覚えられなくて、某呟き処で「これなんだっけ?」「アレチウリです」という会話を何度かした気がする。


アレチウリとクズの死闘。

午前の部のニガクサとよく似た、クルマバナ。


花が丸く茎を取り巻いて咲くようすが車のようだからなんだって。

ヨメナにベニシジミ。


午後の部も白っぽく撮れてしまった。

すっかり秋の空だ。


そろそろ帰ろう。醤油ともやしと豆腐を買って。


おまけ。晩のおかずの買いものに行く途中、


なんかゴジラっぽい絵が撮れた。

4 件のコメント:

  1. こんにちは!
    シロバナサクラタデって花初めて知りました!愛らしいですね〜私もこれ好きな花になりました��

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    1. 夏樹さん、コメントありがとうございます。ようこそお越しくださいました。

      可愛い花ですよね。湿ったところが好きで、河原などに生えていますので、機会があれば探してみてくださいねー。

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    2. (あっさくらの絵文字文字化けしてる…)

      あたたかい歓迎ありがとうございます!!

      ぜひ生でも見てみたいところです。麩之介さんのブログ片手に散歩に繰り出すのも楽しそうです〜〜

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  2. ああ、せっかくのさくらの絵文字が……(なんだったんだろうと思ってました)

    実物は写真よりかわいいですよ。ぜひぜひ。

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